レースの勝敗を分けるのは、もはやドライビングテクニックではない。今、Forza Horizon 6のオンラインコミュニティで、悪質な「体当たり」に対する不満が沸点に達している。クリ
ーンなレース環境をどう担保するのか。これは現代のオンラインゲームが直面する、最も深刻で急務の課題だ。
発端は海外掲示板Redditに投稿された一本のプレイ動画。追い越しを仕掛けた瞬間、先行車が故意に幅寄せを行い、後続車を容赦なくバリアへ叩き込む。被害を受けたプレイヤーは怒り半分、呆れ半分に「この男に懸賞金をかけたい」と投稿した。
事態の深刻さを物語るのは、この悪質ドライバーがリーダーボードのトップに君臨しているという事実。システム上、不当な体当たりが勝利への有効な戦術として成立してしまっているのが現状だ。シミュレーターほど厳格なルールがないとはいえ、フェアプレイの精神を欠いた行動が報われる環境は、プレイヤーの熱を急速に奪っていく。
事態の打開策としてコミュニティから強く求められているアプローチは大きく2つある。
一つはゴースティングの強化。悪質な接触をシステムが検知し、強制的に車両を透明化してすり抜けさせる仕組みだ。すでにゲーム内の一部で導入されているものの、より厳格な介入を望む声は多い。ただ、過度な透明化は両刃の剣。接触スレスレの極限のバトルから生まれる、あのヒリヒリとした緊張感まで奪いかねない。


そこで現実的な最適解として支持を集めているのが、行動ベースのマッチメイキングだ。競合タイトルであるグランツーリスモシリーズのスポーツマンシップレーティング(SR)や、他タイトルで導入されている「隔離サーバー」の思想に近い。常習的に体当たりを繰り返す悪質プレイヤーを抽出し、彼らだけの無法地帯ロビーへと強制的に隔離する。クリーンなプレイヤーのプレイ環境を守りつつ、悪質プレイヤーには自業自得の環境を与える、極めて合理的な手法と言える。
爽快感をウリにするタイトルであっても、対人戦の根底にあるべきは最低限のモラル。悪質なプレイを放置すれば、優良なプレイヤーから順に愛想を尽かして去っていくのは、過去の数々のタイトルが証明している。
開発元のPlayground Gamesが、高まる不満の声にどう応えるか。透明化によるシステム的介入か、それとも隔離による住み分けか。次の一手が、本作のオンライン寿命を大きく左右する。

