iPhone Foldがエンジニアリング検証試験用に100台生産された！？

都市伝説のように語られ続けてきた「折りたたみiPhone」。出る出ると言われ続け、結局出ないまま数年が経ち、もはや「出る出る詐欺」なんじゃないかと疑っていたのは私だけではないはずです。

しかし、ここに来て風向きが急激に変わりました。

ただの噂レベルではなく、具体的な生産台数やテスト段階の情報が漏れ伝わってきたのです。報じられた価格は、正直言って目が飛び出るような数字ですが、それに見合うだけの「革命」が起きようとしています。

今回は、サプライチェーンの深層から浮かび上がってきた「iPhone Fold（仮）」の最新情報、特に私たちが最も気にしている「画面の折り目問題」の解決策と、現実味を帯びてきた2026年の発売スケジュールについて、冷静かつ情熱的に解説します。

あわせて読みたい

【デザイン変更？】iPhone 18 Proは２個所のデザイン変更があるらしい…17 Proとの違いと「ダイナミック... 毎年9月になると繰り返される、私たちとAppleの知恵比べ。新しいiPhoneが出るたびに「カメラが大きくなっただけ？」なんて冷ややかな声も聞こえますが、2026年に登場予...

ついにEVT段階へ。幻の100台が意味するもの

Apple製品のリーク情報において、「プロトタイプが完成した」という話と「EVT（エンジニアリング検証試験）に入った」という話は、その重みが全く違います。前者が「こんなの作れたらいいね」という夢の段階だとすれば、後者は「これを商品として世に出すために、徹底的にイジメ抜く」という現実の段階です。

EVTテストとは何か？なぜ100台なのか

報道によると、Appleは「iPhone Fold」をこのEVT段階に移行させ、テスト用に約100台を生産したとのこと。

この100台は、ショーケースに飾るためのものではありません。ハードウェアエンジニアたちが、部品が正常に動作するか、設計が電気的に破綻していないか、そして何より「量産したときに不良品が出ないか」を確認するための、いわば実験体です。

100台という数字は、単なる試作にしては多く、量産にしては少なすぎる絶妙なライン。これはAppleが本気で「製品化」を視野に入れている証拠と言えます。これまで数々の噂がありましたが、物理的なデバイスが検証ラインに乗ったという事実は、発売へのカウントダウンが静かに、しかし確実に始まったことを意味しています。

画面の「折り目」問題、Appleはどう解決したのか

折りたたみスマホを使ったことがある人なら誰でも知っている、あの「中央の溝」。指が引っかかる感触や、光の反射で歪む画面は、先進的な体験を一瞬で現実に引き戻すノイズでした。

しかし、Appleはこの「忌まわしい折り目」を解消したと報じられています。

サムスン製パネルとApple製レシピの融合

興味深いのはその手法です。内部スクリーン自体は、折りたたみ有機ELの最大手であるサムスンが製造します。しかし、UDNの報道によれば、「パネル構造、材料処理工程、ラミネートプレス方法」といった核心部分はAppleが独自に設計しているとのこと。

つまり、素材はサムスンから調達するものの、それをどう料理するか（どう積層し、どう曲げるか）というレシピはAppleが握っているということです。これにより、他社の折りたたみスマホに見られるような「溝」が画期的になくなり、一枚のガラスのような滑らかさを実現している可能性があります。

もしこれが本当なら、後発であるAppleが市場を一気にひっくり返す「iPhone Ultra」級のセールスポイントになるでしょう。

驚愕の価格設定と、それを支えるサプライヤーたち

さて、ここからが現実的で痛い話です。もしあなたがこの革新的なデバイスを手に入れたいなら、今すぐ「500円玉貯金」を始めたほうがいいかもしれません。いや、それでは間に合わないかも。

2,399ドルという「異次元」の価格

Fubon Researchのアナリストによる試算では、このデバイスの価格は2,399ドルになると予測されています。現在の為替レート（1ドル約150円〜155円換算）で単純計算すると、約36万円〜37万円。消費税や日本向けの上乗せを考慮すれば、40万円に迫る可能性があります。

「これまでで最も高価なiPhone」になることは確実です。中古の軽自動車が買えてしまう価格ですが、それでも「折り目がなく、タブレットとスマホを一台に集約できるApple製品」という価値に、どれだけの人が財布の紐を緩めるのか。市場の反応が試されることになります。

カメラとヒンジへのこだわり

この高価格の理由は、特殊な部品にもあります。 まず、カメラにはガラスとプラスチックのハイブリッドレンズが採用されるとの噂があり、これはLargan Precisionが供給する可能性があります。薄型化と画質を両立させるための策でしょう。

そして、折りたたみスマホの命とも言える「ヒンジ（蝶番）」。ここにはShin Zu Shingというサプライヤーの名前が挙がっています。ヒンジは数万回の開閉に耐える耐久性と、スムーズな動き、そして折り目を消すための複雑な機構が必要とされるため、デバイスの中で最も高価な部品の一つです。

Foxconnが専用の生産ラインを構築したという情報も、Appleがこの複雑なパズルのピースを本気で組み上げようとしている裏付けになります。