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世界的なDDR5メモリの価格下落が始まっている。だが、長らく続く深刻なメモリ不足がこれで完全に解消に向かうと判断するのは早計だ。
TrendForceの最新調査によると、米国や欧州の市場でDRAM価格の下落が顕著になっている。AmazonではCorsairのVengeance 32GB DDR5キットが379.99ドルと、ここ数ヶ月の最安値を記録した。
さらに劇的なのがアジア市場の動き。中国では有名ブランドの16GBモデルが最高値から25~30%も急落し、32GBモジュールに至っては3,000元から1,950元(約283ドル)へと激しい値崩れを起こしている。自作PCユーザーにとっては久々の朗報だ。
#DDR5 price drop: demand weakness or short-term correction? https://t.co/LR3q8Sahxj
— TrendForce (@trendforce) March 31, 2026
しかし、SKハイニックスやサムスンといった半導体大手の顔色は変わらない。株価こそ一時的な下落を見せたものの、主要サプライヤーの契約価格は極めて安定した水準を保ち続けている。
強気の背景にあるのは、終わりの見えないAIブーム。データセンターで稼働する巨大なAIモデルは、桁違いの高帯域幅メモリ(HBM)を貪欲に飲み込み続ける。Nvidiaをはじめとする巨大企業との長期固定契約が、メーカー側に揺るぎない安定をもたらしているのが現状だ。
一方で、市場の潮目を変えうる興味深い兆候も現れ始めた。
世界のメモリ生産の4割を囲い込むと噂されたOpenAIが、ここに来て発注量を絞っているとの報道が飛び込んできた。
さらに市場の耳目を集めるのが、Googleによる最適化技術「TurboQuant」。このアルゴリズムは、AI処理におけるDRAMとHBMの消費量を劇的に削減するポテンシャルを持つ。仮にこの技術が業界標準となれば、現在の異常なまでのメモリ需要は一気に冷え込む公算が大きい。投資家たちがAI銘柄の先行きに慎重な姿勢を見せ始めているのも頷ける。
TrendForceは今回のDDR5価格下落を消費者主導の短期的な調整と冷静に分析する。だが、モデルの複雑化による需要増と、アルゴリズム最適化による需要減の綱引きはすでに始まっている。
Source:TrendForce

