公式発表を前に、次期Pixelたちの「答え合わせ」が始まってしまったようです。Googleが満を持して投入すると見られる「Pixel 10 Pro Fold」「Pixel 10 Pro」、そして「Pixel Watch 4」。これら3つのデバイスの公式プロモーション広告と見られる画像が、著名リーカーによって突如公開され、ガジェットファンの間で大きな話題を呼んでいます。
今回リークされたのは、いずれも「ムーンストーン」と名付けられた新カラー。その上品な佇まいは、これまでのPixelシリーズとは一線を画す高級感を漂わせています。しかし、その美しいデザインの裏で、折りたたみモデル特有の課題や、複雑な発売スケジュールといった懸念点も見え隠れしています。
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Pixel 10 Pro Fold、Pixel 10 Pro、Pixel Watch 4の最新情報
— Evan Blass (@evleaks) August 7, 2025
息をのむ高級感「ムーンストーン」が示すPixelの新境地

今回リークされた画像で最も衝撃的だったのは、何と言ってもそのカラーリングでしょう。「Pixel 10 Pro Fold」「Pixel 10 Pro」「Pixel Watch 4」の3機種に共通して採用された「ムーンストーンカラー」は、単なる白やシルバーとは異なる、深みと落ち着きのある上品な色合いです。ま
るで月の光を閉じ込めたかのような繊細な輝きは、これまでのポップで親しみやすいPixelのイメージを覆し、より成熟したプレミアムデバイスとしての存在感を強く主張しています。
特に、折りたたみスマートフォンであるPixel 10 Pro Foldとの相性は抜群です。その大きなボディがムーンストーンカラーをまとうことで、まるで一つのアートピースのような佇まいを見せています。
ラバーストラップまで同色で統一されたPixel Watch 4も、手元に洗練された印象を与えてくれることは間違いないでしょう。Googleは、スペック競争だけでなく、所有する喜び、すなわち「感性に訴えかけるデザイン」という新たな領域で勝負を仕掛けてきたのかもしれません。
Pixel 10 Pro Foldのデザイン

今回のリークの主役であるPixel 10 Pro Fold。あらゆる角度から撮影された画像は、私たちに多くの情報を与えてくれます。
まず注目すべきは、開いた状態のメインディスプレイです。前モデルから引き続き、カメラを内蔵するためのパンチホールが確認できます。しかし、それ以上に気になるのは、ディスプレイを囲むベゼル(縁)の存在感です。
リーク画像を見る限り、ベゼルは「比較的厚い」という印象を受けます。没入感を追求する近年のスマートフォンのトレンドとは少し異なるアプローチですが、これは耐久性や誤操作防止を考慮した結果なのかもしれません。
そして、折りたたみスマートフォン永遠のテーマともいえる「ヒンジ部分の隙間」。今回のPixel 10 Pro Foldも、残念ながら完全な解決には至っていないようです。閉じた状態を横から見ると、ヒンジ付近にわずかな隙間が確認できます。
しかし、ここで悲観するのはまだ早いでしょう。リーク情報によれば、この隙間はライバルであるSamsungの次期モデル「Galaxy Z Fold7」よりも小さいとされています。折りたたみデバイスの完成度は、こうした数ミリ単位の細やかな進化の積み重ねによって向上していきます。ベゼルの厚さや隙間は、確かに”残された課題”ではありますが、それを補って余りある魅力を備えていることもまた事実です。
堅実な進化を遂げるPixel 10 ProとPixel Watch 4

フラッグシップモデルである「Pixel 10 Pro」も、ムーンストーンカラーをまとい、新たな表情を見せています。機能の多くは既にリークされている通り、大幅な刷新というよりは堅実な進化となりそうですが、この新色の登場により、デザイン面での魅力は大きく向上したと言えるでしょう。
一方の「Pixel Watch 4」は、文字盤のクローズアップ画像から、より詳細なデザインが明らかになりました。右側にはおなじみの丸いコントロールノブ(竜頭)、そしてそのすぐ上には物理的なボタンが配置されています。前モデルのユーザーであれば、直感的に操作できるであろう安心感のあるデザインです。
手首で上品に輝くムーンストーンカラーのボディとストラップは、スマートウォッチをファッションアイテムとして捉えるユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となるはずです。
Googleの隠された一手?「AI Pro」無料特典の本当の狙い

今回のリークでは、デバイス本体だけでなく、非常に興味深いプロモーション画像も共有されています。それは、対象のPixelスマートフォン購入者に「Google AI Pro」を無料で提供するというものです。
この「Google AI Pro」は、通常であれば年間239ドル(約3万円以上)もする高価なサービスで、2TBもの大容量クラウドストレージが含まれています。これを無料で提供するというのですから、Googleの並々ならぬ本気度が伺えます。
これは単なる大盤振る舞いではありません。Googleの狙いは、ハードウェア(Pixel)とソフトウェア(AIサービス)を強力に結びつけ、ユーザーをGoogleのエコシステムに深く取り込むことにあると考えられます。
強力なAI機能を誰もが使えるようにすることで、「Pixelでしか体験できない価値」を創出し、AppleやSamsungといったライバルとの明確な差別化を図る。この無料特典は、そのための戦略的な一手と見て間違いないでしょう。
購入希望者は要注意!複雑化する発売日スケジュール

さて、これだけ魅力的なデバイスを前にして、誰もが気になるのは「いつ手に入るのか」という点でしょう。しかし、ここに来て少し複雑な情報が伝えられています。
サプライチェーンの問題が影響していると見られ、モデルによって発売日が異なる可能性があるのです。
- 正式発表日(予測):2025年8月20日
- 先行発売(予測):Pixel 10, Pixel 10 Pro, Pixel 10 Pro XL
- 購入可能日:2025年8月28日から
- 遅延発売(予測):Pixel 10 Pro Fold, Pixel Watch 4, Pixel Buds 2a
- 購入可能日:2025年10月9日から(発売から1か月以上後)
特に、今回の主役であるPixel 10 Pro FoldやPixel Watch 4を狙っている方は、発表後すぐには手に入れられない可能性があることを念頭に置いておく必要がありそうです。この発売スケジュールのずれが、販売戦略にどのような影響を与えるのか、今後の動向を注意深く見守る必要があります。

まとめ
今回リークされた一連のプロモーション画像は、来るべきPixel 10シリーズへの期待を大きく膨らませるものでした。特に、新色「ムーンストーン」がもたらす洗練された高級感は、Pixelブランドが新たなステージへ移行したことを明確に示しています。
一方で、Pixel 10 Pro Foldに残されたベゼルの厚さやヒンジの隙間といった課題、そして複雑な発売スケジュールは、Googleが依然として製造面での難しさに直面していることを示唆しています。
しかし、それらの懸念を打ち消すほどのインパクトを持つのが、「Google AI Pro」の無料提供という大胆な一手です。これは、Googleがもはや単なるデバイスメーカーではなく、AIとハードウェアを融合させた独自の体験を提供する「AIカンパニー」であることを宣言する狼煙(のろし)のようにも見えます。
