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XiaomiのCEOである陸偉兵氏が生放送で自ら明かした、超薄型スマートフォンの開発中止。量産直前まで漕ぎ着けながらも幻となった「Xiaomi Air(仮称)」の具体的なスペックがリークされ、いま業界に波紋を広げている。AppleのiPhone AirやSamsungのGalaxy S25 Edgeが切り拓いた薄型トレンドに対し、Xiaomiが真っ向から勝負を仕掛けようとしていた証拠が、生々しい数値とともに浮かび上がってきた。
人気リーカーのDigital Chat Stationが公開したプロトタイプ情報によると、この未発売デバイスは6.59インチ(1.5K解像度)のディスプレイを搭載し、本体の厚さは6.0mm未満の5.x mmを狙っていたという。先行するiPhone Airの5.6mmやGalaxy S25 Edgeの5.8mmを強烈に意識したサイズ感だ。

さらに驚くべきは、薄型化の犠牲になりがちなスペックを極限まで引き上げていた点にある。プロセッサには最上位のSnapdragon 8 Elite Gen 5を採用し、メインカメラには2億画素のデュアル構成を予定していた。バッテリーも薄型でありながら5000mAh台を確保していたというから、文字通りのモンスターマシンだ。
だが、この圧倒的な構成こそが、開発中止を引き起こす引き金となった。薄さと引き換えに発生する熱処理の問題、そしてパフォーマンス維持とバッテリー寿命のトレードオフを、Xiaomiの技術をもってしても解決しきれなかったのだ。ユーザーが満足できない妥協作を出すくらいなら、量産寸前であってもプロジェクトを凍結する。最高経営責任者が下したこの英断は、近年の過度なスペック至上主義に対する一つの明確なアンサーと言える。
スマートフォンの進化が頭打ちになる中で、各社が模索した薄型化という新たな付加価値。しかし、今回のXiaomiの撤退劇は、物理的な限界とユーザーの実利のバランスを改めて浮き彫りにした。Appleが年内にも投入すると噂される次世代薄型モデルに対し、Xiaomiが今後どのようなアプローチで巻き返しを図るのか、その動向から目が離せない。

