11月6日の発売を控えた新型iPad miniが、思わぬ下剋上を起こした。Geekbench 7のスコアにおいて、現行のiPad Proをシングルコア性能で上回る結果を叩き出したのだ。
ベンチマークデータベースに突如姿を現した「iPad19,2」の文字列。これが新型iPad miniのセルラーモデルである。明らかになったのは、シングルコア3,879、マルチコア9,870という驚異的な数値。さらに、Appleが公式には明かさない12GBの大容量RAMの存在も確認された。
今回測定されたのは、2つの高性能コア(4.93GHz駆動)と3つの高効率コアからなる5コア構成の「A20 Pro」。128GBおよび256GBモデルに搭載される下位仕様のチップだ。
特筆すべきは、この最小タブレットが現行のiPad Proを約8%、iPad Air 13を約21%もシングルコアで凌駕している事実。前世代比で47%もの性能向上を果たしており、もはや単なる「小型のサブ機」という枠には収まらない。
しかし、すべてのコアを回すマルチコアテストでは状況が逆転する。 iPad Airには29%、iPad Proには53%もの差をつけられ、大型モデルのコア数の暴力には及ばない。瞬間的なスプリント力は凄まじいが、持続的なパフォーマンスという観点では大型タブレットに軍配が上がる。
そして、避けて通れないのがディスプレイの議論。 待望のOLED(有機EL)を搭載したものの、リフレッシュレートは頑なに60Hzに据え置かれた。Appleの幹部は「OLEDのピクセル応答速度がモーションブラーを大幅に軽減する」と擁護するが、画面スクロールやApple Pencilの描画において、物理的な60fpsの壁は越えられない。最大120Hzの滑らかさは、依然としてProモデルだけの特権として死守されている。
読書やメモ書きといった日常用途には、到底使い切れないほどの処理能力。しかし、12GBのメモリとA20 Proの圧倒的なシングル性能は、今後のローカルAI処理や重量級ゲームにおいて確実な余裕を生む。
極小ボディに詰め込まれた、アンバランスとも言える巨大なスペック。それが薄型筐体の発熱とどう折り合いをつけるのか。その真価は、まもなく解禁される実機レビューで丸裸にされるはずだ。
Source:Geekbench


