手元のKindleを見ながら、こう思ったことはありませんか?
「この端末で、Kindleストア以外の本も自由に読めたら…」
「ブラウザでもっと快適に調べ物をしたり、好きなニュースアプリを読んだりできたら…」
Amazonの提供する読書体験は素晴らしく、そのエコシステムは非常に快適です。しかし、その強力な”縛り”に、時として窮屈さを感じてしまう瞬間があるのもまた事実。
そんな電子書籍リーダーの世界に、まさに”黒船”とも言うべき一台が静かに姿を現しました。Xiaomiエコシステムの一員である「Moaan」が発表した、ポケットサイズの新型電子書籍リーダー『InkPalm Mini Plus 2』です。
この記事では、この小さな巨人がなぜ既存の電子書籍リーダー、特にKindleの強力なライバルとなり得るのか、その驚くべき自由度と常識外れの性能の秘密に、じっくりと迫っていきます。
Source:IT Home
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これまでの常識を覆す「InkPalm Mini Plus 2」とは

この新しい電子書籍リーダーが、なぜこれほどまでに注目に値するのか。その理由は、既存の製品とは一線を画す、いくつかの際立った特徴にあります。
最大の武器は”自由” Android 14を搭載したことの意味
この端末の心臓部には、なんと最新OSであるAndroid 14が搭載されています。これは、あなたが普段使っているスマートフォンと基本的に同じOSが動いている、ということです。
これが何を意味するのか?
それは、特定のエコシステムからの解放です。Kindle端末が基本的にAmazonのサービスに最適化されているのに対し、『InkPalm Mini Plus 2』は、理論上、様々なAndroidアプリをインストールできます。
- Kindleアプリ
- 楽天Kobo
- BookWalker
- dブック
など、あなたが利用している電子書籍ストアのアプリをこの一台に集約し、サービスを横断して読書を楽しむことが可能になるのです。もはやこれは「電子書籍リーダー」というよりも、「目に優しいE-Inkディスプレイを搭載した、読書特化のAndroidデバイス」と呼ぶべき新しい存在かもしれません。

ポケットに”図書館”を!異次元の512GBストレージ
もう一つの驚くべき特徴が、そのストレージ容量です。一般的な電子書籍リーダーが8GBや32GBであることを考えると、512GBという容量はまさに異次元のスペックと言えるでしょう。
これがもたらすのは、容量を一切気にしないという、究極の読書体験です。
- 小説なら何万冊というレベルの蔵書を保存可能。
- 容量が大きくなりがちな漫画や雑誌のデータも、好きなだけ詰め込める。
- PDF化した資料や論文など、仕事や学習に使うファイルも一元管理。
あなたの書斎を丸ごとポケットに入れて、どこへでも持ち運ぶ。そんな夢のような話が、この小さなデバイスで現実のものとなります。

スマホの快適さと、読書端末ならではの配慮
これだけの自由度と容量を持ちながら、読書への集中を妨げない工夫が凝らされているのも見逃せません。
- 快適なパフォーマンス
プロセッサには、多くの小型コンピューターで実績のある「Rockchip RK3566」を搭載。6GBのRAMと相まって、Android OSの動作やアプリの起動をスムーズにこなします。 - 目に優しいディスプレイ
5.84インチのE-Inkディスプレイは、紙のような読み心地を実現。256段階のグレースケール表示と、暖色から寒色まで32段階で調整できる調光機能で、どんな環境でも最適な明るさで読書に没頭できます。 - 考え抜かれたデザイン
重さはわずか140gとスマートフォン並み。丸みを帯びた形状は自然に手に馴染み、片手でのページ送りを快適にする物理的なサイドキーも備えています。バッテリーは最大2週間持続するため、頻繁な充電の煩わしさもありません。

気になる価格と日本での入手方法
これだけのスペックを備えながら、価格は非常に戦略的です。中国での発売価格は1,399元、日本円にして約3万円前後(約196ドル)と、驚くほどのコストパフォーマンスを誇ります。
現時点(2025年9月)で、Xiaomiからのグローバル展開に関する公式発表はまだありません。しかし、これまでも「GoodEReader」のようなサードパーティのオンラインストアが、こういった魅力的なデバイスを海外向けに販売してきた実績があります。日本のガジェット好きがこの一台を手にできる日も、そう遠くはないかもしれません。
