スマートフォンの進化サイクルが早すぎて、もはや「最新」という言葉の賞味期限が数ヶ月しかない現代。XiaomiがRedmi Note 14 4Gを世に送り出してから1年も経たずして、早くも「Redmi Note 15 4G」の情報が確定しました。
「また新しいのが出るのか」と食傷気味になるのも無理はありません。
しかし、今回リークされたスペック詳細を眺めていると、Xiaomiがこれまでの「なんでも入り」路線から、ある一点突破型の戦略へと舵を切ったことが見えてきます。それは、現代人の最大の悩みである「バッテリー切れ」への物理的な解決策です。
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規格外のスタミナ!6,000mAhバッテリーがもたらす生活の変化
今回のモデルチェンジにおける最大のトピックは、間違いなくバッテリー容量の増強です。一般的なスマートフォンのバッテリーが5,000mAh前後で停滞している中、Redmi Note 15 4Gは一気に「6,000mAh」という大台に乗せてきました。 これは単に数字が増えただけではありません。
モバイルバッテリーを持ち歩く重さや、カフェに入って真っ先にコンセントを探すあのストレスからの解放を意味します。特に外出先での動画視聴やゲーム、テザリングを多用するユーザーにとって、この1,000mAhの差は「安心感」という形ではっきりと体感できるはずです。
IP64の防塵防滴性能と合わせ、災害時の連絡手段確保という観点からも、このタフネスさは大きなメリットと言えるでしょう。
「プロ」の頭脳を移植?MediaTek Helio G100 Ultraの実力
「安いスマホは動作が遅い」という定説は、この機種には当てはまらないかもしれません。なぜなら、Redmi Note 15 4Gの心臓部には、前世代の上位モデルである「Redmi Note 14 Pro 4G」に搭載されていた「MediaTek Helio G100 Ultra」がそのまま採用されているからです。
これは自動車で言えば、大衆車のボディにスポーツカーのエンジンを積むようなもの。6nmプロセスで製造されたこのチップセットは、日常のブラウジングやSNSはもちろん、多少重たい作業でも難なくこなします。
Xiaomiによる巧みなパーツの流用戦略ですが、ユーザーにとっては「Pro級の処理能力」が「無印の価格」で手に入るわけで、これほど歓迎すべきコストダウンはありません。

1億画素は据え置きでも「見やすさ」は進化
カメラ性能に関しては、108MPのメインカメラを筆頭に、2MPの補助、20MPのフロントカメラという構成で、前作Redmi Note 14 4Gから変化はありません。ここを「手抜き」と捉えるか、「完成された仕様」と捉えるかは意見が分かれるところですが、199ユーロ(約3万円台前半)という価格帯を考えれば、1億画素カメラが搭載されていること自体が依然として驚異的です。
一方で、ユーザーが常に目にするディスプレイは確実に進化しています。6.7インチに大型化されたAMOLEDパネルは2,392 x 1,080ピクセルの解像度を誇り、バッテリー増量と相まって、長時間エンタメを楽しむための「視聴デバイス」としての性格を強めています。
隠されたデメリット:同梱品とOSの「ズレ」
すべてが順風満帆に見えるRedmi Note 15 4Gですが、購入前に知っておくべき注意点も存在します。 一つ目は、ついにこのクラスでも「電源アダプター」が同梱されなくなったこと。33Wの急速充電に対応していながら、その能力を発揮するための充電器は別売りとなります。
「環境配慮」という名目ですが、初めてスマホを買う人や、古い充電器しか持っていない人にとっては隠れた出費となるでしょう。 二つ目は、搭載OSが最新の「HyperOS 3」ではなく、一世代前の「HyperOS 2」である点です。
ハードウェアは新しいのに中身のソフトが少し古いというのは、開発スケジュールの都合を感じさせますが、最新機能をすぐに試したいガジェット好きには少し物足りない要素かもしれません。

価格とスペックのバランスは「買い」なのか?
価格は128GB/6GBモデルで199ユーロから。円安の影響を受ける日本市場での価格設定は気になるところですが、スペック全体を見渡すと、非常に戦略的なプライシングです。 特に、前モデルの「Redmi Note 14」や上位の「Pro」と比較検討している人にとって、この機種の立ち位置は絶妙です。
「カメラ性能はそこそこでいいから、とにかく電池持ちと基本性能が欲しい」というニーズに対して、これほど的確な答えを出している端末は他にありません。

