世界中のゲーマーを熱狂の渦に巻き込んだ『エルデンリング』。その記憶も新しい中、開発元であるフロム・ソフトウェアが、水面下で新たなプロジェクトを進行させているという噂が飛び込んできました。
協力プレイモード『エルデンリング ナイトレイン』や、2026年にSwitch 2向けとされる『The Duskbloods』とは別に、コードネーム「FMC」と呼ばれる謎のタイトルが存在するというのです。
この「FMC」の正体について、ファンの間では様々な憶測が飛び交っています。最も有力視されているのは、傑作アクションRPG『ダークソウルIII』のリマスター版。しかし、一部では完全オリジナルのシングルプレイヤーゲームを望む声も根強く、期待は高まるばかりです。
この記事では、現在明らかになっているリーク情報を基に、謎に包まれたプロジェクト「FMC」の正体を徹底的に考察します。果たして私たちは、再びあの絶望と達成感に満ちた世界に引き戻されるのでしょうか。それとも、全く新しい物語の目撃者となるのでしょうか。フロム・ソフトウェアが次に我々に見せてくれるであろう、新たなゲームの輪郭に迫ります。
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フロム・ソフトウェアの謎の新作について考察

噂の発端:コードネーム「FMC」の謎
今回の騒動の発端となったのは、海外ゲームメディアMP1stでリーカーのKurakasis氏が報じた内容です。それによると、フロム・ソフトウェアは社内でプロジェクトを識別するために独自のコードネームを使用しており、現在「FMC」というコードネームの未発表タイトルが開発ラインに存在するというのです。
このKurakasis氏は、過去に『エルデンリング』のDLCが「CL」というコードネームで呼ばれていることを報じ、それが後に『エルデンリング ナイトレイン』として発表された際に的中させた実績があります。そのため、今回の「FMC」に関する情報も、単なる噂として片付けるには信憑性が高いと言えるでしょう。
詳細は不明ながらも、この「FMC」はマルチプラットフォームでの展開が予定されており、早ければ2026年、あるいはそれよりも早くリリースされる可能性があるとされています。任天堂の次世代機であるSwitch 2向けの『The Duskbloods』とは別のプロジェクトである可能性が高いと見られており、ゲーマーの関心は「FMC」が一体何なのかという点に集中しています。
最有力候補?なぜ『ダークソウルIII リマスター』説が浮上したのか

では、なぜ「FMC」の正体が『ダークソウルIII リマスター』だと囁かれているのでしょうか。その最大の理由は、フロム・ソフトウェアが過去に使用してきたコードネームの法則性にあります。
Kurakasis氏が指摘するように、過去の『ダークソウル』シリーズ関連のプロジェクトには、コードネームに「F」の文字が含まれる傾向がありました。この法則に従うならば、「FMC」というコードネームは、まさに『ダークソウル』シリーズに関連する作品であることを示唆しているように思えます。
この説を裏付けるかのように、2024年11月には別の情報筋からも、『フロム・ソフトウェアが2016年に発売されたダークソウルIIIの現行機向けリマスターを検討している可能性がある』というリーク情報が報じられています。グラフィックの向上やフレームレートの安定化はもちろん、現行機の性能を活かした新たな要素が加わる可能性を考えると、ファンにとっては非常に魅力的な話です。
『エルデンリング』で初めてフロム・ソフトウェアの作品に触れたプレイヤーにとっても、『ダークソウル』シリーズの集大成ともいえるIIIを最高の環境でプレイできる機会が訪れるのであれば、これ以上ない入門編となるでしょう。
もう一つの可能性は、待望の完全新規シングルプレイヤー作品への期待

『ダークソウルIII リマスター』は確かに魅力的ですが、全てのファンがそれを望んでいるわけではありません。むしろ、「FMC」が全く新しい、オリジナルのシングルプレイヤーゲームであることを期待する声も非常に大きいのが現状です。
近年、フロム・ソフトウェアは『エルデンリング ナイトレイン』や『The Duskbloods』といったマルチプレイ要素に注力する姿勢を見せています。もちろん、仲間との共闘や対戦もゲームの大きな魅力の一つですが、孤独な旅路の中で強大な敵に立ち向かい、難解な物語を紐解いていく…そんなストイックなシングルプレイ体験こそがフロム・ソフトウェアの真骨頂だと考えるファンは少なくありません。
こうしたファンの想いに応えるかのように、2025年4月に行われた任天堂のインタビューで、同社の宮崎英高社長は興味深い発言をしています。マルチプレイへの注力について問われた際、彼は「今後もさらに多くのシングルプレイタイトルをリリースする予定である」と明言したのです。
この発言は、単なるリップサービスではないでしょう。『エルデンリング』という巨大な成功を収めた今だからこそ、原点に立ち返り、新たな世界観と物語を持つ完全新規IP(知的財産)の創造に挑戦している可能性は十分に考えられます。もし「FMC」がその狼煙となるのであれば、リマスター以上の衝撃をゲーム業界に与えることは間違いありません。
フロム・ソフトウェアの開発体制とKADOKAWAの野望

「複数の大型タイトルを同時に開発するなんて可能なのか?」と疑問に思う方もいるかもしれません。しかし、現在のフロム・ソフトウェアを取り巻く環境は、それを可能にするだけの土壌が整いつつあります。
同社の親会社である株式会社KADOKAWAは、2024年末までにゲーム事業を大幅に拡大する方針を打ち出しており、報道によれば家庭用ゲーム機やモバイル向けに26ものタイトルを開発中であるとされています。もちろん、宮崎社長がその全てに深く関与しているわけではありませんが、グループ全体としてゲーム開発への投資が加速していることは明らかです。
この潤沢なリソースと体制の強化が、フロム・ソフトウェアにも良い影響を与えていることは想像に難くありません。これにより、複数のプロジェクトを同時に、かつ高いクオリティを維持しながら進行させることが可能になっているのかもしれません。
結局、「FMC」は我々に何をもたらすのか

現時点での情報をまとめると、コードネーム「FMC」の正体は以下の2つの可能性に集約されます。
- 本命: 過去の法則性とリーク情報から最も可能性が高い『ダークソウルIII リマスター』
- 対抗: 宮崎社長の発言とファンの期待が後押しする『完全新規のシングルプレイヤーIP』
どちらに転ぶとしても、ゲーマーにとっては嬉しい知らせであることに変わりはありません。発売時期は2026年かそれ以前とされており、続報が待たれるところです。

【まとめ】
今回明らかになったフロム・ソフトウェアの謎多き新作「FMC」。その正体を巡る考察は、我々ゲーマーにとって非常に心躍る時間です。
個人的な願望を言わせてもらえれば、『ダークソウルIII リマスター』も非常に嬉しいニュースではありますが、やはり『エルデンリング』が切り拓いた地平の、さらにその先を見てみたいという気持ちが強いです。宮崎英高氏の頭の中に眠る、まだ見ぬ世界、まだ語られていない物語に触れられるのであれば、それに勝る喜びはありません。
しかし、どちらの可能性であっても、一つだけ確信していることがあります。それは、フロム・ソフトウェアが再び我々の期待を遥かに超える、骨太で記憶に残る体験を提供してくれるだろうということです。『SEKIRO』、『エルデンリング』と、常に過去の成功に安住することなく、新たな挑戦を続けてきた彼らだからこそ、次の一手から目が離せないのです。