記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
ソニーの次世代ゲーム機「PlayStation 6(PS6)」の心臓部が、思わぬところから姿を現した。最新のAMD製グラフィックドライバー内に、次世代機向けとみられるGPUの記述が見つかり、ハードウェア界隈を大きく揺るがしている。
発端はAnandTechフォーラムの有志による解析だ。ドライバー内に記されていた「ATLite3」というコードネームについて、AMDの内部事情に精通する著名リーカーKepler_L2氏が、PS6に搭載予定のAPU「Orion」向けGPUである可能性を指摘した。かつてPS5のチップが開発段階で「Navi10Lite」と呼ばれていた経緯を踏まえれば、命名規則の整合性は極めて高い。

この「ATLite3」は、次世代アーキテクチャ「RDNA 5」を採用したデスクトップ向けGPU「AT3(Alpha Triton)」のカスタム版と目される。演算ユニット(CU)は30基から40基規模、ピーク演算性能は実に40 TFLOPSに達する見込みだ。現行PS5の約4倍、グラフィックスを大幅に強化したPS5 Proすら軽々と凌駕する処理能力が、早くも輪郭を現し始めた。
興味深いのは、メモリに16GBから24GB程度のLPDDR5Xを組み合わせる構成が示唆されている点だ。通常、ハイエンドな据え置きゲーム機には広帯域なGDDR系メモリが充てられる。あえて低消費電力なLPDDR5Xを採用する裏には、半導体コストの高騰を抑えつつ、筐体の小型化と静音性を両立させたいソニーの狙いが見え隠れする。帯域幅の不足をGPU側の高効率なキャッシュ構造で補う設計であれば、リビングに置けるサイズ感のまま驚異的な描画力を引き出す現実解になり得る。
今回のドライバーからは、次世代携帯機「Steam Deck 2」向けと噂されるAPUへの言及も併せて浮上した。AMDが据え置き機からポータブル機に至るまで、家庭用ゲームの基盤を一手に握る構図は今後も揺るぎそうにない。
現時点でソニーとAMDの双方が沈黙を守っているものの、開発チップはすでに設計完了を意味するテープアウト段階へ移行したとの情報もある。高精度なレイトレーシングやAIアップスケーリングが標準となる次世代のゲーム体験を、このシリコンがどう具現化するのか。水面下の覇権争いは、すでに次のサイクルへと突入している。
Source:AnandTech


