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ノートPCの常識を覆す怪物が現れるかもしれない。リサーチ企業Omdiaが示した「次世代MacBook UltraにM5 Ultraを載せ、最大512GBのユニファイドメモリを積む」という観測だ。
クリエイター垂涎の夢スペックだが、率直に言って、この構成がそのまま市販機として世に出る可能性は極めて低い。チップが求める電力と発熱の物理的限界が、Appleが頑なに守り続けてきた設計思想と真っ向から衝突するからだ。
Omdiaの予測によれば、新型は36コアに達する巨大なM5 Ultra SoCを心臓部に据え、10月下旬にも登場するという。現行のデスクトップ向け最高峰に匹敵するパワーをノート型へ落とし込む野心的な試みだ。
しかし、この話を額面通りに受け取るには無理がある。最大の障壁は、約270Wとも見積もられるピーク時の消費電力だ。
いくらAppleシリコンの電力効率が驚異的とはいえ、200Wを優に超える熱を逃がすには巨大なヒートシンクと唸りを上げる冷却ファンが欠かせない。現行の14インチMacBook ProですらMaxチップの排熱に苦心しており、16インチでさえ決して余裕綽々とは言えないのが実情だ。ましてや、噂される次世代機がさらなる薄型化を目指しているとすれば、物理的な矛盾は決定的なものとなる。
仮に無理やり詰め込むとすれば、ASUSのROG Strix Scar 18のような、分厚く重厚なデスクトップ代替機の姿にならざるを得ない。重たいACアダプターに繋がなければフルパワーを発揮できず、バッテリー駆動では性能が急落し、膝の上に置くことすら躊躇われる筐体。それは、薄さと静寂、そして電源を外しても変わらない圧倒的な作業環境を誇ってきたMacBookの美学とは正反対の存在だ。
実績ある複数のアナリストが指摘するように、現実的な主役はやはりM5 ProとM5 Maxの2系統だろう。512GBというメモリ容量の数字は確かに刺激的だが、それはMac StudioやMac Proといった据え置き型デスクトップでこそ真価を発揮する領域。まずは秋に控える正統進化の行方を冷静に見極めたい。
Source:MacRumors


