世界中のテックファンが待ち望んだGoogleの最新フラッグシップ、「Pixel 10」シリーズ。その心臓部である新SoC「Tensor G5」は、AI時代のスマートフォン体験をどう変えるのか、大きな期待が寄せられていました。
しかし、発売直後にユーザーの手によって明らかにされたその性能は、私たちの予想を遥かに超える、衝撃的なものでした。
「Pixel 10の実際のパフォーマンスは?」
「ライバルのiPhoneと比べてどれくらい速いの?」
「ゲームは快適にプレイできる?」
この記事では、明らかになったTensor G5のベンチマークスコアを基に、その驚くべき性能特性を徹底的に分析します。特に、多くの人が気になるであろうiPhoneとの性能比較に焦点を当て、「CPUは最新モデルを凌駕するが、GPUは数世代前に劣る」という驚愕の事実を深掘りします。
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Pixel 10 Pro XLから聞こえてきた「期待」と「失望」の声
発売後まもなく、海外の有名掲示板Redditに、あるユーザーが投稿した「Pixel 10 Pro XL」のAnTuTuベンチマークスコアが大きな波紋を呼びました。公式なレビューではない、ユーザーによる「生」のデータだからこそ、その数値はリアルな性能を示していると言えます。
記録された総合スコアは「1,173,221」
このスコアは、Androidスマートフォン市場全体で見ると、決して低いものではありません。「Snapdragon 8s Gen 3」などを搭載した、いわゆる「準フラッグシップ」モデルと同等の性能です。
しかし、Googleが誇る最新フラッグシップとしては、少し物足りなさを感じるスコアであることも事実。そして、この総合スコアの内訳を詳しく見ていくと、Tensor G5が抱える極端なアンバランスさが浮かび上がってきます。

驚異のCPU性能は最新iPhoneをも凌駕する頭脳
まず、スマートフォンの基本的な処理能力、いわば「頭の回転の速さ」を示すCPU性能から見ていきましょう。
Pixel 10 Pro XLのCPUスコアは「415,848」
この数値は、前世代のPixel 9 Pro XLから約15%向上しており、順当な進化と言えます。驚くべきは、このスコアがAndroidの現行最強クラスのSoC「Snapdragon 8 Gen 3」や「Dimensity 9300+」に匹敵するレベルであることです。
そして、最大のライバルであるiPhoneと比較すると、さらに衝撃的な事実が判明します。最新のiPhone 15 Proに搭載されている「A17 Pro」チップのCPUスコアが約38万点であることを考えると、Tensor G5のCPUは、なんと最新のiPhoneをも上回る処理性能を秘めているのです。
これは、アプリの起動、ウェブサイトの閲覧、OSの操作全般といった日常的なタスクが、極めて高速かつ快適に行えることを意味します。Googleは、AI機能の裏で動く複雑な処理をスムーズに行うため、CPU性能を徹底的に強化してきたのかもしれません。

深刻なGPU性能の低下!なぜゲーム性能は”退化”したのか?
CPU性能に胸を躍らせたのも束の間、次に明らかになったGPU性能は、私たちを失望の淵に突き落とします。GPUは、3Dゲームや動画編集など、グラフィック処理の「パワー」を担う部分です。
Pixel 10 Pro XLのGPUスコアは「367,206」
このスコアは、いくつかの深刻な問題をはらんでいます。
- 前モデルからの性能低下
なんと、前モデルのPixel 9 Pro XLが記録した約44万点というスコアから、約20%も性能が低下しています。新モデルで性能が下がるというのは、極めて異例の事態です。 - Android市場での低い位置づけ
このスコアは、4年前のフラッグシップSoCである「Snapdragon 8 Gen 1」と同等レベルです。最新のゲームを高画質・高フレームレートで楽しむには、明らかに力不足と言わざるを得ません。
では、iPhoneと比較するとどうでしょうか。このGPUスコアは、3世代前のiPhone 12 Proに搭載された「A14 Bionic」チップ(GPUスコア約40万点)にすら及ばない可能性が高いのです。最新のiPhone 15 Pro(同約59万点)とは、もはや比較の土俵にすら立てていません。
この結果は、グラフィックを多用する最新の3Dゲームを快適にプレイしたいと考えているユーザーにとって、致命的な弱点となる可能性があります。ソフトウェアの最適化不足という可能性もゼロではありませんが、現時点では厳しい状況です。
結論!Tensor G5は、どのiPhoneと同レベルの性能なのか?
CPUとGPUの極端な性能差を踏まえ、Tensor G5の総合的な立ち位置を考察してみましょう。
- CPU性能: iPhone 15 Pro (A17 Pro) を上回る、まさに最先端のレベル。
- GPU性能: iPhone 12 (A14 Bionic) にも劣る、数世代前のレベル。
- 総合性能: 両者を合わせたAnTuTu総合スコア(約117万点)は、iPhone 12 Pro(約110万~120万点)とほぼ同等。
つまり、Pixel 10 Pro XLは「頭脳は最新のiPhone以上だが、グラフィックパワーは3〜4年前のiPhoneレベル」という、非常にピーキーな性能特性を持つスマートフォンだと言えます。WebブラウジングやSNSはサクサクでも、いざ重いゲームを始めると動きがカクついてしまう、といった現象が起こるかもしれません。

【まとめ】
今回明らかになったTensor G5のベンチマーク結果は、多くの示唆に富んでいます。Googleは、QualcommやAppleのように、純粋なピークパフォーマンス(特にGPU性能)を追い求める戦略を捨てたのかもしれません。その代わりに、独自の高度なAI機能やカメラの画像処理を快適に実行するための「CPU性能」と「AI処理性能」にリソースを極端に集中させた、と考えるのが自然でしょう。
しかし、その代償として失われたGPU性能は、あまりにも大きいと言わざるを得ません。スマートフォンでゲームをプレイすることが当たり前になった現代において、この選択がユーザーに受け入れられるかは未知数です。
Pixel 10シリーズは、間違いなく「ユーザーを選ぶ」スマートフォンです。最高のカメラ性能とAIアシスタント機能を求めるユーザーにとっては、その優れたCPU性能がこの上ない体験を提供してくれるでしょう。一方で、最高のゲーム体験を求めるユーザーにとっては、期待外れの結果に終わる可能性が高いです。
まぁ、とはいえですよ…普通に使っている分には全く困らないし、むしろ快適に使えるスマホですからね。色々と悩むのが嫌な方は、Pixel 10aの発売を待ちましょう!きっと良いコスパ最強のスマホになるはずです…。
