Galaxy S26 Ultra、3倍望遠が「ダウングレード」の衝撃リーク。だがサムスンの本命は“充電”と“24MP”だった。

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「Galaxy S26 Ultraは、カメラがとんでもないことになる」

「センサーが刷新され、ライバルを置き去りにする」

我々ガジェットファンは、来たるべきフラッグシップの噂に胸を躍らせ、ついつい“想像力豊かな”リーク情報に夢を見てしまうものです。そう、数日前までは。

しかし、現実はそう甘くありません。

2026年2月末の登場が噂される「Galaxy S26 Ultra」。そのほぼ完成版とされるデバッグテストから、はるかに現実的で、そしてある意味で「衝撃的」な情報がリークされました。

夢のようなスペックアップを期待していた心に突き刺さるのは、「メインカメラ据え置き」、そして「望遠カメラのダウングレード疑惑」。

だが、落ち込むのはまだ早い。サムスンは、我々が本当に不満だった“別の場所”を、確実に改善しようとしているようです。派手さはない、しかし確実な「変化」が、そこにはありました。

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現実を直視せよ:カメラの「進化」ではなく「調整」

まず、皆が最も期待し、そして最も落胆するかもしれないカメラの話から始めましょう。

今回のリーク(ベトナムのリーカー@chunvn8888)は、初期のデバッグテストに基づくもので、量産直前の現実的なスペックとされています。そして、その内容は以下の通りです。

  • メインカメラ:ISOCELL HP2 (200MP)
    …あれ?と思いましたか。そうです。これは、Galaxy S23 Ultraから使われているセンサーです。S24 Ultraを経て、S26 Ultraまで、まさかの「変更なし」が濃厚になってきました。
  • 3倍望遠カメラ:ISOCELL S5K3LD (12MP) に変更
    ここが最大の“謎”です。S25 Ultraに搭載(あるいはS24 Ultraで搭載)されている1/3.52インチセンサー(Sony IMX754など)から、より小型の1/3.94インチセンサーに変更されるというのです。普通に考えれば、センサーサイズが小さくなる=画質の低下、つまり「ダウングレード」です。

なぜ、サムスンはこんな不可解な選択をするのか。コストカットなのか、それとも我々の知らないチューニングの妙があるのか。S23 Ultraから続く「カメラのサムスン」というブランドイメージを揺るがしかねない、不穏な情報です。

(ちなみに、フロントカメラは12MPのIMX874という新しいセンサーになるようですが、望遠の衝撃の前では霞んでしまいますね)

ハードの“謎”を、ソフトの“光”でカバーできるか

ハードウェアのスペックダウン疑惑。この重苦しい空気を、サムスンはソフトウェアで払拭しようとしています。

ついに、標準モードで「24MP撮影」に対応

これは朗報です。これまでサムスンのスマホは、標準モードだとピクセルビニング(複数の画素を束ねて画質を上げる技術)で12MP(1200万画素)の写真を出力するのが基本でした。高解像度で撮りたければ「Proモード」や「Expert RAW」アプリをわざわざ起動する必要があったのです。

しかしS26 Ultraでは、iPhoneがとっくに採用している「24MP」での撮影が、標準モードやポートレートモードで可能になります。

これは、日常のスナップ撮影において、「解像感」と「画質(ノイズ処理)」の最もバランスの取れた選択肢を、ようやく手に入れることを意味します。ハードの変更がない(むしろ後退している?)分、ソフトウェア処理でどれだけAppleに追いつき、追い越せるのか。サムスンの「画像処理エンジン」の真価が問われることになります。

ほかにも、HDR10+ではなく通常のHDRが使えたり、フォーカス速度の調整、ノイズを抑えるための高解像度合成など、地道なソフトウェアの改善が図られるようです。

動画勢待望? Apple ProResへの回答「APVコーデック」

もう一つの変化は動画です。 Appleの「ProRes」に対抗する、サムスン独自の高画質コーデック「APV」がサポートされる模様。

  • HQ(高画質): 1分あたり1.5GB
  • LQ(低画質): 1分あたり750MB

これがどれほどのクオリティなのかは未知数ですが、プロの映像制作者や、本気で動画を撮りたいユーザーにとっては、Galaxyを選ぶ明確な理由の一つになるかもしれません。

サムスンの“裏本命”。「60W」ではなく「55W」充電の真実

さて、カメラの話でテンションが下がってしまった方もいるでしょう。しかし、私が今回のリークで最も「ガチで来た」と興奮したのは、実は「充電」です。

巷では「60W急速充電に対応か!?」と騒がれていましたが、現実はもう少し堅実です。

「55W PPSプロトコル」に対応する、というのが今回のリークの核心です。

「なんだ、60Wじゃないのか。中国製スマホは100W超えてるのに…」

そう思った方は、サムスンの「45W急速充電」の“悪夢”を思い出してください。これまでサムスンは「最大45W」と謳いながら、実際にはその速度がごく一瞬しか出ず、実質的な充電時間は他社の30Wと大して変わらない、という「なんちゃって急速充電」を続けてきました。

しかし、今回の「55W」は中身が違います。

充電曲線の「最適化」

  • 最初の15%まで → 55Wで一気にブースト
  • その後70%まで → 45Wを維持

これです。我々が求めていたのは、最大ワット数のチキンレースではなく、「実用的な速度がどれだけ長く維持されるか」です。 従来の45W(ほぼ出なかった)と比べれば、これは「大幅な向上」と断言できます。

特に朝の忙しい時間、バッテリーが空の状態から一気に回復できる55Wブーストは、カメラのセンサーサイズ変更よりも、よほど日常的な「恩恵」をもたらしてくれるはずです。

まとめ

今回のデバッグテストから見えてきたGalaxy S26 Ultraの姿は、我々ガジェットオタクが夢見るような「スペックお化け」ではありませんでした。

カメラは(ハード的には)むしろ守りに入り、あるいは“後退”さえしているように見える。 その代わり、ソフトウェア(24MP)でAppleに追いつき、充電(55W)という「日常のストレス」を確実に解消しに来ている。

これは、サムスンが「スペックシート上の競争」から、「実際のユーザー体験(UX)の改善」へと、舵を切り替えたサインなのかもしれません。

私たちは、ついセンサーサイズや画素数、ワット数の「最大値」に踊らされがちです。しかし、S26 Ultraは、そんな私たちに「本当に重要なのはそこか?」と問いかけているようです。

もちろん、まだこれはリーク情報。2026年2月末のGalaxy Unpackedまでに、この「現実的なシナリオ」が覆る可能性もゼロではありません。

しかし、もしこのまま進むのだとしたら、Galaxy S26 Ultraは「最も派手ではないが、最も賢明なフラッグシップ」として、市場に受け入れられるのかもしれません。…カメラのダウングレード疑惑が、杞憂であれば、ですが。

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