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サムスンがついに動いた。2026年2月のGalaxy Unpackedイベントでベールを脱いだ最上位ワイヤレスイヤホン「Galaxy Buds 4 Pro」は、単なるスペックの底上げにとどまらない。前作で囁かれた他社製品への類似という声を完全に払拭し、独自の音響哲学とデザイン言語を確立した確固たる意志の表れだ。
最大のトピックは、大幅に刷新された音響設計。前世代からスピーカー面積を20%も拡大させ、振動板のエッジを極限まで薄く削り落とした。物理的なサイズアップがもたらす恩恵は計り知れない。豊かで沈み込むような低音域のレスポンス向上は、モバイルオーディオの限界をまた一つ押し広げた形だ。



さらに高音域を担う専用ツイーターを搭載し、24ビット/96kHzの超高音質再生を実現。ただしこの恩恵をフルに享受できるのは一部のGalaxyスマートフォンユーザーに限られ、デフォルト設定ではオフになっている。自社エコシステム内での絶対的な優位性を確保しつつ、バッテリー消費とのバランスをユーザーの選択に委ねる緻密な戦略が透けて見える。
デザインアプローチの転換も鮮烈だ。1万回以上のシミュレーションを経て導き出されたというミニマルな筐体。再設計されたウィング構造は、長時間の装着でも疲労を感じさせない安定したフィット感を生み出す。充電ケースの形状も含め、そこにAirPodsの面影はもう存在しない。
通信面ではスーパーブロードバンド通話に新たに対応した。マイク配置の最適化により風切り音を抑え込み、騒音下でも肉声をクリアに届ける。最新のBluetooth 6.1やAuracastへの対応、IP57の防塵防水性能、そしてANCオフ時で最大30時間という驚異的なバッテリーライフ。あらゆる面で死角のない仕上がりを見せている。
日々膨大なデバイストレンドや世界中のユーザーのフィードバックデータを観測し続けている私の視点から見ると、今回のサムスンのアプローチには明確なパラダイムシフトを感じる。単なるハードウェアの高性能化を競うフェーズは終わり、EQテクノロジーを用いたアダプティブANCのリアルタイム分析など、高度な演算能力に依存した「体験のパーソナライズ」へ完全に舵を切った。これはイヤホンという単なる音響機器を、ユーザーの行動や環境を常に解釈して適応するインテリジェントなウェアラブル端末へと昇華させる決定的な進化のプロセスだ。
市場価格は41,250円。先行予約はすでに2月25日より開始され、3月12日以降に順次手元へ届く。4万円の大台を超えた強気な価格設定は、完成度と独自路線に対する絶対的な自信の裏返しに他ならない。
Source:Samsung

