「ソニーのモバイル部門は今、流動的な状態にある」 そんな報道が流れるたび、私たちXperiaファンが抱くのは、一抹の不安と、それを上回る「次こそは」という期待です。フラッグシップの「Xperia 1」は孤高の道を歩み続けていますが、多くのユーザーが渇望してきたのは、その技術を凝縮した「コンパクトな選択肢」でした。
そんな中、ソニーが2つの新しいXperiaを準備中であるという、新たなリーク情報が舞い込んできました。 一つは、最強のSnapdragon 8 Elite Gen 5を搭載するであろう、正当後継機「Xperia 1 VIII」。
しかし、私たちの心をかき乱すのは、謎に包まれた「もう一つのモデル」の存在です。
Source:TheWalkmanBlog

■ 確約された「Xperia 1 VIII」という”絶対的エース”
まず、揺るぎない事実から整理しましょう。 クアルコムはすでに「ソニーがSnapdragon 8 Elite Gen 5搭載スマートフォンを近日中にリリースする」と発表しています。これは、ソニーのフラッグシップラインが継続することを意味し、そのモデルが「Xperia 1 VIII」(PM-152xx)であることは、ほぼ間違いありません。
今年の「Xperia 1 VII」(Snapdragon 8 Elite搭載)の後継として、ソニーが持つ技術のすべてを注ぎ込んだ、唯一無二のハイエンドモデルとなるはずです。
■ 浮上した「6つの謎のモデル番号」
問題は、ここからです。 Xperia関連のリークで高い信頼性を誇る「The Walkman Blog」が、Xperia 1 VIIIとは全く異なる、新たなモデル番号群を発見しました。

- PM-1530-BV
- PM-1531-BV
- PM-1532-BV
- PM-1533-BV
- PM-1534-BV
- PM-1555-BV
6つもの地域別バージョンが初期段階で確認される。これは、かなりの規模で展開されるグローバルモデルであることを示唆しています。
この情報に、多くのファンが色めき立ちました。「ついに、あのコンパクトフラッグシップ『Xperia 5』シリーズが復活するのではないか?」と。

■ 淡い期待と「Xperia 10 VIII」という現実
しかし、現実はそう甘くないようです。 リークを分析したThe Walkman Blogは、この「PM-153xx」が、Xperia 5の復活である可能性は低いと推測しています。
思い出してください。Xperia 5シリーズは、その第5世代モデル(Xperia 5 V)を最後に、「需要の減少」を理由にわずか1年前に廃番となったばかりです。ソニーがその経営判断を覆し、リスクを冒してまでコンパクトハイエンド市場に再参入するとは、考えにくいのが現状です。
では、この謎のモデルの正体は何か。 最も可能性が高いシナリオは、今年のミッドレンジモデル「Xperia 10 VII」(Snapdragon 6 Gen 3搭載)の後継機、すなわち「Xperia 10 VIII」です。
■ ソニーが選んだ「選択と集中」の道
このリークが示唆するのは、ソニーの非常に現実的で、ある意味「手堅い」戦略です。
- Xperia 1 VIII:
Snapdragon 8 Elite Gen 5を搭載し、技術の粋を極めた”絶対的フラッグシップ”。 - Xperia 10 VIII: 広範な市場(6地域以上)に向けた、堅実な”ミッドレンジ”。
Xperia 5という「中間の選択肢」を廃止し、ラインナップを「ハイ」と「ミドル」の2本柱に絞り込む。これが、ソニーのモバイル部門が”流動的な状態”の中で見出した、次なる一手である可能性が極めて濃厚になりました。

まとめ
Snapdragon 8 Elite Gen 5を搭載した「Xperia 1 VIII」の登場は、私たちに最高の体験を約束してくれるでしょう。その点は、素直に喜ぶべきニュースです。
しかし、同時に浮上した「もう1機」が、私たちが心のどこかで待ち望んでいたXperia 5の復活ではなく、堅実なXperia 10 VIIIであったという現実は、一抹の寂しさを感じさせます。
「ソニーにしか作れない、妥協のないコンパクトスマホ」を夢見たファンにとって、今回のリークは”悲報”かもしれません。しかし、これはソニーがXperiaブランドを未来へ繋いでいくために下した、現実的な「選択と集中」の結果なのでしょう。

