サムスンが、まるで秘密をうっかり漏らしてしまったかのように、次世代エントリータブレット『Galaxy Tab A11』と『Galaxy Tab A11 Plus』の情報を公式サイトに掲載してしまいました。この情報はすぐに削除されたものの、その一瞬の隙に見えた新モデルの姿は、私たちの期待を大きく膨らませるには十分すぎるものでした。
これまでエントリーモデルの座を守ってきたGalaxy Tab A9シリーズから、一体どのような進化を遂げたのでしょうか?そして、この新しい選択肢は私たちのタブレット選びにどのような影響を与えるのでしょうか?
この記事では、今回の一件で明らかになったスペックや特徴を深掘りし、現行モデルとの比較を通じて、今買うべきか、それとも待つべきかを徹底的に考察していきます。
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事件の始まりは公式サイトの「うっかり」から
ことの発端は、海外の著名なリーカー、Roland Quandt氏の発見でした。サムスンのUAE(アラブ首長国連邦)向け公式サイトに、未発表であるはずの「Galaxy Tab A11」の製品ページが一時的に公開されているのを見つけたのです。
サムスンはGalaxy Tab A9シリーズの後継機として、A10をスキップし、一気に「A11」へと進むようです。この公式サイトの”うっかり”掲載は、LTE対応モデルとWi-Fiモデルの両方に及び、製品画像まで含まれていたことから、その信憑性は非常に高いと言えるでしょう。

さらに、この発見の数日前には、ベンチマークサイト「Geekbench」にてA11とA11 Plusらしきデバイスのスコアが確認されており、今回の公式情報(?)の登場は、それらの噂を裏付ける決定的な証拠となりました。意図的か、それとも本当にミスだったのかは定かではありませんが、この一件により、サムスンの次期エントリータブレットの輪郭がはっきりと見えてきたのです。

コンパクトで高性能?「Galaxy Tab A11」の気になるスペック
公式サイトから垣間見えた情報によると、「Galaxy Tab A11」は、日常使いでの快適さを追求したコンパクトなモデルとなりそうです。
- ディスプレイ: 8.7インチ(90Hz対応)
- チップセット: MediaTek Helio G99
- メモリ (RAM): 4GB
- ストレージ: 64GB / 128GB
- バッテリー: 5,100mAh
- サイズ・重量: 厚さ8mm、重量335g
特筆すべきは、エントリーモデルでありながら90Hzのリフレッシュレートに対応したディスプレイを搭載している点です。これにより、ウェブサイトのスクロールやアプリの切り替えといった日常的な操作が、従来モデルよりも格段に滑らかに感じられるはずです。
また、心臓部であるチップセットには「MediaTek Helio G99」を採用。このチップは、普段使いはもちろん、ある程度のグラフィック性能を要求されるゲームでも快適に動作する実力を持っており、エントリークラスのタブレットとしては十分すぎる性能と言えます。
335gという軽量ボディは、片手で持って電子書籍を読んだり、気軽にカバンに入れて持ち運んだりするのに最適。コンパクトながらも、ユーザーの期待を上回るパフォーマンスを秘めた一台となりそうです。

大画面で差別化か?謎多き「Galaxy Tab A11 Plus」
一方、大型モデルと目される「Galaxy Tab A11 Plus」については、公式サイト上での直接的な情報はありませんでした。しかし、Roland Quandt氏は、こちらも信頼できる情報源から画像を入手していると主張しています。
その姿は、現行の「Galaxy Tab A9 Plus」によく似た11インチのディスプレイを搭載しているとのこと。つまり、A11が「携帯性」を重視するモデルであるのに対し、A11 Plusは「エンターテインメント性能」を重視する大画面モデルとして位置づけられる可能性が高いです。
スペック面で最も注目すべきは、Geekbenchのリーク情報が示唆するチップセットの違いです。A11 Plusには、より高性能な「MediaTek Dimensity 7300」または「Dimensity 7300X」が搭載されると見られています。これは、動画視聴やマルチタスクといった、より負荷のかかる作業を快適にこなすための差別化でしょう。
小型のA11と、大画面でパワフルなA11 Plus。サムスンは、ユーザーの用途に合わせて選べる、強力な2つの選択肢を用意しているようです。

Galaxy Tab A9 Plusユーザーは待つべき?新旧モデル比較と選び方のヒント
新しいモデルの登場で気になるのが、「現行モデルと比べてどうなのか?」という点です。特に、人気のGalaxy Tab A9 Plusと、次期モデルA11 Plusは直接のライバルとなりそうです。
- 画面サイズ
A9 PlusもA11 Plusも11インチ。動画やゲームを楽しむには最適なサイズ感は維持されそうです。 - 処理性能
ここが最大の比較ポイントです。A9 Plusが搭載するSnapdragon 695 5Gに対し、A11 Plusに搭載が噂されるDimensity 7300シリーズは、より新しい世代のチップセットであり、処理能力の向上が期待できます。より快適な動作を求めるなら、A11 Plusを待つ価値はあるでしょう。 - 価格
A11シリーズの価格は199.99ユーロ(約3.3万円)からと噂されています。これは現在のA9シリーズの価格帯と近く、もし性能が向上しているのであれば、コストパフォーマンスはさらに高まると言えます。
【選び方のヒント】
- 今すぐ手頃なタブレットが欲しい方
Galaxy Tab A9シリーズは既に市場で評価が固まっており、価格も安定しています。セールなどを狙えば非常にお得に購入できる可能性があります。 - 携帯性を最優先する方
8.7インチの「Galaxy Tab A11」は、現行のA9シリーズにはない魅力的な選択肢です。このサイズ感を求めるなら、発表を待つのが賢明です。 - 少しでも性能にこだわりたい方
「Galaxy Tab A11 Plus」の性能向上に期待するなら、待つ一択でしょう。特にゲームや複数のアプリを同時に使うことが多いユーザーには、その恩恵が感じられるはずです。
まとめ
公式の思わぬミスからその存在が明らかになった、Galaxy Tab A11とGalaxy Tab A11 Plus。今回の情報漏洩は、サムスンがエントリークラスのタブレット市場に、再び本腰を入れて取り組んでいることの表れだと感じました。
コンパクトで日常使いに最適なA11と、大画面でエンタメ性能の向上が期待されるA11 Plus。この2つのモデルは、単なる後継機に留まらず、「手頃な価格で高い満足度を得たい」と考える多くのユーザーにとって、非常に魅力的な選択肢となることは間違いないでしょう。
まだ正式な発表日や国内での発売については不明な点が多いですが、今回の情報を見る限り、新しいGalaxy Tabがエントリータブレットの新たな基準を作る可能性を秘めていると感じずにはいられません。
今後のサムスンからの正式発表に、引き続き注目していきましょう。
