Motorolaが、2025年モデルとなる新世代の折りたたみ式スマートフォン「Razr」シリーズを発表しました。単なるマイナーアップデートではありません。今年は、Razr、Razr Plus、そして新たにRazr Ultraという3つの個性的なモデルをラインナップに加え、折りたたみ式スマートフォン市場におけるリーディングカンパニーとしての地位を確立しようとする、Motorolaの野心的な姿勢が鮮明に表れています。
特に注目すべきは、そのスペックの大幅な進化です。従来の「Plus」モデルでは、やや旧世代のSnapdragon 8シリーズチップセットが採用されてきましたが、今回のRazr PlusとRazr Ultraには、最新にして最強クラスのプロセッサであるSnapdragon 8 Eliteが搭載されるというのです。一方、標準モデルのRazrには、MediaTekの高性能チップセットDimensity 7400Xが採用され、こちらも侮れないパフォーマンスを発揮することが期待されます。
なぜMotorolaは、これほどまでに意欲的な3モデル展開を行うのでしょうか?その背景には、折りたたみ式スマートフォン市場における確固たる地位を築き上げたいという強い意志が見て取れます。

驚くべきことに、Motorolaは現在、特に北米市場において、折りたたみ式携帯電話の圧倒的なシェアを誇っているというのです。これは、競合となるGalaxy Z Flipシリーズの存在を考えると、特筆すべき事実と言えるでしょう。
さらに興味深いのは、Razr購入者の25%以上がiOSデバイスからの乗り換えであるというデータです。これは、iPhoneの進化にややマンネリ感を感じているユーザーが、革新的なフォルムと機能を持つ折りたたみ式スマートフォンに新たな可能性を見出していることを示唆しているのではないでしょうか。
Motorolaは、新型Razrシリーズ、特にRazr Ultraを「世界で最もパワフルな折りたたみ式携帯電話」と豪語しています。その自信の裏付けとなる驚異的なスペック、そしてMotorolaが独自に開発したという革新的なAI機能「Moto AI」の詳細に、本記事では深く迫っていきます。折りたたみ式スマートフォンの未来を切り拓く可能性を秘めたRazr 2025シリーズの全貌を、余すところなくお届けしましょう。
Source: AndroidHeadlines / PhoneArena


Motorola Razr 2025シリーズ
Motorolaが満を持して発表したRazr 2025シリーズは、従来の折りたたみ式スマートフォンの概念を覆すほどの進化を遂げています。Razr、Razr Plus、Razr Ultraという3つのモデルは、それぞれ異なるターゲット層に向けて、独自の魅力と性能を備えています。

