『Arc Raiders (アークレイダーズ)』で、見知らぬプレイヤーと遭遇した時のあの独特な緊張感。「撃たれるか、それとも…?」と息を呑む瞬間は、このゲームの醍醐味の一つですよね。
多くのプレイヤーが「クロスプレイをオフにすれば、同じプラットフォームの仲間と平和に遊べる(あるいは、公平に戦える)」と期待しているかもしれません。
しかし、もし「プレイする場所によって、プレイヤーの行動が全くの別物になる」としたら、あなたはどうしますか?
最近、とある2人のプレイヤーが1週間かけて行った小規模ながらも衝撃的な実験データが、コミュニティで大きな話題を呼んでいます。彼らが記録した400回以上の遭遇データは、私たちが無意識に感じていた「ロビーの雰囲気の違い」を、残酷なまでに可視化してしまったのです。
この記事では、その衝撃的なデータ(PS5版とPC版の比較)を深掘りし、なぜこれほどの差が生まれるのか、そして私たちがこの「修羅の国」あるいは「ユートピア」でどう立ち回るべきかを考察します。
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始まりは純粋な好奇心「1週間、クロスプレイを切ってみた」
この興味深い実験を行ったのは、2人の『アークレイダーズ』プレイヤーです。彼らのルールは非常にシンプルでした。
- 1人はPS5(クロスプレイオフ)、もう1人はPC(クロスプレイオフ)でプレイ。
- 期間は1週間。
- ソロでプレイし、敵と遭遇したらまず「武器を捨てる」。
- 行動を起こす前に、まず「コミュニケーション」を試みる。
彼らは、出会ったプレイヤーの反応(会話、トレード、そして発砲)をすべて記録しました。合計400回以上に及ぶ生々しいインタラクションの記録は、やがて恐ろしいほどの「プラットフォーム格差」を浮かび上がらせることになります。

PS5版:そこは「即発砲」と「裏切り」が支配する世界
まず、PS5版プレイヤーのデータから見ていきましょう。彼は84ラウンドをプレイし、237人のプレイヤーと遭遇しました。
その結果は…控えめに言っても「過酷」でした。
- 102人 (約43%):即座に発砲
文字通り、視界に入った瞬間に問答無用で攻撃してきました。 - 58人 (約24%):協力を装い、背後から攻撃
「一緒にやろう」と見せかけて、油断したところを狙う、最も悪質なパターンです。 - 28人 (約12%):脱出地点での裏切り
苦労して共闘し、脱出ヘリに乗る直前に裏切るパターン。
つまり、遭遇したプレイヤーの実に79%(約8割)が、何らかの形で敵対的・攻撃的な行動をとったことになります。
友好的なプレイヤーがいなかったわけではありません。「幸運を祈る」と声をかけてくれた人は42人(約18%)いましたが、最終的に脱出まで一緒にいたのは、たったの7人 (約3%) でした。
このプレイヤーは、実験の終わりには「コミュニケーションを試みること自体がリスク」だと判断し、より静かで、物陰に潜むような慎重なプレイスタイルへと移行せざるを得ませんでした。PS5のロビーは、彼にとって「修羅の国」そのものだったのです。

PC版:まるで別ゲー。そこには「会話」と「協力」が存在した
一方、PC版の状況はどうだったのでしょうか。 PCプレイヤーは51ラウンドで172人のプレイヤーと遭遇しました。そして、その結果はPS5版とは「ほぼ真逆」と言ってもいいものでした。
- 98人 (約57%):「幸運を祈る」など友好的な態度
PS5版とは比べ物にならない割合のプレイヤーが、即座の敵対を選びませんでした。 - 17人 (約10%):脱出まで共闘
最後まで一緒に戦い、脱出を共にした仲間です。割合で言えばPS5の3倍以上です。 - 47人 (約27%):即座に発砲
もちろん、PC版にも好戦的なプレイヤーはいます。しかし、その割合はPS5版(43%)よりずっと低い結果となりました。 - 7人 (約4% ):嘘をついて攻撃
協力を装う裏切り行為も、PS5版(24%)と比較すると圧倒的に少数でした。
PC版では、アイテムの交換や「ちょっと一緒にやらないか」という短時間のチームアップの提案が、普通に受け入れられる土壌があったと報告されています。

なぜ、ここまで「民度」が違うのか?
これは非常に興味深い問題です。もちろん、この実験はプレイヤー2名、1週間という小規模なサンプルに過ぎません。これを「全プレイヤーの傾向」と断定することはできません。
しかし、この大きな差を説明する「仮説」はいくつか考えられます。
PS5では、ボイスチャット(VC)を使わない限り、とっさのコミュニケーションはエモートやジェスチャーに限られます。一方、PCプレイヤーはテキストチャット(キーボード)や、外部ツール(Discordなど)での連携に慣れており、「話しかける」ハードルが格段に低い可能性があります。
PC(マウス&キーボード)の方が、敵を発見してから正確に狙いを定めて撃つまでの動作が速い傾向があります。逆に言えば、敵意がないことを示す(武器を構えない、チャットを打つ)余裕も生まれやすいのかもしれません。
そして、これは非常にデリケートな問題ですが、コンシューマー機(PS5)はより「アクション」や「対戦」そのものを楽しむ層が、PCは「コミュニティ」や「協力プレイ」も重視する層が、相対的に多いのではないか…という推測もできます。(もちろん、これは単なる偏見の可能性もありますが)

この「残酷なデータ」を、私たちはどう活かすべきか
今回の実験が示したのは、「あなたがプレイしているArc Raidersは、隣でPC版をプレイしている人のArc Raidersとは、全く異なるゲームかもしれない」という、少し怖い現実です。
もしあなたがPS5プレイヤーで、「最近、裏切りや即発砲ばかりで疲れた…」と感じているなら、それはあなたのせいではなく、単純に「そういう環境(ロビー)」に放り込まれているだけなのかもしれません。
このデータを元に、私たちが今できることを考えてみましょう。
- PS5で続ける猛者へ
「即発砲」と「裏切り」がデフォルトであると覚悟を決め、それを上回るステルス技術と戦闘スキルを磨く。ある意味、最もハードコアなサバイバルを楽しんでいると言えます。 - PC版が選べるなら
もしあなたが「他人と協力するロールプレイ」や「一期一会の出会い」をこのゲームに求めているなら、PC版でプレイすることで、その体験ができる可能性は格段に上がるでしょう。 - クロスプレイの「オン」を再考する
これまで「PS5同士の方が安心」とクロスプレイをオフにしていた人も、あえて「オン」にしてみることで、PC版の「ユートピア」から来た協力的なプレイヤーに出会える確率が上がる…かもしれません。
このデータは、あくまで「u/Scared-Computer502」氏ら2人の体験に基づいています。 あなたの『アークレイダーズ』体験は、これと比べてどうでしょうか?

