2025年も師走を迎え、スマートフォンの話題はすでに「来年」へと移りつつあります。今年、Galaxy Z Flip7を筆頭にサムスンが市場を席巻した縦折り(クラムシェル)スマートフォン市場。その片隅で、Motorolaはどこか静かだった、と感じているのは私だけではないはずです。
確かに「Razr 60 Ultra」(北米名:Razr Ultra 2025)というフラッグシップチップ搭載機をリリースしたものの、往年の「Razr」ブランドが持つべき「市場を震撼させる」ほどのインパクトは、正直なところ薄かったように思います。
しかし、水面下ではすでに、2026年の「逆襲」に向けた準備が着々と進められているようです。
リーク情報でお馴染みのSmart Pikachu氏が、次期モデル「Motorola Razr 70 Ultra」に関する衝撃的な初期レポートを投下しました。それは、私たちが2025年に感じていたMotorolaへの「物足りなさ」を、すべて吹き飛ばすような可能性を秘めた内容でした。
性能の「心臓部」と、使い勝手を左右する「デザイン」。その両方で、Motorolaは”本気”の刷新を計画しているというのです。

2025年、Motorolaが「溜めていた」理由
まず、2025年のハイエンド市場におけるMotorolaの動向を振り返ってみましょう。
EdgeシリーズやRazrシリーズなど、豊富なモデルを市場に投入した一方で、最上位のフラッグシップ市場において、彼らの存在感は限定的でした。前述の通り、今年Motorolaがリリースしたフラッグシップチップ搭載機は「Razr 60 Ultra」のみ。
一方で、ライバルであるSamsungはGalaxy Z Flip7で市場の主導権を握り続け、他の中国メーカーも虎視眈々とシェアを狙っています。この状況を見て、「Motorolaはハイエンド市場から一歩引いたのか?」と感じたガジェットファンも少なくないでしょう。
しかし、2025年も残り数週間となった今、その「静けさ」こそが、2026年の爆発に向けた「溜め」の期間であった可能性が浮上してきました。
その証拠に、Motorolaは折りたたみ式のRazrだけでなく、従来のフラッグシップモデル「Edge」シリーズにおいても、とんでもないスペックのデバイスを準備していると噂されています。Snapdragon 8 Gen 5と16GBのRAMを搭載した「Edge 70 Ultra」がGeekbenchで確認されたという情報もあり、Motorolaがハイエンド市場に本気で復帰する意志が伺えます。

Razr 70 Ultraの核心!Snapdragon 8 Gen 5というSoC
そして、本題である次期折りたたみスマートフォン「Razr 70」シリーズです。Smart Pikachu氏のWeiboへの投稿によれば、Motorolaは現行のRazr 60シリーズの後継機として、このRazr 70を準備中です。
注目すべきは、その心臓部。 Qualcommの「Snapdragon 8 Elite Gen 5」または「Snapdragon 8 Gen 5」チップセットの採用が予想されているのです。

これがどれほどの「事件」か。Snapdragon 8 Gen 5世代は、2026年のハイエンドAndroidスマートフォンにおける標準となる、まさに「最新・最強」のチップセットです。
現行のRazr 60 Ultraから、単なるマイナーチェンジではない、正真正銘の「世代交代」レベルのパフォーマンス向上が期待できます。これにより、Razr 70 Ultraは、Samsungが2026年に投入するであろう「Galaxy Z Flip8」と、性能面で一切の妥協なく真っ向から勝負できる土俵に立つことになります。

デザイン刷新:「持ちやすさ」と「見た目」の最適解を求めて
しかし、Motorolaの「本気」は性能だけにとどまりません。Smart Pikachu氏によると、MotorolaはRazr 70世代で「アスペクト比(画面の縦横比)」を調整したとのこと。
これは非常に重要なポイントです。
現状、MotorolaのRazr 60シリーズは、競合するSamsungのGalaxy Z Flip7と比較して、「わずかに縦長で厚みがあり、幅は狭い」という特徴があります。これは、片手での持ちやすさ(幅狭)と、情報量の多さ(縦長)を両立しようとした結果とも言えます。
一方で、この独特なアスペクト比が「少しアンバランスだ」と感じていたユーザーもいました。
奇しくも、ライバルのSamsungも次期モデル「Galaxy Z Flip8」でスリム化を目指していると報じられています。2026年の縦折りスマートフォン市場は、「いかにスリムで、持ちやすく、美しいか」というデザイン競争が激化するのかもしれません。
MotorolaがRazr 70でどのような「答え」を出してくるのか。単にSamsungに追随してスリム化するのか、それともRazrならではの「持ちやすさ」をさらに追求した、まったく新しいアスペクト比を提案してくるのか。詳細はまだ不明ですが、このデザイン刷新がRazr 70 Ultraの評価を大きく左右する鍵となることは間違いありません。