Razr Ultra:究極の性能と革新性を追求したフラッグシップモデル
Motorolaが「世界最強の折りたたみ式携帯電話」と謳うRazr Ultraは、その言葉に違わぬ圧倒的なスペックを誇ります。心臓部には、Qualcommの最新ハイエンドチップセットであるSnapdragon 8 Eliteを搭載。これにより、現行の多くのフラッグシップスマートフォンを凌駕するパフォーマンスを発揮することが期待されます。
さらに、標準で16GBもの大容量RAM(LPDDR5X)と512GBの高速ストレージ(UFS 4.0)を搭載。驚くべきことに、Motorola限定で1TBのストレージオプションも用意されており、これはストレージ容量に不安を感じるヘビーユーザーにとっては垂涎のスペックと言えるでしょう。競合となるGalaxy S25 Ultraの標準モデルと比較しても、RAMとストレージ容量の両方で優位に立っていることは、Razr Ultraのポテンシャルの高さを物語っています。
ディスプレイもまた、最先端の技術が惜しみなく投入されています。メインディスプレイには、7インチの1224p Super HD+、165Hzの可変リフレッシュレート(LTPO)に対応した有機ELパネルを採用。驚異的な4,500nitのピーク輝度により、屋外の強い日差しの中でも視認性を確保します。
解像度は2992 x 1224ピクセルで、非常に精細な表示を実現。保護ガラスには、耐久性に優れたCorning Gorilla Glassを採用し、さらにセラミックスカバーが採用されている点も特筆すべきでしょう。
カバーディスプレイも妥協はありません。4インチのLTPO有機ELパネルは、165Hzのリフレッシュレートと3,000nitのピーク輝度を誇り、通知の確認や簡単な操作、さらには本格的なアプリの利用まで、様々な用途に対応します。
カメラ性能もフラッグシップモデルにふさわしい充実ぶりです。50MPの広角メインカメラは、f/1.8の明るいレンズと1.0μmのピクセルサイズ、そして高速なインスタント全ピクセルPDAFと光学手ブレ補正(OIS)を搭載。Pantoneによるカラーとスキントーンの認証も取得しており、忠実で自然な色再現性が期待できます。
50MPの超広角カメラは、f/2.0の明るさと122°の広い視野角、0.6μmのピクセルサイズを持ち、ダイナミックな風景写真やグループショットに最適です。インカメラも50MPの高画素で、美しいセルフィー撮影が可能です。動画撮影は、最大8K/30fps、4K UHD/60fpsに対応し、スローモーション撮影やHDR、手ブレ補正など、多彩な機能を備えています。
耐久性においても、Razr UltraはRazrシリーズ史上最も頑丈なモデルとして設計されています。アルミニウム製のフレームに加え、従来機種の最大4倍の強度を誇るチタン強化ヒンジを採用。これにより、頻繁な開閉による劣化を大幅に軽減し、長期間にわたって安心して使用することができます。
Motorolaは、ヒンジの開発に多くの時間を費やしたとしており、実際にイベント後のハンズオンでは、折り目はほとんど完全に解消されていることが確認されています。その滑らかさは、OPPO Find N5の折り目と同程度と評されており、折りたたみ式スマートフォンの懸念点の一つであった画面中央のシワが大幅に改善されていることは、ユーザーにとって大きなメリットとなるでしょう。
さらに、Razr Ultraは、モバイルデバイスとして初めてCorning Gorilla Glass-Ceramicsを採用したスマートフォンです。この革新的なカバー素材は、高い透明度と強度、耐久性を兼ね備えており、特に粗い表面への落下に対する耐性が大幅に向上しています。これにより、ユーザーはより安心して日常的にRazr Ultraを使用することができるでしょう。
バッテリー容量は4,700mAhで、68Wの有線充電、30Wのワイヤレス充電、そして5Wのリバースワイヤレス充電に対応。大容量バッテリーと高速充電により、バッテリー切れの心配を軽減し、快適なモバイル体験を提供します。

Razr Plus:バランスの取れた性能と使いやすさが魅力のミドルレンジモデル
Razr Plusは、Razr Ultraの持つ高性能を受け継ぎつつ、より多くのユーザーにとって手が届きやすい価格帯を目指したミドルレンジモデルと言えるでしょう。デザインは昨年のモデルとほぼ同様で、3.6インチの大型カバーディスプレイと6.9インチのインナーディスプレイを搭載しており、Razr Ultraよりもわずかにコンパクトなサイズ感となっています。
プロセッサには、Snapdragon 8s Gen 3を採用。これは昨年のRazr Plusと同じチップセットですが、日常的な使用においては十分なパフォーマンスを発揮することが期待されます。RAMは12GB、ストレージは256GB(UFS 4.0)を搭載しており、スムーズな動作と十分なデータ保存容量を確保しています。
ディスプレイは、6.9インチのFHD+有機ELパネルで、165Hzのリフレッシュレートと3,000nitのピーク輝度に対応。アスペクト比は22:9で、映画などの動画コンテンツを迫力のある画面で楽しむことができます。
カバーディスプレイは3.6インチのLTPO有機ELで、165Hzのリフレッシュレートと2,400nitのピーク輝度を持ち、通知の確認や簡単な操作に便利です。保護ガラスには、内側・外側ともにCorning Gorilla Glass Victusを採用し、高い耐久性を実現しています。
カメラは、50MPの広角メインカメラ(f/1.7、0.8μm、インスタント全ピクセルフォーカス、OIS)と、50MPの望遠カメラ(f/2.0、0.64μm、2倍光学ズーム)のデュアル構成。超広角カメラは非搭載ですが、望遠カメラにより、より多様な撮影シーンに対応できます。インカメラは32MPで、高画質なセルフィーが可能です。動画撮影は、最大4K UHD/60fpsに対応し、アダプティブスタビライゼーションやHDR10+録画など、多彩な機能を備えています。
バッテリー容量は4,000mAhで、45Wの有線充電、15Wのワイヤレス充電、5Wのリバースワイヤレス充電に対応。Razr Ultraと比較するとやや控えめですが、日常的な使用には十分な容量と言えるでしょう。
本体の素材には、背面にレザー風またはベルベット風の仕上げが施され、フレームには高強度の6000シリーズアルミニウム、ヒンジにはチタン強化素材が採用されており、質感の高さと耐久性を両立しています。IP48の防水防塵性能も備えており、日常的な使用における安心感を提供します。

