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Appleの主力ノート「MacBook Air」が歴史的な品薄に陥っている。いま注文しても手元に届くのは8月末。驚くべきは、Appleが自社サイトでAirの在庫難を認め、より高額なMacBook Proへ顧客を誘導し始めた異例の動きだ。この変貌の裏には、市場を激震させる半導体不足と、次世代モデル導入を見据えたAppleの冷徹な計算が透けて見える。
本来ならエントリー層の要であるAirを押し出したい同社が、あえて14インチMacBook Proのベースモデルを推奨する異常事態。これはタッチスクリーン対応と噂される次世代M6チップ搭載モデルの登場に先立ち、現行Proの在庫を売り切りたいという狙いがある。
しかし、根底にある最大の要因は「RAMageddon(RAMゲドン)」と呼ばれる深刻なメモリチップ危機だ。AIデータセンターの爆発的拡大に伴い、主要メーカーがPC用メモリからAIサーバー用の高帯域幅メモリへ製造ラインを大激変させた。結果として民生用DRAMの供給が絞られ、この構造的な不足は2030年近くまで続くとの予測さえ出ている。
この煽りを受け、M5搭載のAirは元々の999ドルから相次ぐ値上げを経て1,299ドルまで高騰した。さらに新たな分割購入プログラムの開始が需要を不必要に煽り、供給不足へ拍車をかけている。
競合のWindows陣営も同じく部材高騰の泥沼にいるが、Appleのように強固なブランド力を盾に、品薄を理由として客単価の高いProモデルへ需要をスムーズに付け替える芸芸芸当は他社に真似できない。コスト高を逆手に取った力技のマーケティングと言える。
世界的な半導体危機が長期化する以上、ノートPCの価格高騰と在庫の波乱はこれからが本番だ。秋以降の製品刷新も含め、買い手にとっては当面の間、忍耐と見極めが試される状況が続く。
Source:Bloomberg


