【覇権ゲー?】Arc RaidersがBF6とヘルダイバー2を抜いた“本当の理由”とは。Steamで時間溶けすぎ注意報

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2025年、我々はFPS/シューティングゲームというジャンルが、もはや飽和しきった戦場だということを知っています。「また新しいFPSか」――そう呟きながら、結局は『Apex』や『VALORANT』、あるいは『Counter-Strike 2』に戻っていく。それが日常でした。

しかし、2025年10月30日。この日を境に、Steamの勢力図が静かに、しかし劇的に塗り替えられ始めています。

その名は『Arc Raiders』。

基本プレイ無料。『The Finals』でゲーム業界の“破壊”と“創造”を体現したEmbark Studiosが放つ、PvPvE(プレイヤー対プレイヤー対エネミー)の脱出シューター。

「どうせ『The Finals』のみたいに始めだけでは?」

「タルコフ系は難しくて続かない…」

そんな冷笑的な予測は、たった10日余りで粉砕されました。これは、単なる流行ではありません。既存の超大作を踏み台にし、我々の「ゲームを選ぶ基準」そのものを揺さぶり始めた、“事件”なのです。

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なぜ我々は『Arc Raiders』の沼にハマるのか

まず、現実を見てみましょう。 『Arc Raiders』は、2025年11月9日、Steamにおける同時接続プレイヤー数(CCU)が462,488人という、とんでもない数字を叩き出しました。

これがどれほどの「異常事態」か。

  • FPS界の巨人、『バトルフィールド 6』の24時間最高記録(441,035人)を追い抜きました
  • 2024年初頭に社会現象となった『Helldivers 2』の史上最高記録(458,709人)すらも、超えてしまったのです。

これにより、『Arc Raiders』は『Counter-Strike 2』『Dota 2』『PUBG』という“神々の領域”に次ぐ、Steamで4番目に大きなゲームへと、わずか10日で成り上がりました。

なぜ、これほどまでにプレイヤーが殺到しているのか。単に「脱出シューターが流行っているから」でしょうか?

成功の本質「コミュニティ」という名の引力

市場アナリストは、この成功を「脱出シューティングゲームだからではない」と断言しています。核心は、Embark Studiosの「コミュニティを重視していること」にある、と。

『The Finals』で実証されたように、彼らはプレイヤーの声を恐ろしいほどのスピードで(時には賛否両論ありながらも)ゲームに反映させます。

『Arc Raiders』でもその姿勢は健在で、ローンチから間もなくパッチ1.1.0をリリース。新マップ条件の追加や、2025年内のロードマップ(新マップ「ステラ・モンティス」の予告)を早々に公開し、「運営は常にあなたたちを見ている」という強烈なメッセージを発信し続けています。

しかし、私が感じるこのゲームの「沼」の本質は、もっと別の場所にあります。

それは、PvPvEというシステムが強制的に生み出す「極度の緊張感と裏切り」です。

私もこの戦場に身を投じていますが、このゲームでは「どんしゅー!」(Don’t shoot)という甘い言葉は、大抵が“罠”です。共闘して強大なアーク(敵AI)を倒した仲間が、脱出ヘリの前で豹変し、あなたに銃口を向ける。

「みんな敵だよ」

この一文こそが、『Arc Raiders』の全てを物語っています。信じられるのは自分だけ。しかし、生き残るためには誰かと一時的に手を組まなければならない。このジレンマが、我々の脳を焼き切り、とてつもない時間(と精神)を溶かしていくのです。

輝かしい記録の影に潜む「AI」という名の懸念

だが、手放しで賞賛するわけにはいきません。この急激な成功には、明確な「影」が伴っています。それは、Embark Studiosが多用する「AI技術」に対する批判です。

1. 機械学習による敵AI
『Arc Raiders』の敵(アーク)の動きは、確かに複雑で手強い。しかし、その動きのプログラムに「機械学習AI」が使われていることに対し、一部のゲーマーから「不透明だ」「AIに仕事を奪うな」といった批判が上がっています。(そんなこというてもねw

2. 致命的とすら言われる「AI音声モデル」
こちらの方が、より深刻なユーザー体験(UX)の問題かもしれません。『The Finals』でも物議を醸したAIによる音声合成が、本作でも採用されています。

「声優を雇ってトレーニングした」とEmbarkは主張しますが、多くのプレイヤーが「質が低すぎる」「没入感を破壊している」と不満を漏らしています。開発側は「手作業よりAIの方が高速だ」と正当性を主張しますが、コミュニティ重視を掲げるスタジオが、コミュニティから最も不満の出ている部分をAIでゴリ押ししているという構図は、非常に皮肉としか言いようがありません。

とはいえ、音声に関していえば、母国語でもない日本人からしたら、あまり違和感も感じづらいといいますか、、、正直どうでもいい問題ではありますよね。

まとめ

なぜ、我々プレイヤーは『バトルフィールド』や『ヘルダイバーズ』といった、完成度もブランド力も高い大作から離れ、この荒削りな戦場に集うのでしょうか。

『Arc Raiders』の成功は、ゲームのグラフィックやシステムだけでなく、「運営がどれだけプレイヤーと向き合い、変化を恐れないか」という“姿勢”そのものが、ヒットの絶対条件になったという「変化の知覚」を示しています。

AI音声の問題は、いずれ解決されるか、あるいはこのゲームの「そういうもの」として受け入れられるかのどちらかでしょう。

しかし、それ以上に、この「誰も信じられない戦場」で、一瞬の信頼と高価な報酬、そして壮絶な裏切りを体験するスリルは、他のどのゲームでも味わえない強烈な麻薬です。

もしあなたが、まだこの戦場に降り立っていないのなら、一つだけ忠告しておきましょう。

時間、溶けますよ。本当に。

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