Razr:手頃な価格で折りたたみスマホ体験を提供するエントリーモデル
標準モデルのRazrは、より多くのユーザーが手軽に折りたたみ式スマートフォンの体験を享受できるよう、価格を抑えたエントリーレベルのモデルとして位置づけられています。デザインはRazr Plusとほぼ同様で、3.6インチのカバーディスプレイと6.9インチのインナーディスプレイを搭載しています。
プロセッサには、MediaTek Dimensity 7400Xを採用。Snapdragon 8 Eliteを搭載する上位2モデルと比較すると、パフォーマンスはやや劣りますが、日常的なタスクや一般的なアプリの使用には十分な性能を発揮することが期待されます。RAMは8GB(LPDDR4X)、ストレージは256GB(UFS 2.2)を搭載しています。
メインディスプレイは、6.9インチの1224p Super HD+有機ELパネルで、120Hzの可変リフレッシュレート(LTPO)と3,000nitのピーク輝度に対応。カバーディスプレイは3.6インチのLTPO有機ELで、90Hzのリフレッシュレートと1,700nitのピーク輝度を持ちます。保護ガラスには、内側・外側ともにCorning Gorilla Glass-Ceramicsが採用されています。
カメラは、50MPの広角メインカメラ(f/1.7、0.6μm、インスタント全ピクセルPDAF、OIS)と、13MPの超広角カメラ(f/2.2、120°視野角、1.12μm)のデュアル構成。望遠カメラは非搭載です。インカメラは32MPで、セルフィー撮影に対応します。動画撮影は、最大4K UHD/30fpsに対応し、ウルトラHDRや自動ナイトビジョンなど、基本的な機能を備えています。
バッテリー容量は4,500mAhで、30Wの有線充電と15Wのワイヤレス充電に対応。エントリーモデルとしては十分な容量と言えるでしょう。
本体のフレームにはアルミニウムが使用され、背面には様々な素材のオプションが用意されています。IP48の防水防塵性能も備えており、日常的な使用における安心感を提供します。

