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9月29日より段階的に配信が始まった「バージョン 26H2」は、OSの見た目を大きく変えるような派手なアップデートではない。タスクバーの自由な配置という「かつての当たり前」を取り戻しつつ、AIをファイル操作の根底に組み込んだ、極めて実用的な進化を遂げている。
すでにバージョン24H2や25H2を使っているなら、今回の導入は拍子抜けするほど簡単だ。
大がかりなOSの入れ替えではなく、小規模な有効化パッケージとして提供。再起動を一度挟むだけで、新しい環境が目を覚ます。これでHomeやPro版なら2028年10月までサポートが延長されるのだから、対象PCなら迷わず適用しておきたい。
最大のトピックは、やはりタスクバーの配置変更。
画面下部に固定され、多くのユーザーが不満を漏らしていた仕様がようやく撤廃された。上部や左右、好きな位置へレイアウト可能に。アイコンを小さく表示するオプションも復活し、横長モニターの貴重な作業領域をフルに活かせる。この「原点回帰」だけでも、アップデートの価値は十分にある。
一方で、未来に向けた布石もしっかりと打たれている。それがファイルエクスプローラーとAIの融合だ。
職場や学校のアカウントでサインインしていれば、OneDriveなどのファイルにカーソルを合わせるだけで、中身の要約や画像編集をCopilotにサクッと指示できる。わざわざファイルを開いて内容を確認する手間が省けるのは、日々の業務でじわじわと効いてくる。
音声入力によるファイル名変更や、マニアックなアーカイブ形式(cpioやxarなど)への標準対応も、地味ながら確実な作業効率の底上げにつながるポイント。
目に見えないセキュリティや復旧機能の足回りも強化された。
PCの動作を記録する「Sysmon」のOS組み込みや、必要な時だけ特権を与える管理者保護機能を搭載。さらに、将来の量子コンピューターによる暗号解読リスクに備えた次世代アルゴリズムのAPIサポートまで組み込まれている。万が一のトラブル時も、アプリや設定を含めてPCを丸ごと最近の復元ポイントに戻せる機能が拡充され、実用機としての安心感が増した。
ライバルのMacが独自チップとAIの連携で攻勢を強める中、マイクロソフトはWindowsを「実用的な作業ツール」として徹底的に研ぎ澄ます道を選んだようだ。
OSが派手な新機能でユーザーを驚かせる時期は過ぎたのかもしれない。今回の26H2が示しているのは、失われた操作性を取り戻しつつ、AIという新しい道具をいかに違和感なく日常のワークフローに溶け込ませるか、という現実的なアプローチと言えるだろう。
Source:マイクロソフトサポート

