「最近、通勤電車の騒音が本当にきつい…」
「飛行機やカフェでも、完全に自分だけの世界に没頭できるイヤホンが欲しい」
「音質もノイキャンも妥協したくないけど、結局どれを選べばいいんだろう?」
そんな悩みを抱えるワイヤレスイヤホン難民の皆さんに、衝撃的なニュースが飛び込んできました。Oppoから、とんでもないスペックを引っ提げた新作「Oppo Enco X3s」が登場したのです。
「最大55dBのアクティブノイズキャンセリング(ANC)」
「11mm + 6mm のデュアルドライバー」
「AIライブ翻訳機能」
正直、このスペック表だけ見ると「直近の購入候補登場か!」と言いたくなる内容です。
しかし、本当にこのイヤホンは「買い」なのでしょうか? 高スペックの裏に隠された「落とし穴」や「制限事項」はないのでしょうか?
この記事では、Oppo Enco X3sの注目すべき機能から、購入前に必ず知っておくべきデメリットまで、プロの視点で徹底的に掘り下げていきます。これを読めば、あなたがEnco X3sを手に入れるべきか、それとも待つべきか、その答えが見つかるはずです。
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まず、Oppo Enco X3sとは? 注目すべき3つのポイント
Oppo Enco X3sは、Oppoが新たに市場に投入する完全ワイヤレスイヤホンです。一見するとよくあるインイヤー型ですが、その中身はかなり「尖って」います。
特に注目すべきは、以下の3点です。
- 業界トップクラス? 驚異の「最大55dB」ANC
- 音質の妥協を許さない「デュアルダイナミックドライバー」
- 未来を感じる「AIライブ翻訳」機能
もちろん、これら以外にも魅力的な機能はありますが、まずはこの「三種の神器」とも言える特徴を詳しく見ていきましょう。

異次元の静寂? 最大55dB ANCの実力と周波数帯域
今回の最大の目玉は、間違いなくこのアクティブノイズキャンセリング(ANC)性能でしょう。
Oppoの発表によれば、Enco X3sは最大55dBのノイズを低減できるとのこと。
「55dB」という数値がどれほどのものかピンとこないかもしれませんが、一般的な高性能ワイヤレスイヤホンが40dB~50dB前後を謳う中で、この数値はまさに業界トップクラス。
もしこの数値が実際の使用環境でも発揮されるのであれば、飛行機の轟音や、混雑したカフェの話し声、電車の走行音などが、まるで別世界のように静かになる可能性があります。
さらに注目すべきは、その動作周波数帯域が5,500Hzに達している点です。多くのANCが苦手とする人の声や高周波ノイズに対しても、高い効果が期待できるかもしれません。これは、静かな環境で集中したいビジネスパーソンや学生にとって、強力な武器となりそうです。

音質は妥協なしか? デュアルドライバーとLHDC 5.0
ノイキャン性能がすごくても、肝心の音が良くなければ意味がありません。その点、Enco X3sは音質面でも一切の妥協を見せていないようです。
各イヤホンには、なんと2基のダイナミックドライバー(11mm径と6mm径)が搭載されています。 通常、1つのドライバーで全ての音域をカバーしようとすると、どうしても得意・不得意が出てしまいます。
しかし、Enco X3sは低音域を担当するであろう11mmの大型ドライバーと、中高音域を担当する6mmのドライバーを分けることで、それぞれの音域をクリアかつパワフルに再生しようという設計です。
このスペックは、いわゆる「ハイレゾ対応」の基準を満たすものであり、豊かな低音から繊細な高音まで、幅広い音源を余すところなく表現できるポテンシャルを秘めています。
さらに、ワイヤレス伝送のコーデックは、一般的なAAC、SBCに加え、LHDC 5.0にも対応。LHDC 5.0は、ハイレゾ音源をワイヤレスでも高音質のまま伝送できる規格です。対応するスマートフォン(Oppo製スマホなど)と組み合わせれば、CDを超える情報量のサウンド体験が期待できます。

実用性もチェック! バッテリー持ちとIP55防水防塵
毎日使うものだからこそ、バッテリーや耐久性も重要です。
- バッテリー駆動時間
- 最大45時間(充電ケース併用、ANCオフ、AAC接続時)
- 約5.5時間(イヤホン単体、ANCオン、LHDC接続、音量50%時)
ケース込みで45時間というのは十分な長さです。 ただし、注意したいのは「最悪のケース」での駆動時間。ANCと高音質コーデック(LHDC)を両方オンにすると、約5.5時間となります。これは、他社のハイエンドモデルと比較すると、やや短めと感じるかもしれません。最近は最低でも6時間!長くて8時間クラスがあるので、5時間半とかバッテリーが弱ってきたらもう使い物にならないレベルになりそうで不安ですね。
- 防水・防塵性能: IP55規格に準拠
これは「防塵性能が5級(完全ではないがある程度の粉塵の侵入を防ぐ)」「防水性能が5級(あらゆる方向からの噴流水に耐える)」ことを意味します。 汗をかくジムでのトレーニングや、突然の雨程度であれば、問題なく使用できる耐久性を持っていると言えます。まぁ、これならあっても無くても変わらないレベルですね。

購入前に知っておきたい「デメリット」と「制限事項」
ここまで良いことずくめのように見えますが、Oppo Enco X3sには購入前に必ず確認すべき「制限事項」と、人によっては「デメリット」と感じる点が存在します。
1. AI翻訳機能は「一部のOppoデバイス」のみ
目玉機能の一つである「AI翻訳機能」。しかし、この機能は一部のOppo製デバイスでのみ利用可能とされています。 つまり、iPhoneユーザーや他社製Androidスマートフォンを使っている場合、この機能目当てで購入しても使えない可能性が非常に高いのです。これは大きな注意点です。
2. 「ヘッドトラッキング」には非対応
最近のハイエンドイヤホンでは、顔の向きに合わせて音の聞こえ方が変わる「ヘッドトラッキング」対応の空間オーディオ機能がトレンドです。 Enco X3sも没入感のある空間的なオーディオ体験は提供するとしていますが、このヘッドトラッキングには対応していません。映画鑑賞などで、よりリアルな臨場感を求める人にとっては物足りない点となるでしょう。
3. 日本での発売日・価格が未定
現時点(記事執筆時点)で、中国以外の市場、つまり日本での正式な発売日や価格は発表されていません。 いくらスペックが魅力的でも、価格が高すぎたり、いつまでも手に入らなかったりしては意味がありません。今後の続報を待つ必要があります。

Oppo Enco X3sは「尖った優等生」。ただし人を選ぶ可能性も
Oppo Enco X3sは、「最大55dBのANC」と「デュアルドライバーによる高音質」という2つの点で、現行のワイヤレスイヤホン市場においてトップクラスの性能を持つ可能性を秘めた、非常に魅力的な製品です。
一方で、AI翻訳機能がOppoデバイス限定であったり、ヘッドトラッキングに非対応であったりと、機能面で「万能」とは言えない側面も持ち合わせています。
まさに「尖った優等生」——。
自分の使い方や所有しているデバイス(特にスマホ)と、このイヤホンの特性がガッチリとハマるのであれば、これ以上ない「最強の相棒」になる可能性を秘めています。
個人的には同時通訳機能がまともに機能するのであれば、購入しようかなと考えています。最近街中でヒンドゥー語で話しかけてくる

