150ドル以下の携帯エミュレーター市場に、決定打となる1台が現れた。Anbernicが投入した「RG 55G1」は、Qualcommのゲーム向けSoC「Snapdragon G1 Gen 2」を同社として初搭載。わずか139ドル(約2万円強)からという手頃な価格設定でありながら、この価格帯では動作が厳しかったPlayStation 2やニンテンドーゲームキューブのタイトルを実用レベルで駆動させる性能を見せつけている。
ハードウェア構成は4GBメモリに64GBストレージと一見控えめだが、心臓部にSnapdragonを採用した恩恵は極めて大きい。著名レビュアーETA Prime氏の検証によると、ゲームキューブタイトルでは内部解像度を2〜3倍に引き上げても『ゼルダの伝説 風のタクト』や『バイオハザード』が安定して60fpsで動作。PS2エミュレーターのNetherSX2上でも、『キングダム ハーツ』や『グランツーリスモ 3』といった名作が解像度1.5〜2倍設定で60fpsを維持した。
『ゴッド・オブ・ウォー2』のような屈指の重量級タイトルこそ等倍解像度で40〜50fps前後に留まるものの、139ドルのエントリー機としては十分すぎる処理能力だ。この価格帯の中華ゲーム機で主流だったUnisocやMediaTek製のエントリーチップと比べ、SnapdragonはAdreno GPUのドライバ完成度が高く、エミュレーター側の最適化が進んでいる強みが如実に表れている。PSPやニンテンドー3DSのタイトルも破綻なく動作し、実用レンジの広さが際立つ。
携帯ゲーム機市場ではこれまで「PS2を快適に遊ぶなら200ドル以上の出費」が半ば常識だった。RG 55G1はその境界線を大きく押し下げ、低価格機の基準そのものを塗り替えた格好だ。