Motorola Razr Ultraは、世界最強の折りたたみスマホの称号にふさわしいスペック
MotorolaがRazr Ultraを「世界最強の折りたたみ式携帯電話」と主張する背景には、その圧倒的なスペックがあります。Snapdragon 8 Elite、最大16GBのRAM、そして最大1TBのストレージという組み合わせは、現行のフラッグシップスマートフォンの中でもトップクラスの性能を誇ります。
特に、Galaxy S25 Ultraの標準モデルと比較しても、RAMとストレージ容量で優位に立っている点は、パフォーマンスを重視するユーザーにとって大きなアドバンテージとなるでしょう。
また、折り目のほとんどないディスプレイ、Corning Gorilla Glass-Ceramicsによる高い耐久性、そして充実したカメラ機能など、あらゆる面で妥協のない設計は、まさにフラッグシップモデルの名にふさわしいと言えます。
Motorola Razr Plusは、高性能と使いやすさの絶妙なバランス
Razr Plusは、Razr Ultraほどの极致の性能は求めないものの、折りたたみ式スマートフォンの利便性と高性能を両立したいユーザーにとって、魅力的な選択肢となるでしょう。大型のカバーディスプレイは、様々な情報を手軽に確認できるだけでなく、本格的なアプリの操作も可能にし、折りたたみ状態での使いやすさを大幅に向上させています。
プロセッサにはSnapdragon 8s Gen 3を採用しており、日常的な使用においては十分なパフォーマンスを発揮します。RAMとストレージ容量もミドルレンジモデルとしては十分であり、快適な動作とデータ保存領域を提供します。
Motorola Razrは、手頃な価格で折りたたみスマホデビューを飾る
標準モデルのRazrは、折りたたみ式スマートフォンに興味はあるものの、価格面で躊躇していたユーザーにとって、最適な選択肢となるでしょう。MediaTek Dimensity 7400Xは、日常的な使用には十分な性能を備えており、基本的な機能は上位モデルからしっかりと受け継いでいます。
3.6インチのカバーディスプレイと6.9インチのインナーディスプレイは、折りたたみ式スマートフォンの基本的な利便性を提供し、手頃な価格ながらも新しいモバイル体験を楽しむことができます。

Motorola Razr 2025シリーズに搭載される革新的なAI機能「Moto AI」
今回のRazr 2025シリーズの発表で、特に注目すべき点の1つが、Motorolaが独自に開発したAI機能「Moto AI」の搭載です。Motorolaは、単にPerplexityやGoogle Geminiといった既存のAIアシスタントとの連携だけでなく、独自のAIを活用することで、ユーザーのタスクに最適なAIエージェントへと導くという、革新的なアプローチを採用しています。
つまり、ユーザーが特定のタスクを実行する際に、Moto AIがその内容を分析し、Perplexityの方が適していると判断すればPerplexityを、Geminiの方が適していると判断すればGeminiを推奨してくれるのです。これにより、ユーザーは状況に応じて最適なAIアシスタントを迷うことなく利用できるようになります。
さらに、Motorolaは「Catch me up」や「Pay Attention(注意喚起)」といった、実用的で革新的なAI機能も発表しています。「Catch me up」は、会議後などに大量に届いた通知をAIが要約し、メッセージへのインライン返信を可能にする機能です。これにより、忙しいユーザーは効率的に情報を把握し、スムーズなコミュニケーションを実現できます。
「Pay Attention(注意喚起)」機能は、Google Recorderを頻繁に利用するユーザーにとって非常に便利な機能となるでしょう。AIボタンを押して「Pay Attention」をタップするだけで、Razrが音声を録音し始め、会議の内容などを記録しておくことができます。後から議事録を作成したり、発言内容を確認したりする際に役立ちます。

Motorolaは、Perplexityだけでなく、Meta、Microsoft CoPilot、そしてGoogle Geminiとも連携しており、様々なAIエージェントをユーザーが自由に選択できる環境を提供しています。これにより、ユーザーは自身のニーズや好みに合わせて、最適なAIを活用し、スマートフォンの可能性を最大限に引き出すことができます。
Metaとの連携によって実現する「Smart Connect」機能も注目に値します。MetaのQuest 3ヘッドセットを利用しているユーザーは、Smart Connectを通じてスマートフォンの画面をQuest 3にミラーリングし、より没入感のある大画面でスマートフォンのコンテンツを楽しむことができます。
MotorolaのAI戦略は、単一のAIプラットフォームに依存するのではなく、複数のプラットフォームと連携することで、ユーザーに可能な限り最高のエクスペリエンスを提供しようとする姿勢を示しています。これは、AI技術の進化を柔軟に取り入れ、ユーザーにとって真に役立つ機能を提供しようとする、Motorolaの真摯な姿勢の表れと言えるでしょう。
予約開始と発売日
Motorola Razr 2025シリーズ(Razr、Razr Plus、Razr Ultra)は、5月7日より予約受付を開始し、5月15日に発売される予定です。※日本発売は未定
