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Chromeの自動入力が劇的な進化を遂げた。これまで名前や住所にとどまっていた入力補完に、Gmailの受信トレイからフライト予約や荷物の追跡番号、注文番号を直接引っ張ってくる新機能が追加。いちいちメールアプリを開き、予約番号をコピー&ペーストする面倒な作業はこれで過去のものになる。
米国から順次展開されるこの機能。生成AI「Gemini」のパーソナルインテリジェンスを活用した、まさに次世代ブラウジング体験の幕開けだ
利用条件は、18歳以上で個人のGoogleアカウントを持ち、Geminiのパーソナルインテリジェンスを有効にしていること。デスクトップ、Android、iOSのマルチプラットフォームで動作する。
Web上のフォームに入力する際、GeminiがGmail内の関連データを自動で探し出し、メニューに提案内容を表示。煩雑な手入力を一瞬で終わらせてくれる。

ただ、手放しで喜んでばかりもいられない。AIアシスタントに個人の受信トレイを覗かせる代償は、決して小さくないからだ。
Googleは機密データの暗号化をアピールしている。しかし一般ユーザーの場合、初期設定は「AIモデル改善のために機能を許可する」状態。AIの精度向上のため、人間のレビュアーが利用データを閲覧する可能性すら公式ヘルプに明記されている。
セキュリティの懸念も拭いきれない。今年8月、悪意のあるメールを1通受信するだけでChrome内のGeminiを含むAIブラウザが乗っ取られる危険性が研究者から指摘されたばかり。利便性が新たな攻撃手段を生み出す温床になりかねない危うさも孕んでいる。
プライバシー規制の厳しい欧州経済領域(EEA)や英国などでは、当面この機能は提供されない。EU圏での展開が後回しになる現象は他のAI機能でも起きており、Apple Intelligenceを巡る各国の規制当局とのせめぎ合いとも酷似。世界的なデータ保護基準の分断がここでも浮き彫りになっている。
不用意なデータ収集を避けたい場合、Chromeの設定の「自動入力とパスワード」から拡張自動入力をオフにするか、Gemini側の設定でGmail連携を解除すれば防げる。
究極の利便性と引き換えに差し出すプライバシー。AIが生活空間の奥深くへ入り込む流れはもはや止まらない。どのデータをAIに委ねるか、ユーザー自身の取捨選択とリテラシーがこれまで以上に問われる時代へ突入した。
Source:Google Chrome blog


