PlayStation 5のパッケージ版廃止に向けた動きが、かつての立役者からも「詐欺のようだ」と指弾されている。
初代『ゴッド・オブ・ウォー』の生みの親であるデビッド・ジャッフェ氏が、ソニーの強引な完全デジタル化路線に対し、ユーザーへの裏切りであると異例の苦言を呈した。ディスクドライブ搭載モデルを購入した消費者の不満が臨界点に達しつつある今、プラットフォーマーの姿勢が根本から問われている。

同氏は当初、開発費が高騰するAAAタイトルの収益構造を考慮し、デジタル移行を支持する側に回っていた。利益率の高いPS Storeでの販売促進が、サードパーティの開発スタジオを救うという経済的な合理性は確かにある。
だが、最新の発言でその姿勢を一変。現行のPS5ユーザーに対する自身の認識が「完全に間違っていた」と過ちを認めた。
問題の核心は、消費者の正当な期待を裏切った点にある。光学ドライブ搭載のPS5を購入したユーザーは、次世代機となるPS6が登場するまでパッケージ版ゲームが供給され続けると信じて疑わなかったはずだ。
2028年初頭とも噂される次世代機への移行期を前に、事実上ディスク生産を縮小していく決定は、ユーザーからすれば梯子を外されたも同然。ウィッチャー4などの大型タイトルが控える中でのこの仕打ちは、ジャッフェ氏の言葉を借りればまさに「詐欺」に等しい。
ここには独自のプラットフォーム経済圏に依存する巨大企業の危うさが透けて見える。
デジタルシフト自体は時代の必然かもしれない。だが、ハードウェアのライフサイクル途中で強引に舵を切る手法は、顧客との長期的な信頼関係を無残に破壊する。パッケージ市場の意図的な縮小は、結果としてPS Storeという単一ストアの独占状態を加速させていくからだ。
ジャッフェ氏が提言するような「ソニーの公式謝罪」が行われる可能性は極めて低い。プラットフォームの覇権を握る企業にとって、デジタル専売化はもはや後戻りできない既定路線である。
しかし、ユーザーの声を軽視した強硬路線は、消費者擁護団体による独占を巡る新たな訴訟リスクへと発展しつつある。市場をコントロールしようとするソニーの野心は、皮肉にも熱心なPlayStationファンとの間に、容易には埋めがたい深い溝を生み出してしまった。

