スマートフォンの薄型化競争はとどまるところを知りません。各メーカーが技術の粋を集め、よりスリムでスタイリッシュなモデルを市場に投入しています。しかし、薄さと引き換えに失われるものがあるのではないか、特に「耐久性」は大丈夫なのか、と不安に思うユーザーも少なくないでしょう。

今回、そんな薄型スマホの常識を覆すかもしれない一台が登場しました。それがサムスンの最新フラッグシップモデル「Galaxy S25 Edge」です。発表されたスペックは、厚さわずか5.8mm、重さ163g。まさに「これまでで最も薄いサムスン製携帯電話」であり、同クラス最軽量を謳うにふさわしい驚異的な数値を叩き出しています。

しかし、この薄さゆえに「すぐに曲がってしまうのでは？」「ちょっとした衝撃で壊れてしまうのでは？」といった声が上がるのも無理はありません。特に、過去には薄型化を追求した他社製品（例えば薄型iPad Pro）が耐久性テストで厳しい結果を迎えた事例もありました。

果たしてGalaxy S25 Edgeは、その美しいスリムボディの中に、日常使用に耐えうるタフネスを秘めているのでしょうか？この記事では、海外の有名YouTuberによる過酷な耐久テストの結果を交えながら、S25 Edgeの真の姿に迫ります。購入を検討している方はもちろん、最新ガジェットの動向が気になる方も必見です！

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Galaxy S25 Edgeの概要 薄さ、軽さ、そして価格

まず、Galaxy S25 Edgeがどのようなスマートフォンなのか、基本的な情報をおさらいしましょう。

• 驚異的な薄さと軽さ
  前述の通り、厚さ5.8mm、重量163g。ポケットに入れても、手に持っても、その存在を忘れてしまうかのようなスリムさを実現しています。デザイン性を重視するユーザーにとっては、非常に魅力的なポイントと言えるでしょう。
• 価格設定の謎
  これだけの薄型化を実現しながらも、実はAmazonなどでの販売価格は、最上位モデルである「Galaxy S25 Ultra」とほぼ同等。これは少々意外な点です。というのも、S25 EdgeはSペン非対応、背面の望遠カメラも一つ少ない構成、さらには反射防止スクリーンも搭載されていません。これらの機能を省略しているにも関わらず、なぜUltra並みの価格なのか？その答えの一端が、後述する「素材」と「耐久性」に隠されているのかもしれません。

多くのユーザーが薄型スマートフォンに抱く「華奢で壊れやすい」というイメージ。S25 Edgeも、そのスリムさゆえに、発表当初は耐久性を疑問視する声も少なくありませんでした。しかし、その予想は良い意味で裏切られることになります。

薄さの代償は？耐久性テストで明らかになったS25 Edgeの実力

スマートフォンの耐久性を検証することで世界的に有名なYouTuber「JerryRigEverything」。彼のチャンネルでは、新型スマートフォンが発表されるたびに、カッターでの引っかきテスト、ライターの火による燃焼テスト、そして最も過酷な「曲げテスト」が行われます。

Galaxy S25 Edgeも、この容赦ないテストの対象となりました。多くの視聴者が固唾を飲んで見守る中、テストは進められます。

1. 引っかきテスト（Scratch Test）
   ディスプレイガラスの硬度を測るテストです。S25 Edgeに採用されているのは、新型の「Gorilla Glass Ceramic 2」。このガラスは、従来のゴリラガラスよりもさらに傷つきにくいとされています。テストの結果、一般的なスマートフォンと同等以上の耐傷性を示し、日常生活でついてしまうような細かな傷には十分な強さを持っていることが確認されました。
2. 燃焼テスト（Burn Test）
   ディスプレイにライターの火を直接当てるという、非常に過酷なテストです。有機ELディスプレイは熱に弱い特性がありますが、S25 Edgeは一定時間炎にさらされても、大きな損傷や変色は見られませんでした。もちろん、推奨される行為ではありませんが、瞬間的な熱に対する耐性の一端が示されたと言えるでしょう。
3. 曲げテスト（Bend Test）
   そして、最大の注目ポイントである曲げテストです。特にS25 Edgeのような薄型デバイスにとって、このテストはまさに「鬼門」。過去には、同様の薄型を追求したAppleのiPad Proが、この曲げテストであっけなく折れ曲がってしまい、「ベンドゲート」として大きな話題となりました。 S25 Edgeは、その薄さから同様の運命を辿るのではないか、という懸念がありました。しかし、JerryRigEverything氏が渾身の力でデバイスを両側から曲げようと試みますが…S25 Edgeは、わずかにしなるものの、折れたり、大きなダメージを受けたりすることはありませんでした。 これは驚くべき結果です。なぜなら、S25 Edgeは、例えば8.8mmの厚みを持つOppo Find X8 Ultraといった、より厚みのあるSnapdragon 8 Elite搭載のスマートフォンと同等の平静さで、この過酷なテストをクリアしたからです。

