ついに発表された、その驚異的な薄さと軽さで世界中の注目を集める「iPhone Air」。しかし、そのスタイリッシュなボディを長く、そして安心して使い続けるためには、購入価格の先にある「維持費」という現実と向き合う必要があります。
特に、今回明らかになったバッテリー交換費用は、多くのユーザーにとって悩ましい問題となるかもしれません。「Air」という軽やかな名前とは裏腹に、その維持費は決して軽くはないようです。
この記事では、iPhone Airの具体的な修理費用を掘り下げ、月々1,580円からという「AppleCare+」は本当に必要なのか、そのメリットとデメリットを徹底的に分析していきます。
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衝撃の事実!iPhone Airのバッテリー交換費用はProモデルと同額
まず、最も多くのユーザーがお世話になるであろうバッテリー交換の費用から見ていきましょう。Appleが発表した保証対象外の修理価格には、正直言って少し驚かされました。
- iPhone Air: 19,400円
- iPhone 17 Pro / Pro Max: 19,400円
- iPhone 17(標準モデル): 15,800円
なんと、iPhone Airのバッテリー交換費用は、スタンダードなiPhone 17よりも高く、最上位モデルであるiPhone 17 Pro/Pro Maxと同額に設定されているのです。
「Air」という名称から標準モデルに近い位置づけかと思いきや、ことバッテリーに関してはProモデル扱い。この価格設定は、iPhone Airの内部構造が、薄型化を実現するために特殊な設計になっていることの表れなのかもしれません。いずれにせよ、数年後にバッテリーが消耗した際の出費は、あらかじめ覚悟しておく必要がありそうです。

カメラ修理は標準モデル並み – 修理箇所で変わる費用感
一方で、すべての修理費用がProモデル並みというわけではありません。例えば、背面カメラの修理費用は以下のようになっています。
- iPhone Air / iPhone 17: 25,600円
- iPhone 17 Proモデル: 40,800円
こちらに関しては、iPhone 17の標準モデルと同額です。このことから、iPhone Airは「基本的な構造は標準モデルに準じつつ、バッテリーなど一部のパーツはProモデル級の特殊なものが使われている」という、非常にユニークな立ち位置のデバイスであることが推測できます。
修理する箇所によって費用感が大きく変わるため、万が一の際に「思ったより高かった」とならないよう、注意が必要です。

月額1,580円の「お守り」- AppleCare+は本当に”お得”なのか?
高額な修理費用を前にして、がぜん魅力的に見えてくるのがAppleの延長保証サービス「AppleCare+」です。iPhone Airの場合、料金は以下の通りです。
- AppleCare+: 月額1,580円(年額31,800円)
- AppleCare+ 盗難・紛失プラン: 月額1,740円(年額34,800円)
このプランに加入していれば、バッテリーの蓄電容量が80%未満に低下した場合、無料でバッテリーを交換してもらえます。
単純計算で見てみましょう。2年間AppleCare+(通常プラン)に加入した場合の総額は31,800円。保証対象外でバッテリーを1回交換すると19,400円。これだけ見ると、バッテリー交換だけが目的なら元は取れない計算です。
しかし、AppleCare+の真価は「もしも」の時に発揮されます。画面のひび割れや水没など、予期せぬ事故による高額な修理費用を、ごくわずかな自己負担で済ませることができるのです。これは単なる損得勘定を超えた、「心の平穏を得るためのコスト」と考えるべきなのかもしれません。

否定派だった筆者が考える「AppleCare+に入るべき人」とは?
正直に告白すると、私自身はこれまでAppleCare+否定派でした。「大切に使えば壊れない」と。
しかし、最近その考えを改め、一台だけ加入しているデバイスがあります。それはiPad miniです。次世代機が発売されるまでの間、バッテリーの持ちに不安があったこと、そして外に持ち出す機会が増えると思ったことが理由でした。それにiPad miniはAppleCare+の価格も安いですからね。
この経験を踏まえ、iPhone AirでAppleCare+への加入を真剣に検討すべき人は、次のような方々だと感じます。
- iPhone Airの耐久性に一抹の不安を感じる人
その驚異的な薄さは、裏を返せば耐久性への不安にも繋がります。万が一の落下や圧迫が心配な方は、加入を検討する価値があります。 - 同じデバイスを2年以上、長く使い続けたい人
長く使えば使うほど、バッテリーの劣化や不慮の事故に見舞われるリスクは高まります。2年後のバッテリー交換が無料になるメリットは大きいでしょう。 - 過去にスマートフォンを壊した経験がある人
「自分は大丈夫」と思っていても、事故は突然起こります。過去の失敗を繰り返さないための「お守り」として、これほど頼りになるものはありません。

購入前に知っておきたい「維持費」という視点
iPhone Airの登場は、スマートフォンの新たな可能性を感じさせてくれる、非常にエキサイティングな出来事です。しかし、その輝きと長く付き合っていくためには、本体価格だけでなく、その後の維持コストまで含めた総合的な判断が不可欠です。
特に、Proモデルと同額に設定されたバッテリー交換費用は、AppleCare+への加入を真剣に検討する十分な理由となるでしょう。
月々の支払いは決して安いものではありませんが、数万円の突然の出費や、日々の「壊したらどうしよう」という不安から解放される「安心料」と考えれば、その価値は十分にあるのかもしれません。
