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ソニーの最新アップスケーリング技術、PSSR 2.0。その正体は、AMDが次世代GPU専用と謳う「FSR 4」の軽量版であることが発覚した。PC市場で旧世代ユーザーを切り捨てるAMDのしたたかな戦略。そしてコンソール機におけるソニーとの密接な関係が、皮肉にも自社のミスから浮き彫りになっている。
発端はAMDの大きな失態だ。AMD OpenGPUプロジェクトのGitHubから、未発表のFSR 4ライブラリとソースコードが流出した。すでにリポジトリは閉鎖されたものの、データはたちまち有志の手に。この流出データには、現行のRDNA 2およびRDNA 3 GPUで動作する「INT8版」のFSR 4が含まれていたのだ。
これまでAMDは、FSR 4(コードネーム:Redstone)を次期Radeon RX 9000シリーズ専用の技術としてアピールしてきた。だが、軽量版とはいえ旧世代アーキテクチャで稼働する事実が判明。PCゲーマーにとっては、ハードウェアの制約ではなく、単なるマーケティング上の理由で新技術へのアクセスが絶たれたことを意味する。
対照的なのがPlayStation 5の対応。バイオハザード レクイエムなどに搭載されたアップグレード版PSSR(通称PSSR 2.0)は、このINT8版FSR 4そのものだ。PlayStationのリードシステムアーキテクト、マーク・サーニー氏も最新のインタビューで両技術の近似性を認めている。
PC版FSRが8ビット浮動小数を採用するのに対し、PSSRは8ビット整数(INT8)を採用。基盤モデルは共通でありながら、コンソールの固定ハードウェアに最適化された学習データを用いることで、同等の品質を引き出している。
RDNA 2ベースのPS5が恩恵を受けられる技術を、PC向けのRX 6000や7000シリーズには提供しない。AMDの姿勢は明確だ。これに反発したモッダーたちは流出データを元に非公式パッチを作成し、すでにRX 6000および7000シリーズへのFSR 4移植を始めている。PCコミュニティの執念には恐れ入るばかりだ。
競合のNVIDIAがDLSSで強力な囲い込みを進める中、AMDはFSRのオープン性を武器にして支持を集めてきた。しかし今回の件で、最新機能をハードウェアの販促ツールとして露骨に利用する姿勢が露呈。オープンなエコシステムを信じてきたユーザーからの信頼低下は免れない。
次世代GPUを売るための機能制限か。それともコンソール市場を優先したリソース配分か。いずれにせよ、旧来のRadeonユーザーは置き去りにされた。沈黙を貫くAMD。PCゲームのグラフィックス技術は、メーカーの都合とコミュニティの反発が激しく交錯する新たなフェーズへと突入している。
っという話なんですけど、専門用語も多く分かりにくいと思うので、解りやすく書き直すと…↓
最近のゲームは、AIの力で映像を綺麗になめらかにする魔法のような技術が使われている。PS5に新しく追加された画質アップ機能もその一つ。
この映像技術の根幹を作っているのは、AMDという大手の半導体メーカー。彼らはパソコンのプレイヤー向けに「次世代の最新パーツを買わないと、この新しい画質アップ機能は使えない」と宣伝していた。
ところが、AMDのミスでシステムの設計図がネット上に流出。そこから驚くべき事実が発覚する。
設計図の中身を見ると、わざわざ最新パーツを買わなくても、数年前の古いパソコンパーツで十分に新技術が動くことがバレてしまったのだ。
さらに皮肉なのは、PS5の中身こそがその「数年前の古いパーツ」をベースにしていること。PS5のプレイヤーは新技術の恩恵を受けられるのに、同じ時期にパソコンのパーツを買ったユーザーは「新しいパーツに買い替えろ」と切り捨てられている状態。
これに怒ったパソコンの改造マニアたちが、流出データを使って自分たちの古いパソコンでも新技術を動かせるよう、勝手にシステムを書き換え始めている。
新製品を売りたいメーカーのしたたかな思惑。そして、それに反発するユーザーの執念。最新ゲームの美しい映像の裏では、そんな大人の事情が渦巻いている。

