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今秋リリース予定の次期メジャーアップデート「watchOS 27」。その対応機種リストから、2022年発売の「初代Apple Watch Ultra」や「Series 8」以前のモデルが突如として姿を消した。理由は明白。高度なAI処理を要求する、全く新しいSiriの存在だ。
WWDCで発表されたwatchOS 27の目玉は、ChatGPTライクな新世代のSiri AIアプリと、刷新されたワークアウト機能。しかし、その恩恵にあずかれるのは「Apple Watch Ultra 2」「Series 9」「SE 3」以降のユーザーのみ。前バージョンのwatchOS 26がSeries 6まで手厚くサポートしていたことを踏まえると、実に3世代分ものモデルが一気にアップデートの対象外となった。
TechRadarの取材に応じたwatchOS開発責任者のデビッド・クラーク氏の言葉はシンプルだ。新しいSiri AIやタップジェスチャーを最適に動作させるには、最新ハードウェアの処理能力が不可欠なのだという。
背景にあるのは、プロセッサの世代交代という物理的な壁。Series 6から8、そして初代Ultraに搭載されているチップは、実は2019年のA13アーキテクチャをベースにした技術的に同一のプロセッサを採用している。対してSeries 9やUltra 2で導入された「S9」チップは最大52%もの高速化を果たしており、この絶対的な性能差がAI処理の可否を分けた形だ。
ここで興味深いのは、Appleが「旧モデル向けにAI機能を除外した軽量版watchOS 27を提供する」という選択肢を完全に排除した点。全プラットフォームで同一のSiri体験を提供するという妥協なき方針が、結果として過去モデルへの延命措置を許さなかった。
スマートウォッチ市場は今、買い替えサイクルが長期化の傾向にある。競合他社がソフトウェアサポート期間の延長をこぞってアピールする中、AI体験の統一を盾にして旧モデルを容赦なく切り捨てるAppleの姿勢は、ユーザーのアップグレードを強引に促す劇薬にもなり得る。
OSのバージョンアップが純粋な「機能追加」から、「AI体験の選別」へと変質したターニングポイント。今後、スマートウォッチをはじめとするウェアラブル端末の製品寿命は、バッテリーの劣化ではなく、AI処理能力の有無によって強制的に線引きされる時代へと突入していく。
Source:TechRadar

