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ゲーム機市場の勢力図が、価格改定をきっかけに大きく揺らいでいる。
米国の4月市場データにおいて、値上げに踏み切ったソニーのPS5が販売台数を前年比30%も減らした一方、据え置きを選んだ任天堂のSwitch 2が市場を完全に席巻した。
高性能化の代償としてユーザーにのしかかる「値上げ」の重みが、露骨な形で数字に表れた格好だ。
ソニーはストレージやメモリの不足に対応するため、4月2日にPS5を100ドル、PS5 Proを150ドル値上げするという決断を下した。
発表直後の駆け込み需要こそあったものの、その勢いは長続きしなかった。
小売店が在庫を吐き出した後の4月、ゲーマーたちは一斉に財布の紐を締め、ソニーの最新決算ではハードウェア売上が前年同期比で46%以上も減少する事態に陥っている。
この冷え込んだ市場で一人勝ちを収めたのが、任天堂のSwitch 2だ。
希望小売価格を据え置いた戦略が功を奏し、新作ソフト「トモダチコレクション 新生活」のヒットも追い風となり、米国のハードウェア支出額を過去最高水準へと押し上げた。
PS5の価格高騰を嫌ったユーザーたちが、値ごろ感を維持する任天堂陣営へと流れた構図がくっきりと浮かび上がる。スペック至上主義がもたらす価格上昇に、消費者の忍耐が限界を迎えつつある現状であるが、これこそが、今回のデータが示す最大の市場変化だろう。
どんなに魅力的なハードであっても、ライト層や一般的なゲーマーの手が届かない価格帯に入れば、市場は一気に縮小へと向かう。
とはいえ、任天堂の独走がこのまま無条件で続くとは限らない。
部材不足の影響は任天堂にも及んでおり、9月にはSwitch 2の50ドル値上げが予告されている。現在の好調は、いわば値上げのタイムラグが生んだ「猶予期間」のようなもの。
秋以降、両陣営がともに値上げされた状態で対峙した時、ユーザーがどちらを選ぶのか、本当の勝負はそこから始まる。

