背面だけじゃない!Xiaomi 17 Pro Maxの望遠レンズは超進化してる!?F値と焦点距離の謎からXiaomiの戦略を読む

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スマートフォンの心臓部がプロセッサーなら、その「眼」となるのがカメラです。日常のスナップから一生の思い出まで、私たちの記憶を切り取るカメラの性能は、もはやスマートフォンを選ぶ上で最も重要な基準の一つと言っても過言ではありません。

2025年9月下旬の登場が噂されるXiaomiの新たなフラッグシップ「Xiaomi 17シリーズ」。その中でも、シリーズの頂点に君臨するであろう「Xiaomi 17 Pro Max」のカメラ性能に関する、非常に興味深いリーク情報が舞い込んできました。

信頼できる情報筋からもたらされたスペックの断片は、単なる数字の羅列ではありません。そこには、Xiaomiが次に目指す写真体験の方向性、そしてユーザーに投げかける「あなたは何を撮りたいのか?」という問いが隠されているように思えてなりません。

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Xiaomi 17 ProとPro Maxを分かつもの。それは「望遠」にあり

まず、今回明らかになったスペックから、Xiaomi 17 ProとPro Maxのカメラ構成を見ていきましょう。驚くべきことに、スマートフォンの顔であるメインカメラと、風景を広く捉える超広角カメラのスペックは、両モデルで共通とされています。

  • メインカメラ: 5000万画素、絞り値 F1.67
  • 超広角カメラ: 焦点距離 17mm相当

つまり、両者の違いはただ一点。「望遠カメラ」に集約されているのです。この一点豪華主義とも言える戦略にこそ、Xiaomiの明確なメッセージが込められています。

  • Xiaomi 17 Proの望遠: 5倍、115mm相当、F3.0
  • Xiaomi 17 Pro Maxの望遠: 5倍、115mm相当、F2.6

焦点距離(画角)は同じ115mm。違いは「F値」という数字だけです。しかし、写真を知る者にとって、この「F2.6」と「F3.0」の差は、天と地ほどに大きいのです。

F値とは?

カメラのF値は、レンズから入ってくる光の量を調整する数値です。この数値が小さいほど光がたくさん入り、大きいほど少なくなります。

人間の目に例えると…

  • F値が小さい(F1.4、F2.8など):
    • 目の開き具合: 目を大きく見開いた状態。
    • 光の量: たくさん光が入ります。
    • 見えるもの: ピントを合わせた部分(顔など)はハッキリ見えますが、背景はボヤけて見えます。
    • 写真: 明るく撮れて、背景がボケた写真になります。
  • F値が大きい(F11、F22など):
    • 目の開き具合: 目を細めた状態。
    • 光の量: 入る光が少なくなります。
    • 見えるもの: 目の前にあるものから遠くの景色まで、全体がハッキリ見えます。
    • 写真: 全体がくっきりと写る写真になります。

まとめると、F値をうまく調整することで、写真の「明るさ」と「ボケ具合」を自由に変えられます。

「背景をボカして人物を撮りたい」F値を小さく!

「景色全体をくっきり撮りたい」F値を大きく!

まずはこの2つを試してみると、F値の面白さがわかると思いますよ。

光を制する者が写真を制す。「F2.6」がもたらす圧倒的アドバンテージ

F値とは、レンズがどれだけ多くの光を取り込めるかを示す指標です。数字が小さいほど「明るいレンズ」とされ、より多くの光をセンサーに届けることができます。

Pro Maxに搭載されるF2.6の望遠レンズは、ProのF3.0に比べて、明らかに多くの光を取り込めます。これが実際の撮影でどのようなメリットをもたらすのでしょうか。

それは、薄暗いシーンでの撮影品質の劇的な向上です。

例えば、夕暮れの街角、レストランでの食事、室内のペット、そしてコンサート会場。こうした光が少ない環境で望遠撮影をしようとすると、スマートフォンは光量を稼ぐためにシャッタースピードを遅くしたり、ISO感度を上げたりします。しかし、それが手ブレやノイズ(写真のザラつき)の直接的な原因となるのです。

F2.6という明るいレンズを持つXiaomi 17 Pro Maxは、同じ環境でもProモデルより速いシャッタースピードで撮影できるため、手ブレを圧倒的に抑制できます。また、ISO感度を低く抑えられるため、被写体のディテールを潰すことのない、クリアで滑らかな画質を実現できるのです。

日中の明るい場所では両者の差は感じにくいかもしれません。しかし、多くの人が「スマホの望遠は画質が悪い」と感じる薄暗いシーンでこそ、Pro Maxはその真価を発揮する。「ここぞ」という場面で頼りになるカメラ、それがPro Maxの望遠レンズだと言えるでしょう。

焦点距離115mmは「退化」か、それとも「最適化」か?

一方で、今回のリークで最も議論を呼んでいるのが、望遠の焦点距離が115mmであるという点です。これは、前モデルにあたるXiaomi 15 Proの120mmから、わずかに短縮されています。スペック上は「ダウングレード」と見ることもできるこの変更に、一体どんな意図があるのでしょうか。

  • 120mm(Xiaomi 15 Pro)の特徴
    より被写体を大きく写せ、背景のボケ(被写界深度が浅い)を大きく作りやすい。一点を際立たせるポートレートや、花などをクローズアップするマクロ撮影で威力を発揮します。
  • 115mm(Xiaomi 17 Pro/Pro Max)の特徴
    120mmに比べて少しだけ広い範囲が写ります。これにより、背景のボケは若干控えめになりますが、被写体と周囲の状況を一緒に写しこむような撮影に適しています。特に、旅先で少し離れた建物を撮ったり、山並みを圧縮して捉える風景写真などでは、120mmよりも使いやすいと感じる場面が多いかもしれません。

つまりXiaomiは、ポートレート撮影に特化した「尖った望遠」から、ポートレートも風景もこなせる「汎用性の高い望遠」へとキャラクターシフトを図ったのではないかと推測できます。

これは「退化」ではなく、より多くのユーザーにとって使いやすい画角への「最適化」と捉えるのが妥当ではないでしょうか。ポートレートでの美しいボケ味を追求するならXiaomi 15 Pro、旅の相棒として様々なシーンに対応できる望遠を求めるならXiaomi 17 Pro Max。メーカーは私たちに、そんな選択肢を提示しているのです。

残された最後のピース「センサーサイズ」への期待

もちろん、今回のリーク情報はまだカメラシステムの全貌を明らかにしたわけではありません。レンズのF値や焦点距離と同じくらい重要なのが、光を受け止める「センサーのサイズ」「画素数」です。

もし、Xiaomi 17 Pro Maxの望遠カメラに、Proモデルや旧モデルよりも大きなセンサーが搭載されていたとしたら、話は全く変わってきます。大きなセンサーはより多くの光情報を取り込めるため、画質そのものを根底から引き上げます。そうなれば、焦点距離115mmという変更など些細なことに思えるほどの、圧倒的な進化を遂げている可能性も残されています。

最終的な写真のクオリティは、レンズ、センサー、そして画像処理エンジンの三位一体で決まります。Leica監修の色彩表現と、最新プロセッサーによる高度な画像処理が組み合わさった時、この新しい望遠レンズがどんな絵を吐き出すのか。その答え合わせができる正式発表の日が、今から待ち遠しいです。

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