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海外ではPS5とPS5 Proの急激な価格高騰が、世界中のゲームファンに衝撃を与えている。米国や欧州で100ドル規模の値上げが発表され、4月2日の実施を前に駆け込み購入が殺到する異常事態。
しかし、これは単なるソニー独自の動きではない。次世代機「Switch 2」の投入を控える任天堂や、Xboxを展開するマイクロソフトも、遠からずこの値上げの波に飲み込まれる。そう見るのが自然な流れだ。
価格を押し上げている要因は明確。深刻なメモリ・ストレージの供給不足と、イラン紛争に端を発するサプライチェーンの分断。
調査会社アンペア・アナリシスのピアーズ・ハーディング=ロールズ氏も、この世界的な逆風がゲーム機メーカーのわずかなハードウェア利益率を完全に吹き飛ばしていると指摘する。ソニーは事前に大量のDRAMを確保したと報じられているが、それでも大幅な値上げを回避できなかった。事態はそれほど深刻だ。
Sony is raising the price of its PS5 consoles:
— Tom Warren (@tomwarren) March 27, 2026
• PlayStation 5 – $549.99 to $649.99
• PlayStation 5 Digital Edition – $499.99 to $599.99
• PlayStation 5 Pro – $749.99 to $899.99
PS5 Digital has now increased by $200 since its launch price of $399.99 https://t.co/BD8tYiRZ3X
ライバル陣営も決して安泰ではない。
マイクロソフトは2025年のXbox希望小売価格をすでに調整済みだが、それは昨今の異常な部品高騰が顕在化する前の判断。現在の急激なコスト増をいつまでも吸収しきれるとは到底思えない。
そして最大の焦点は、任天堂の動向。
初代からSwitch 2へのスムーズな世代交代を至上命題とする任天堂にとって、本体価格の上昇は最も避けたいシナリオ。初期の普及計画を根底から崩しかねない。古川俊太郎社長は以前、こうした困難に対して強気の姿勢を見せていたが、DRAM供給の停滞や関税リスクが長引けば、当初想定していた価格設定を上方修正せざるを得ないはずだ。
ハードを安く売り、ソフトで回収する。そんな長年続いたコンソールゲームのビジネスモデルが今、崩壊の危機に瀕している。
製造コストの異常な高騰は、もはや各社の企業努力で吸収できる限界を超えた。今後は本体価格の高止まりを前提とした、定額制サービスへの誘導やクラウド化がさらに加速する。我々ユーザーは、ゲームというエンターテインメントへの投資コストが根本的に変わる、歴史的な転換期を目撃している。
Source:Eurogamer

