皆さん、ついに来ました!長年にわたり、ガジェット好きの間で囁かれ続けてきた折りたたみ式iPhone(通称:iPhone Fold)に関する、極めて具体的かつ野心的な情報が飛び込んできました。
ウェブからすぐに削除されたというサプライチェーンのレポートによると、Appleは初代iPhone Fold向けに、なんと2,200万枚ものOLEDパネルをSamsung Displayに発注したというのです。
この数字、ピンと来ない方もいるかもしれません。しかし、現在の折りたたみ式スマートフォンの世界市場全体が年間2,000万台強で推移していることを考えると、Appleは発売当初からこのセグメントの半分以上をかっさらう勢いで市場に参入しようとしていることになります。
これは単なる「噂」レベルの話ではありません。もしこの発注数が事実であれば、Appleは「ニッチなプロトタイプ」や「一部のアーリーアダプター向け」といった、我々が抱いていた予測とのズレを生み出し、従来のiPhoneの新たなファミリーとして、真剣に市場の変革を狙っていることを示唆しています。
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1. 2,200万枚発注の衝撃
AppleがSamsung Displayに発注したとされるOLEDパネルの内訳は、折りたたみ式ディスプレイ1,100万枚、外付けディスプレイ1,100万枚です。歩留まりを考慮すると、約1,000万台のiPhone Foldの生産を見込んでいることになります。
1.1. 市場予測を凌駕する「自信」の根拠
業界の当初予測が、初代の折りたたみ式iPhoneの出荷台数を600万〜800万台としていたことを考えると、この1,000万台という生産目標は、予想を大幅に上回っています。これは何を意味するのでしょうか。
Appleは、iPhone Foldを「Vision Pro」のような技術的なショーケースや、ごく一部の愛好家向けガジェットとしてではなく、従来のiPhoneに加わる新たな柱として位置づけているという明確な意思表示です。
そもそも、現在の折りたたみ式市場全体が年間2,000万台程度です。Appleがその半分を占めるということは、「Appleが参入すれば、市場規模そのものが一気に拡大する」という強い自信、すなわち自社のブランド力に対する自己参照性を示しています。

1.2. iPad mini化するiPhone
噂されるiPhone Foldのフォームファクターは、「本のような」デザインで、閉じた状態(約5.35インチ)では従来のiPhoneのようにコンパクトに使用でき、開くと約7.58インチの大きな内側ディスプレイが現れます。
これは、ユーザーに「閉じた時の利便性」と「開いた時のiPad miniのような生産性」の両立という、他社製品では実現しきれていない理想的な価値を提供することを目指しています。Appleは、折りたたみ式という形態を、単なる目新しさではなく、ユーザー体験の根本的な向上として提供しようとしているのです。

2. 技術的課題への取り組みと「プレミアム価格」の真実
iPhone Foldの登場は2026年と予測されていますが、この遅延はAppleの歴史的な慎重さ、すなわち「他社に問題点を解決させ、その後に大きな欠陥を克服した完成度の高い製品を投入する」という戦略に忠実であることの裏返しです。
2.1. Appleが目指す「妥協なき技術」
Appleは、先行するAndroid勢との差別化を図るため、複数の先端技術を同時に採用すると報じられています。
折りたたみ式スマホの最大の欠点である「画面中央の折り目」を、新しいヒンジ技術と特殊素材で極限まで軽減しようとしています。これは、ユーザーが感じる品質への妥協を徹底的に排除するというAppleらしいアプローチです。
次に、従来の偏光板を省いた「COE (Color Filter on Encapsulation) OLED」を採用することで、画面の薄さと明るさを両立させ、折りたたみ式ディスプレイの弱点を克服しようとしています。
更に、前々から噂されているパンチホールやノッチを避けるためにディスプレイ内蔵カメラ(UDC)の採用も検討されているようですが、画質や画面の均一性の妥協を嫌うAppleは、自社の品質基準に達するまで待つという姿勢です。これは、安易な流行に流されず、完成度を追求するAppleの信念を示しています。
2.2. 約2,400ドルの価値をどう考えるか?
IDCのアナリストは、初代iPhone Foldの予想価格が標準的なスマートフォンの約3倍に相当する約2,400ドル(約35万円超)になると予測しています。たっかwwww
この価格は、多くの一般消費者にとって大きな経済的負担であり、「そんなに高くて売れるのか?」という当然の疑問が生じます。しかし、アナリストはAppleが初年度の折りたたみ式市場の総売上高の34%を獲得すると見ています。
これは、生産台数(22%)以上の収益シェアであり、「高価格でもApple製品を選ぶ層」、すなわち製品の革新性とブランド価値に極めて高い対価を支払うことを厭わない層が一定数存在することを証明しています。このプレミアム戦略こそが、Appleが市場にもたらす最大の変化の知覚でしょう。

3. 先行者Samsungへの影響
Appleの参入は、これまで市場を牽引してきたSamsungや他のAndroidメーカーにとって、間違いなく大きなプレッシャーとなります。特に2026年には、Samsungの次世代機「Galaxy Z Trifold」の発売も予定されており、折りたたみスマホの覇権争いはさらに激化します。
消費者は、iPhone Fold(高価格、高完成度)と、Galaxyシリーズ(多様なモデル、より実績のあるヒンジ技術)のどちらを選ぶかという比較検討を迫られます。iPhone Foldは、その完成度の高さで、価格の壁を乗り越えられるかどうかが問われます。
しかし、Appleの参入は、市場全体を活性化させるというポジティブな側面もあります。IDCのアナリストが指摘するように、Appleの登場は一般消費者の関心を集め、折りたたみ式スマートフォン市場全体の成長を大幅に加速させると予測されています。さて…どうなることでしょう。

