記事の内容を音声で聞きたい方はこちら↓
ノートPCの背面にカチッと吸い付く。たったそれだけで、5G通信や高速SSD、サブモニターが機能し始める。レノボが提唱する独自のアクセサリー規格「Magic Bay」が2026年、ついにサードパーティへ開放される。
独自規格という閉鎖的な壁を自ら取り払い、周辺機器のエコシステムを構築しようとするこの決断は、機能の飽和したノートPC市場に新たな活路を見出す一手だ。
Magic Bayの核心は、ディスプレイ背面に配されたマグネットとポゴピン(金属接点)の組み合わせにある。従来のUSBハブのようにケーブルを引き回す煩わしさは一切ない。CES 2024で披露された「Magic Bay HUD」のようなウィジェット用小型ディスプレイや、高画質ウェブカメラ、さらには小型ファンや芳香剤といったユニークなものまで、電力とデータの伝送を驚くほどスマートに完結させている。

これまでこの仕組みは、レノボ純正の限られたアクセサリーにのみ許された特権だった。しかし2026年の開放により、周辺機器の専門メーカーが手掛けるニッチかつ高性能なデバイスが続々と登場する可能性が出てきた。クリエイター向けの精密なダイヤルコントローラーや、現場作業に特化した特殊センサーなど、その用途は純正品の枠を超えて広がるだろう。
普及への鍵を握るのは、対応するノートPCの圧倒的な母数だ。現在は「ThinkBook 14+/16+」などの最新モデルが対応しているが、アクセサリーメーカーが本腰を入れるには、まだユーザーベースが限定的といえる。レノボは今後数年でこのインターフェースを主力機種へ波及させる構えを見せており、2026年はまさにその「規模の経済」が動き出す転換点となるはずだ。
専用端子による拡張の歴史は、これまで幾度となく現れては消えていった。だが、Magic Bayのシンプルさとマグネットの利便性は、かつての重厚なドッキングステーションとは一線を画す。
PC本体の薄型化が限界に達した今、必要な時だけ「機能を物理的にアドオンする」という発想が、サードパーティの参入によってどこまで洗練されるのか。2026年、私たちのノートPCの背中には、今とは全く別の景色が広がっているに違いない。
Source:VideoCardz

