5G普及が進む陰で、世界のボリュームゾーンを支え続ける4Gエントリー市場。そこにサムスンが、常識外れの映像処理能力を秘めたチップを投入しようとしている。
海外小売店Citilinkにフライング掲載された「Galaxy A18 4G(SM-A185F)」のスペックシート。最大のトピックは、公式資料のどこにも存在しなかった謎のプロセッサ「Exynos 1610」の存在だ。
型番S5E8365としてベンチマーク上に現れた当初、旧来のExynos 1280や1330の単なるリブランドと見る向きも強かった。しかし、解析されたカーネルソースを紐解くと、サムスンの明確な意図が浮かび上がってくる。CPUやGPUの基本構成こそ従来を踏襲しつつ、映像処理を司るISPとメディアエンジンをピンポイントで大幅強化しているのだ。
特筆すべきは、低価格な4G専用機でありながら4K/60fpsの動画撮影に対応した点。HEVCやH.264の高効率エンコードに加え、VP9のデコードもカバーする。エントリー機における処理性能の引き上げが頭打ちになる中、サムスンはショート動画全盛の今に直結する動画クリエイティブ性能へと舵を切った。
画面には6.7インチのSuper AMOLEDを採用。FHD+解像度に90Hz駆動、水滴型ノッチという堅実な仕様だ。6GBメモリ、microSD拡張対応の128GBストレージ、25W充電対応の5,000mAhバッテリー、そして5000万画素を主軸とするトリプルカメラを揃える。側面指紋認証やWi-Fi 6への対応など、普段使いの心地よさに直結する足回りは抜かりなく固められた。
新興国を中心とする4G市場では、中国勢が苛烈なコストパフォーマンス合戦を繰り広げている。そのレッドオーシャンに対し、単なるベンチマークスコアではなく「滑らかな高画質動画が撮れる」という明確な差別化を持ち込んだ意味は小さくない。基本性能を実用域にとどめ、メディア体験にリソースを集中させる割り切りは極めて合理的だ。
今回のスペックは小売店発の暫定情報であり、正式な価格や投入地域はまだベールに包まれている。それでも、Exynos 1610が提示する格安機の新たな選択肢は、同クラスの基準を一気に押し上げる可能性を秘めている。
Source:Citilink

