2025年秋、最大の期待作として全世界のゲーマーが注目する『バトルフィールド6』。そのオープンベータが開催され、ピーク時には33万人以上が参加するなど、圧倒的な熱狂の中で幕を閉じました。シリーズファンが待ち望んだ大規模戦闘の復活に、多くのプレイヤーが胸を躍らせたことでしょう。
しかし、その輝かしい成功の裏側で、我々の想像を絶する「静かなる戦争」が勃発していたことをご存知でしょうか。オープンベータという短い期間にもかかわらず、実に33万件以上の「不正行為」がブロックされていたのです。
この記事では、期待作『バトルフィールド6』が直面するチート問題の深刻な実態と、開発側が講じる対策の最前線、そして2025年10月10日の発売日を迎える我々プレイヤーが「クリーンな戦場」を守るために何ができるのかを、深く掘り下げていきます。



熱狂の裏で進行していた「33万件」という異常事態
今回のオープンベータは、間違いなく大成功でした。ピーク時の同時接続者数は334,549人を記録。この数字は、『バトルフィールド』シリーズがいかに多くのファンから愛され、待望されていたかの何よりの証拠です。次世代機ならではのグラフィックス、進化した物理演算、そして戦略性の高い広大なマップ。そのどれもが、我々の期待を裏切らないクオリティでした。
しかし、このお祭りのような熱狂の裏で、水を差す存在が暗躍していました。それが「チーター」です。
『バトルフィールド6』に導入されているアンチチートソフトウェア「Javelin」は、このオープンベータ期間中に33万件を超えるチート行為を検知し、ブロックしたと発表しました。これは、テスト段階であるオープンベータの限られた期間での数字であり、驚異的と言うほかありません。
オンラインゲーム、特に人気の高いFPSタイトルにおいてチート行為は宿痾(しゅくあ)とも言える問題です。『コール オブ デューティ』シリーズが長年チーターとの熾烈な戦いを繰り広げていることは周知の事実ですが、『バトルフィールド6』もまた、その例外ではないことが発売前にして明確になったのです。

アンチチート「Javelin」の実力と今後の課題
この深刻な事態に対し、アンチチートソフトウェア「Javelin」を運営するSPEAR社は、SNS上で声明を発表しました。その内容は、対策への強い意志を示すものでした。
「Javelinは、チート行為やチート対策コントロールの改ざんを33万件阻止しました。発売初日には4万4千件、本日これまでにさらに6万件のチーターの可能性があると報告されています。
私たちはすでに、自社のゲームプレイインテグリティチームと協力して、これらを使用して、『バトルフィールド 6』の検出機能を追加・改善しています。また、バトルフィールドポジティブプレイチームと協力して、チーターであると確認された報告者を積極的に削除しています。」
この声明から、開発側がすでに膨大な数のチーターの存在を把握し、対策を本格化させていることがわかります。報告されたプレイヤーは、調査の上でアカウントBANなどの厳しい措置が取られることも明言されており、断固とした態度で臨む姿勢がうかがえます。
しかし、問題はそれほど単純ではありません。SNS上では、オープンベータ中に撮影されたと思われるチート動画が後を絶ちません。自動で敵に照準を合わせる「エイムアシスト(エイムボット)」や、壁の向こうの敵を透視する「ウォールハック」など、ゲームの公平性を根底から覆す悪質な行為が横行している様子が確認できます。
チートプログラムを開発する側も、アンチチートの検出を回避するために日々新たな手法を生み出します。まさに、終わりのない「いたちごっこ」です。「Javelin」が今後、より巧妙化するチートにどこまで対抗できるのか。2025年10月10日の発売日に、チーターたちが大挙して押し寄せる可能性は否定できず、開発元の真価が問われることになるでしょう。

発売日に備え、プレイヤーが今できること
では、我々プレイヤーは、この問題にただ手をこまねいて見ているしかないのでしょうか。そんなことはありません。むしろ、健全なゲーム環境を守るためには、プレイヤー一人ひとりの協力が不可欠です。
特にPC版でプレイを予定しているゲーマーは、残念ながら発売後にチーターと遭遇する可能性が高いことを覚悟しておくべきでしょう。その際、最も重要になるのが**「躊躇なく、正確に報告する」**という行動です。
多くのオンラインゲームには、不正行為者を報告するための専用ツールが実装されています。『バトルフィールド6』も例外ではありません。もし対戦中に明らかに不自然な挙動をするプレイヤーに遭遇した場合、「またか」と諦めてサーバーを退出するのではなく、必ずゲーム内の報告機能を活用してください。
「報告したところで意味がない」と感じるかもしれませんが、SPEAR社の声明にもあるように、これらの報告は検出機能の改善や、悪質プレイヤーの特定・排除に直接繋がる貴重なデータとなります。あなたのたった一つの報告が、クリーンな戦場を取り戻すための一歩になるのです。
🚨CONFIRMED: Cheats are already working in Battlefield 6.
— ItsHapa (@ItsHapa) August 7, 2025
This footage proves CHEATS are FULLY FUNCTIONAL on Day 1 of Early Access Beta. pic.twitter.com/j9WSyWPEI1
まとめ
待望の『バトルフィールド6』オープンベータが示したのは、圧倒的なポテンシャルという「光」と、深刻なチート問題という「影」でした。33万件以上のチートブロックという数字は、我々が楽しみにしている戦場が、常に脅威に晒されているという厳しい現実を突きつけています。
開発元はアンチチート「Javelin」を軸に全力で対策を進めていますが、巧妙化するチートとの戦いは、彼らだけの努力で勝利できるものではありません。
2025年10月10日、我々が降り立つ戦場が、純粋なスキルと戦略だけが勝敗を決する公平な場所であるためには、プレイヤーコミュニティ全体の協力が不可欠です。不正を許さず、見つけたら報告する。その当たり前の行動一つひとつが、最高のゲーム体験を守るための最も強力な武器となります。
開発の努力とプレイヤーの協力が実を結び、『バトルフィールド6』が真の「神ゲー」として歴史に名を刻むことを、心から願ってやみません。
って、ピーク時に33万人の接続があって、全体で33万件のチートブロックって…どーいうことだってばよ!
