記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
AnbernicのRG Vita Proが、発売からわずか2ヶ月で真の完成形へと近づいた。
Google Playストアに公式対応する最新アップデート(バージョン1.14)の配信が開始され、Androidアプリの導入ハードルが一気に下がった。これまで不可欠だったapkファイルのサイドローディングといった面倒な作業から解放され、ポータブルゲーム機としての実用性が跳ね上がっている。
もともとこの端末は、Android 14とLinuxのデュアルOSという尖った仕様で登場したものの、Googleのサービスが未搭載という弱点があった。玄人好みの仕様といえば聞こえはいいが、一般的なユーザーにとっては、お気に入りのアプリやゲームを1つ入れるだけでも一苦労だったのが実情だ。今回のOTAアップデートは、その最大の障壁をあっさりと取り除いてみせた。バグ修正やシステム全体の最適化も含まれており、操作感の向上も期待できる。
ここで注目すべきは、Anbernicというブランドの姿勢の変化だ。
従来の中華系ゲーム機メーカーは、次々と新作ハードを連発する一方で、売り切った後のソフトウェアサポートが疎かになりがちだった。しかし、最近の彼らは明らかに違う。今月に入ってからも、RG77Vへ新しいコントロールセンターを追加したり、RG DS向けにLinux OSを新規提供したりと、既存ユーザーを置き去りにしない施策を連発している。ハードウェアの売り逃げから、ソフトウェアのアップデートによる価値の継続へと、ビジネスモデルが成熟しつつある証拠と言える。
Playストアへの対応により、RG Vita Proは単なるレトロゲームの枠を超え、Androidのインディーズゲームや各種配信サービス、クラウドゲームを快適に立ち回るマルチ端末としての地位を固めた。
今後は単なるチップセットのスペック競争だけでなく、どれだけ迅速に、そして長くOSの最適化を続けられるかが、乱立するエミュレーター機市場での勝敗を分ける鍵になる。そのレースにおいて、今のAnbernicが一歩リードしたことは間違いない。

