ついこの間、「自分のスマートフォンにもやっとHyperOS 3が来た!」と胸をなでおろしたばかりのXiaomiユーザーも多いのではないでしょうか。あの滑らかなアニメーションと新しいUIに、未来を感じたはずです。
しかし、Xiaomiの歩みは我々の想像より遥かに早い。そして、時として残酷です。
グローバル市場でHyperOS 3の展開がようやく本格化したというのに、本国・中国ではすでに「HyperOS 3.1」の足音が聞こえてきました。問題は、その新機能ではありません。そのアップデートが「届かない」デバイスが、あまりにも多すぎるという衝撃的な事実です。
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HyperOS 3.1とは? “Apple化”がさらに加速か
Xiaomi関連のリーク情報で知られるXiaomiTimeによると、Xiaomiは中国国内でHyperOS 3.1のベータプログラムの募集をすでに開始しているとのこと。HyperOS 3ですら、まだ全機種に行き渡っていないというのに、です。
では、HyperOS 3.1は何が変わるのか。 伝えられるところによれば、AppleのDynamic Islandにインスパイアされた「Hyper Island」機能に続き、UIの”Apple化”がさらに加速する模様です。
具体的には、「最近使ったアプリ」画面のデザインが刷新されるとのこと。 それだけではありません。内部的な「メモリ管理」も大幅に改良され、アニメーションの滑らかさが向上し、アプリの起動時間も短縮されるといいます。
まさに「かゆいところに手が届く」、誰もが待ち望んでいたはずのアップデート。そう、この情報を知るまでは。

アップデートを分かつ「Android 16の壁」
しかし、この魅力的なアップデートを受けられるのは、”選ばれた”デバイスだけのようです。
リークによれば、その「線引き」は非常に明確かつ、冷酷です。
HyperOS 3.1の対象となるのは、「HyperOS 3がAndroid 16ベースで動作している」デバイスのみ。
逆に、「HyperOS 3がAndroid 15ベースで動作している」デバイスは、残念ながらここでアップデートが打ち切りとなります。
これが何を意味するか。 私たちは「HyperOS 3」という大きな括りでアップデートの到来を喜んでいましたが、その「中身」(OSのベースバージョン)によって、すでに次のステップに進めるかどうかが決まっていたのです。このスピード感とドライな判断、まさにXiaomiです。

あなたのスマホは? 悲劇の「対象外」リスト
では、具体的にどのデバイスが「HyperOS 3.1」のアップデートから見放されてしまうのでしょうか。XiaomiTimeが報じた「対象外」とされるデバイスリストは、正直、目を疑うものです。
【HyperOS 3.1 アップデート対象外と報じられた主なデバイス】
- Poco F5 5G
- Poco F5 Pro
- Poco M6 Pro
- Poco X6 Neo
- Redmi 13C
- Redmi K50 Ultra
- Redmi K60
- Redmi K60 Pro
- Redmi Note 12 Turbo
- Redmi Note 12T Pro
- Redmi Note 13 5G
- Redmi Note 13R Pro
- Xiaomi 12
- Xiaomi 12 Pro
- Xiaomi 12S
- Xiaomi 12S Pro
- Xiaomi 12S Ultra
- Xiaomi 12T
- Xiaomi 12T Pro
- Xiaomi Civi 3
- Xiaomi Mix Fold 2
- Xiaomi Pad 6 Max 14
…。 絶句した方も多いのではないでしょうか。 リストには、Poco F5 Pro や Xiaomi 12T Pro、Redmi K60 Pro、そしてフラッグシップの Xiaomi 12S Ultra まで、つい最近まで「ハイエンド」として市場を牽引していたモデルたちがズラリと並んでいます。
これらのモデルは、決して性能が低いわけではありません。むしろ、今でも十二分すぎるほどのパフォーマンスを持っています。しかし、「Android 15ベース」という、たったそれだけの理由で、次のソフトウェア体験への道が閉ざされてしまう可能性があるのです。

まとめ
HyperOS 3のロールアウトが始まったばかりのこのタイミングで、すでに「3.1」の話と、それに伴う冷徹な「切り捨て」のリストが浮上する。この目まぐるしい「変化」こそが、Xiaomiというメーカーの本質なのかもしれません。
新機能への期待よりも先に、「自分のデバイスは大丈夫か?」という不安がよぎる。Poco F5 ProやXiaomi 12シリーズを手にした時のあの高揚感を思い出すと、この「Android 16の壁」という現実は、あまりにも冷たく、そして少し寂しく感じられます。

