スマートフォン市場のハイエンドモデル、特にカメラ性能を競う「フラッグシップの沼」は、いよいよ深みを増しています。その中でも、ドイツの伝説的カメラメーカー、ライカとタッグを組むXiaomiの動向は、常に世界中のカメラ好きの注目を集めてきました。
そして今回、その熱狂をさらに高めるリーク情報が浮上しました。
Xiaomiの次期フラッグシップ「Xiaomi 17 Ultra」は、中国市場での2モデル展開に留まらず、なんと欧州を含むグローバル市場において、「Leica Leitzphone Edition」という特別な名称を冠したハイエンドモデルを投入するというのです。
これは単なるマーケティング戦略でしょうか? それとも、日本のシャープが展開している「Leitz Phone」とは一線を画す、真のカメラフォンとしての「ロマン」を追求したモデルなのでしょうか。
Source:Xiaomitime

グローバル認証情報から見えた「2モデル体制」の全貌
今月(2025年12月)にも発売が見込まれているXiaomi 17 Ultra。これまで、中国国内では「2512BPNDAC」と「25128PNA1C」という2つの認証番号が確認されていました。そして最近、このうちのグローバル版(G)がIMEIデータベースで確認されました。
これが興味深いのは、グローバル市場、特に欧州でも2つの異なるモデルが登場する可能性が浮上したことです。
| モデル名(予想) | コードネーム | 認証番号(グローバル) | 特徴(リークに基づく) |
| Xiaomi 17 Ultra (通常版) | P1 | 2512BPNDAG | 3眼カメラ搭載。グローバル展開のベースモデル。 |
| Leica Leitzphone Edition | P1S | 25128PNA1G | デザイン特化、特別カラー、高性能クリップオンレンズ対応。 |
Xiaomiは過去の「Ultra」シリーズでも、カメラの進化を追求してきました。しかし、今回のリークで明らかになったのは、カメラの物理的な構成(センサーの数)が、前モデルのXiaomi 15 Ultraの4眼から3眼に減少しているという情報です。
これは一見すると「退化」に見えますが、センサーサイズの巨大化や、レンズ技術の進化によって、敢えて数を絞り、一つ一つの画質を極限まで高めるという、新たな「最強カメラの生存戦略」を示唆しているのかもしれません。

カメラ構成は同じなのに、なぜ「Leitzphone」が特別なのか?
ここが最も重要なポイントです。
報道によると、特別版であるLeitzphone Editionと通常版のXiaomi 17 Ultraは、搭載されているカメラ構成自体は同じである可能性が高いとされています。つまり、基本的な画質性能は変わらないかもしれない、ということです。
では、なぜわざわざ別のモデル名(P1S)を与え、欧州に投入しようとしているのでしょうか。
その答えは、「体験とデザイン」にあります。
- 唯一無二のデザイン
特別版は、通常のUltraモデルとは異なる印象的なデザイン、おそらくはライカの伝統的なカメラをオマージュしたテクスチャやカラーを採用すると見られています。スマートフォンを単なる道具ではなく、「所有する喜び」を満たすためのデザイン要素です。 - 技術的に高度なクリップオンレンズ
報道では、「技術的に高度な」クリップオンレンズが付属または対応するとされています。これは、過去のXiaomiが提供していた単なる補助レンズではなく、ライカの光学技術をスマートフォンに本格的に融合させるための、特別なアダプターやレンズシステムかもしれません。これは、スマートフォン撮影の可能性を一段階押し上げる「ロマン」を具現化する要素です。
結局のところ、Xiaomiは「最高のスペックを求める人」と、「最高の体験とデザイン、そしてロマンを求める人」という、二種類のハイエンドユーザーをターゲットに分けているのです。

日本の「Leitz Phone」との違いと欧州市場への挑戦
「Leitzphone」と聞いて、日本のカメラ好きが思い浮かべるのは、シャープが手がけ、ソフトバンクを通じて日本国内限定で展開しているスマートフォンシリーズでしょう。
シャープのLeitz Phoneは、ライカのデザインとUIを深く取り入れた、まさに「カメラとしての哲学」を具現化したモデルです。
しかし、今回のXiaomiの動きは、そのLeitz Phoneのコンセプトを「グローバル市場」に持ち出し、さらにXiaomiの圧倒的な供給力と価格競争力を背景に展開しようという挑戦です。
Xiaomiのハイエンドモデルが、ライカのブランドを全面に出して欧州という成熟した市場に投入されることは、シャープの日本限定モデルとは異なる形で、カメラフォン市場全体に大きな激震を与えることになるでしょう。たぶん…

