ガジェット界隈の情報の流れは本当に早いもので、つい先日新しいスマホに感動していたかと思えば、もう次の「怪物」が顔を出し始めています。
皆さんは「廉価版」や「派生モデル」と聞いて、どんなイメージを持ちますか? おそらく、多くの人が「本家フラッグシップモデルより少し性能を落として、買いやすくしたもの」と答えるでしょう。私もそう思っていました。
しかし、どうやらその常識は12月17日を境に崩れ去るかもしれません。
今回取り上げるのは、OnePlusの次期モデル「OnePlus 15R」です。この機種、立ち位置としては「R」シリーズなのですが、流出したベンチマーク情報を見る限り、兄貴分であるはずのOnePlus 13すらも食ってしまう勢いを見せているのです。
これは単なる新製品のニュースではありません。スマートフォンの進化速度が、私たちの予測を追い越し始めた証拠かもしれません。一体何が起きているのか、Geekbenchのスコアとリーク情報を元に紐解いていきましょう。
Source:Geekbench
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OnePlus 15Rのベンチマークが示す「異常事態」
まず、最も衝撃的だったのはGeekbenchに登場したスコアです。心臓部に搭載されているのは、なんと「Qualcomm Snapdragon 8 Gen 5」。これだけで、ガジェット好きならコーヒーを吹き出すレベルの話です。
具体的な数字を見てみましょう。
- シングルコアスコア:平均 2,815
- マルチコアスコア:平均 9,552

数字だけ並べられてもピンとこないかもしれませんが、前モデルであるOnePlus 13Rと比較すると、その差は歴然です。シングルコアで約27%、マルチコアに至っては約45%ものパフォーマンス向上を果たしています。45%アップというのは、スマホの世代交代でそう簡単に見られる数字ではありません。
さらに面白いのが、現行のフラッグシップ機「OnePlus 13」との比較です。通常、ナンバリングモデル(無印)の方がRシリーズより格上のはずですが、今回のデータではOnePlus 15Rがシングルコアで9%、マルチコアで2%ほど上回っています。
もちろん、ベンチマークはあくまで合成テストの結果であり、日常的な使い勝手がその通りになるとは限りません。しかし、「弟分が兄貴を追い越した」という事実は、チップセットの世代交代がいかに強力かということを物語っています。

なぜこれほどハイスペックなのか? スペックの詳細
では、なぜOnePlusはこのタイミングでこれほどのモンスターマシンを投入するのでしょうか。これには、中国市場で展開される「Ace 6T」というモデルの存在が関係しているようです。
モデル番号CPH2767として識別されるこの端末は、Ace 6Tのグローバル版、つまり名前を変えて世界に飛び出すバージョンだと見られています。中国国内での激しい競争を勝ち抜くために鍛え上げられた筋肉質なスペックが、そのまま「R」の名を冠して世界へ放たれるわけです。
現在判明している主な仕様は以下の通りです。
- RAM: 12GB(これがベースモデルになりそう)
- OS: Android 16
- ストレージ: おそらく256GBから
- ディスプレイ: 165Hz AMOLED
- 耐久性: IP69K防塵防水
ここで注目したいのが「165Hzのリフレッシュレート」と「IP69K」です。 一般的なハイエンドスマホでも120Hzが主流の中、165Hzというのはゲーミングスマホ並みの滑らかさです。スクロールした時の指への吸い付き方が変わってくるでしょう。
そしてIP69K。これは単なる防水ではなく、高温・高圧の水流にも耐えられるレベルの保護等級です。正直、普通に生活していて高圧洗浄機をスマホに浴びせる機会なんてそうそうありませんが、「絶対に壊れない安心感」を提供しようというメーカーの気概を感じます。
また、Wi-Fiの安定性を高める自社製G2チップの搭載も、地味ながらユーザー体験に直結するポイントです。

発売日と今後の展開について
さて、気になるのは「いつ手に入るのか」という点です。 OnePlusからの公式な世界発表は12月17日に予定されています。年末商戦のギリギリ、あるいは2026年の幕開けを飾る重要なピースとして投入されることになるでしょう。
現時点でOnePlus 13がAmazonで約899ドルという価格設定であることを考えると、それ以上の性能を持つ15Rがどのような価格戦略で来るのか、非常に興味深いところです。「R」シリーズの伝統としてコスパを重視してくるのか、それとも性能に見合ったプレミアム価格になるのか。
ただ一つ言えるのは、開発者たちがこの新しいハードウェアに対して、すでに最適化を進めているということです。ハードウェアの進化が早すぎてソフトウェアが追いつかない、なんてことは過去の話。Android 16を初期搭載している点からも、最初からフルスロットルで走る準備ができていることが伺えます。

