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Raspberry Piと全く同じフォームファクタを採用しつつ、IoT開発に極振りした新たな開発ボード「ESP32-P4-Pi-Viewer」が登場した。
価格はわずか18ドル。これほど安価でありながら、最新のWiFi 6やPoE(Power over Ethernet)を標準サポートしている。
単なるラズパイのクローンではない。汎用OSを動かす超小型PCではなく、ネットワークに直結するエッジデバイスの開発を劇的に加速させる、全く新しい選択肢の誕生だ。



CPUには2つの独立したチップを搭載している。
メインとなるのは360MHz駆動のRISC-Vコアを2基備えた「ESP32-P4」。そして、WiFi 6とBluetooth通信を担うコプロセッサとして「ESP32-C6FH4」が脇を固める。
このデュアルチップ構成により、高い処理能力と安定した無線通信を両立させている。
有線LANポートも備えており、通信速度こそ最大100Mbpsに留まるものの、IoT機器のデータ転送用途であれば十二分なスペック。LANケーブル1本でデータ通信と電力供給を同時に行えるPoE対応の恩恵は計り知れない。
電源確保が難しい場所へのセンサー設置や、監視カメラの構築など、産業用途のシビアなニーズを的確に突いた設計だ。
インターフェース群の充実度も高い。
40ピンのGPIOヘッダーを備え、Raspberry Pi用の豊富な拡張ボードを機械的に流用可能。MIPI-CSIでのカメラ接続、MIPI-DSIでのディスプレイ接続に対応し、USB 2.0 Type-Aポートまで搭載している。
基板上に2つのマイクを内蔵している点も興味深い。これにより、スマートスピーカーのような音声インタラクションを前提としたデバイス開発も容易に行える。
注意点として、LinuxなどのデスクトップOSを動かす用途は想定されていない。あくまでセンサーデータの収集やネットワーク制御に特化したマイコンボードである。
Raspberry Piが築き上げた巨大なハードウェアの資産に相乗りしつつ、通信機能と省電力性に優れるEspressif系チップの強みを融合させた巧みな戦略。
18ドルという破壊的な価格設定は、個人のホビー用途から企業の本格的な実証実験まで、エッジデバイス開発のハードルを大きく引き下げる起爆剤となる。
Source:Viewe

