スマートフォンの性能を測る上で、避けては通れないのがSoC(システムオンチップ)の進化です。Qualcommから、その常識を根底から覆すような次期フラッグシップチップの情報がリークされ、業界が騒然としています。
驚くべきはその性能。ベンチマークアプリ「AnTuTu」で、前例のない400万点越えを達成したと報じられています。しかしその一方で、正式名称が「Snapdragon 8 Elite 2」になるのか、それとも全く別の「Snapdragon 8 Gen 5」になるのか、情報が錯綜している状況です。
この記事では、現在判明している次期Snapdragonの驚異的な性能と、なぜこれほどまでに名称が混乱しているのか、その背景を分かりやすく紐解いていきます。


なぜ?「Snapdragon 8 Gen 5」という予期せぬ名称の浮上
まず、多くのユーザーが頭を悩ませているであろう「名称問題」から整理しましょう。
これまで、次期チップは現行の「Snapdragon 8 Elite」の後継として、順当に「Snapdragon 8 Elite 2」と名付けられると見られていました。しかし、信頼性の高いリーカーであるDigital Chat Stationが、最高性能を持つフラッグシップモデル(コードネーム:SM8850)の名称が「Snapdragon 8 Gen 5」になる可能性を指摘したことで、状況は一変します。
「Gen 5」という名称は、もともと性能を少し抑えた「サブフラッグシップ」向けと噂されていたため、この報道は大きな驚きをもって迎えられました。Qualcommは近年、ミッドレンジ帯の製品ラインナップで命名規則を複雑化させてきましたが、その流れが最上位モデルにも及ぶことになりそうです。
この混乱が解消されるのは、正式発表の場を待つしかなさそうです。

AnTuTu 400万点超えを支える、異次元のスペック
名称は未確定ですが、その性能はもはや疑いようがありません。リークされた情報によれば、次期チップはAnTuTuベンチマークで驚異の400万点以上を記録すると言われています。
現在のハイエンドチップのスコアが250万〜300万点程度であることを考えると、これはまさに「世代交代」を告げる圧倒的なスコアです。この飛躍的な性能向上を支えているのが、刷新されたCPUコア構成と最新GPUです。
- CPU構成: 4.61GHzで動作する「Primeコア」を2基、3.63GHzの高性能コアを6基搭載。
- GPU: 強力な「Adreno 840」を搭載し、AI処理能力やモバイルゲームのグラフィックスを新たな次元へと引き上げます。
このスペックは、あらゆる操作を過去にするほどの快適性をもたらすだけでなく、より高度なAI機能や、これまでスマートフォンでは不可能とされたリッチなゲーム体験を実現する可能性を秘めています。

Galaxy S26シリーズはさらに強力な「特別版」を搭載か
興味深いことに、QualcommとSamsungの蜜月関係は今後も続くようです。
次期フラッグシップモデル「Galaxy S26」シリーズには、通常版よりもさらに強力な「for Galaxy」と呼ばれる特別バージョンが独占的に供給されると噂されています。この特別版では、Primeコアのクロック周波数が4.74GHzにまで引き上げられ、発売当初はパフォーマンスにおいて他の追随を許さない存在となるでしょう。
この独占供給は期間限定と見られていますが、最高の性能をいち早く体験したいユーザーにとって、Galaxy S26は非常に魅力的な選択肢となりそうです。

答えは9月23日のSnapdragon Summitで
現時点での情報をまとめると、Qualcommの次期フラッグシップチップは、「名称は不明瞭だが、性能は史上最強」であることは間違いありません。AnTuTu 400万点超えというスコアは、2026年のスマートフォン体験を大きく変えるほどのインパクトを持っています。
一体、このモンスターチップはどのような名前で私たちの前に姿を現すのでしょうか。そして、その真の実力はどれほどのものなのか。
すべての答えが明らかになるのは、9月23日に開催予定の「Snapdragon Summit 2025」です。