S25 Edgeの強靭さを支える秘密：チタンフレームとGorilla Glass Ceramic 2

では、なぜGalaxy S25 Edgeは、これほどの薄さにも関わらず、驚異的な耐久性を実現できたのでしょうか？その秘密は、採用されている素材と設計にあります。

• チタン強化フレーム
  S25 Edgeのフレームには、軽量でありながら非常に高い強度を持つ「チタン」が採用されています。このチタンフレームが、外部からの圧力に対する骨格として機能し、デバイス全体の剛性を高めているのです。アップルもiPhoneの上位モデルでチタンを採用していますが、サムスンも薄型モデルのS25 Edgeにこれを投入することで、耐久性の向上を図ったと考えられます。
• Gorilla Glass Ceramic 2ディスプレイガラス
  前述の通り、ディスプレイにはコーニング社の最新強化ガラス「Gorilla Glass Ceramic 2」が採用されています。これは、従来のガラスにセラミック粒子を配合することで、強度と耐傷性を飛躍的に向上させた素材です。落下時の衝撃や、日常的な擦り傷からディスプレイを強力に保護します。
• IP68等級の防塵・防水性能
  これらの堅牢な素材と精密な設計により、S25 EdgeはIP68等級の防塵・防水性能も確保しています。これは、粉塵の侵入を完全に防ぎ、かつ一定の水深に一定時間沈めても内部に水が浸入しないことを示す、現行スマートフォンにおいては最高クラスの保護等級です。

これらの要素が組み合わさることで、S25 Edgeは「薄いけれどもろい」というこれまでの常識を覆し、「薄くても強い」という新たな価値観を提示しているのです。

Galaxy S25 Edgeは「買い」なのか？価格と性能のバランスを考える

JerryRigEverythingによる過酷なテストをクリアし、その驚異的な耐久性が証明されたGalaxy S25 Edge。では、このスマートフォンは本当に「買い」なのでしょうか？

価格はS25 Ultraと同等でありながら、Sペンや望遠カメラの数、反射防止スクリーンといった機能面では譲る部分があります。この点をどう評価するかが、購入を判断する上での大きなポイントとなるでしょう。

S25 Edgeがおすすめな人

• とにかく薄くて軽いスマートフォンを求めている人
  デザインと携帯性を最優先するなら、S25 Edgeは最高の選択肢の一つです。
• 薄型でも耐久性に妥協したくない人
  今回のテスト結果が示すように、S25 Edgeの耐久性は折り紙付きです。薄さと強靭さを両立させたい欲張りなニーズに応えてくれます。
• 最新技術と高級感のある素材に魅力を感じる人
  チタンフレームやGorilla Glass Ceramic 2といった最先端の素材は、所有する喜びを満たしてくれるでしょう。

S25 Edgeの購入を慎重に考えたい人

• Sペンを多用する人
  Sペンは非対応なので、メモやイラスト作成にSペンが必須な方は、S25 Ultraを検討すべきです。
• カメラ性能、特にズーム機能を重視する人
  望遠カメラが少ないため、S25 Ultraと比較するとズーム性能で見劣りする可能性があります。
• コストパフォーマンスを重視する人
  同価格帯でより多機能なS25 Ultraが存在するため、機能差と価格のバランスをよく考える必要があります。

S25 Edgeは、特定のニーズに対して非常に高い満足度を提供してくれる尖ったモデルと言えるかもしれません。その高価な価格設定は、ただ薄いだけでなく、それを支えるための高度な素材技術と設計に対する対価であると理解できます。

まとめ

Galaxy S25 Edgeは、その発表時のスペックだけを見ると「薄くて美しいが、耐久性は大丈夫だろうか？」という一抹の不安を抱かせるモデルでした。しかし、JerryRigEverythingによる過酷な耐久性テストの結果は、その懸念を払拭するに余りあるものでした。

チタンフレームと最新の強化ガラスに支えられたスリムなボディは、見た目の繊細さとは裏腹に、驚くほどのタフネスを秘めています。これにより、ユーザーは薄型化の恩恵を享受しつつも、耐久性に関する過度な心配から解放されるかもしれません。

もちろん、Sペン非搭載やカメラ構成の違いなど、最上位モデルのS25 Ultraと比較して割り切るべき点も存在します。しかし、「薄さ」「軽さ」「そして強さ」という、これまで両立が難しいとされてきた要素を高次元でバランスさせたS25 Edgeは、今後の薄型スマートフォンの新たな基準点となる可能性を秘めていると言えるでしょう。

「薄いスマホは壊れやすい」という先入観を打ち破ったGalaxy S25 Edge。その意外なまでの頑丈さは、多くの人々にとって嬉しい驚きであり、今後のスマートフォン選びにおける新しい選択肢を示してくれたのではないでしょうか。自分の使い方や重視するポイントと照らし合わせ、この魅力的な一台を検討してみる価値は十分にありそうです。