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OpenAIがソフトウェアの枠を飛び出し、ついに独自のハードウェア市場へ本格参入する動きが具体化してきた。元Appleの最高デザイン責任者ジョナサン・アイブ氏とタッグを組み、2027年の投入を目指しているのは、持ち運び可能なドーナツ型のAIスマートスピーカーだ。これまで画面の中に閉じていた生成AIが、いよいよ実体を持って身近な空間へ進出する。
報道によると、このデバイスは直径約7.6センチほどのサイズ感で、中央に穴が開いたドーナツ状の形状を採用している。片手で軽々と持ち運べるようバッテリーを内蔵し、部屋を移動しながらChatGPTと対話するスタイルを想定。筐体には高品質な金属素材が使われ、会話に反応して動作するモーターやLEDによる視覚フィードバックを備えるなど、アイブ氏らしいプロダクト美学が凝縮されたプロダクトになりそうだ。
最大の特徴は、単なる音声アシスタントにとどまらない点だ。カメラや各種センサーを搭載し、周囲の現実世界をリアルタイムに認識する。目の前にある物体について尋ねれば、ChatGPTが文脈を把握した上で的確に回答。従来のAmazon EchoやGoogle Nestのような定置型スピーカーとは一線を画す、真の「視覚を持った対話型AI」として機能する。
課題は強気な価格設定だ。想定価格は300ドルから400ドルと、約219ドルのAmazon Echo Studioすら上回る。EchoやGoogle Homeが低価格で普及を図ってきたのに対し、OpenAIは高品質なプレミアム路線を選ぶ格好だ。スマートフォンの画面を開かずにAIと接する新たな体験価値に対し、消費者がどこまで対価を支払うかが普及の分かれ目となる。
画面を前提としないマルチモーダルAIのインターフェースとして、OpenAIの試みが次世代のデファクトスタンダードとなるか。2027年の登場に向け、AIとハードウェアの融合を巡る主導権争いは一気に加熱していきそうだ。
Source:Bloomberg


