Nothing傘下のブランドCMF by Nothingから、待望の新型スマートフォン「CMF Phone 2 Pro」が登場しました。初代のモジュールコンセプトを引き継ぎつつ、デザインに手が加えられ、魅力的な価格設定とNothing OSの体験を提供します。一方、本家Nothingからも「Nothing Phone (3a)」がリリース。こちらはカメラ性能の強化とハードウェアのアップデートが施され、ミドルレンジ市場での存在感を増しています。
どちらも魅力的なミドルレンジモデルですが、Nothing Phone (3a)の方が約100ドル高価(CMF Phone 2 Proの日本価格は不明)です。デザイン、性能、カメラ、バッテリーなど、様々な角度から両機種を比較してみましょう。
Source:PhoneArena


■ デザインとコンセプト:モジュール性か、透明性とGlyphか

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まずデザインコンセプトが大きく異なります。
CMF Phone 2 Pro は、初代CMF Phone 1の「モジュール式」コンセプトを継承しています。ただし、背面パネルの交換式ではなく、マグネット式のプレートを取り付ける方式に変更されました。これにより、キックスタンドやカードホルダーといったアクセサリーを装着できます。さらにユニークな点として、カメラ部分に外付けレンズ(超広角や望遠)を取り付けられるようになりました。これはNothingが公式に提供するアクセサリーです。素材は全体的にプラスチック製で、カラーは鮮やかなオレンジ、ブラック、ホワイトの3色展開です。
Nothing Phone (3a) は、Nothingブランドの特徴である透明な背面デザインを採用。内部の(フェイクですがデザイン性の高い)部品が見えるスタイルです。最大の特徴は、通知やタイマーとして機能する光る「Glyphインターフェース」。3本のLEDストリップが搭載されています。背面はガラス製、フレームは金属製で、CMF Phone 2 Proよりも高級感があります。カラーはブラック、ホワイト、クールなブルーの3色が用意されています。
サイズ感は両者ほぼ同じですが、CMF Phone 2 Proの方がわずかに薄く(7.8mm vs 8.35mm)、軽量(185g vs 201g)です。どちらも音量ボタン、電源ボタンに加え、Nothing独自のAI機能「Essential Space」を呼び出すための「Essential Key」を含む合計4つの物理ボタンを備えています。

■ ディスプレイ:ほぼ同等、保護ガラスに違いあり?
スペック上、両機種は非常に似たディスプレイを搭載しているように見えます。
- 共通スペック: 6.8インチ OLED、リフレッシュレート120Hz、解像度1080p、ピーク輝度3,000nits
実際の測定結果を見ても、輝度や色精度に若干の差はあるものの、OLEDパネルの個体差の範囲内と言え、ほぼ同じパネルが使われている可能性が高いです。
ただし、Nothing Phone (3a)は傷に強い「Panda Glass」でパネルを保護しているのに対し、CMF Phone 2 Proの保護ガラスの種類は明記されていません。日常的な使用での安心感には差があるかもしれません。

■ パフォーマンス:Snapdragonがやや優勢、日常使いはどちらも快適
心臓部となるチップセットには違いがあります。
- CMF Phone 2 Pro: MediaTek Dimensity 7300 Pro (4nm)
- Nothing Phone (3a): Qualcomm Snapdragon 7 Gen 3 (4nm)
ベンチマークテストの結果では、CPU、GPUともにSnapdragon 7 Gen 3を搭載するNothing Phone (3a)の方が、Dimensity 7300 ProのCMF Phone 2 Proよりも一貫して約10%高いスコアを記録しました。
とはいえ、どちらもミドルレンジ向けのチップセットです。ハイエンドなゲームを高設定でプレイするには力不足ですが、ウェブブラウジング、SNS、動画視聴といった日常的なタスクであれば、どちらの機種も概ねスムーズに動作します。フラッグシップ機に慣れていると、アプリの起動や切り替え、カメラの処理などでわずかな待機時間を 感じる場面はあるかもしれませんが、価格を考えれば十分なパフォーマンスと言えるでしょう。
■ ソフトウェアとAI機能:共通のNothing OSとEssential Space
ソフトウェア体験は両機種共通です。クリーンなインターフェースが特徴の「Nothing OS」を搭載し、どちらも「Essential Space」機能を利用できます。
これは専用の「Essential Key」を押すことで起動し、スクリーンショットと音声メモを同時に記録したり、カメラでEssential Keyを使って撮影したりすると、AIが自動でタグ付けや関連情報の抽出を行ってくれる機能です。メモや情報の整理に役立ちます。
アップデート保証も両機種共通で、Android OSアップデートが3年間、セキュリティパッチが6年間提供される予定です。これはミドルレンジの価格帯としては非常に手厚いサポートと言えます。

■ カメラ:構成は似ているが、画質とフロントカメラに差
カメラ構成は驚くほど似ています。
- 共通
50MPメインカメラ + 8MP超広角カメラ + 50MP望遠カメラ(2倍ズーム) - 違い
- CMF Phone 2 Pro: 16MP フロントカメラ
- Nothing Phone (3a): 32MP フロントカメラ
メインカメラと超広角カメラは同等に見えますが、望遠カメラのセンサーサイズはCMF Phone 2 Proの方がわずかに小さいようです。また、フロントカメラの画素数には明確な差があります。
色々なレビュアーさん達の情報によると、Nothing Phone (3a)の方が、より自然で優れた画質の写真を撮影できると評価されています。チップセットの画像処理能力の違いも影響している可能性があります。
CMF Phone 2 Proには外付けレンズというユニークな機能がありますが、ベースとなるカメラ性能ではNothing Phone (3a)に軍配が上がるようです。とはいえ、そこまで変わるわけでもなく、写真に関しては機種事の色合い調整による、好みの違いがあるのかもしれません。
■ バッテリーと充電:容量は同じ、充電速度に違い
バッテリー容量はどちらも5,000mAhと大容量です。
バッテリー持続時間のテスト結果では、ウェブブラウジングではNothing Phone (3a)が、動画再生ではCMF Phone 2 Proがわずかに良い結果を示すなど、利用シーンによって若干の差はありますが、全体的にはほぼ同等のバッテリー持ちと考えて良いでしょう。
大きな違いは充電速度です。
- CMF Phone 2 Pro: 33W 有線充電
- Nothing Phone (3a): 50W 有線充電
Nothing Phone (3a)の方が deutlich 速く充電できます。どちらもワイヤレス充電には対応していません。

Image:phonearena
■ スペック比較表
スペック項目 | CMF Phone 2 Pro | Nothing Phone (3a) |
---|---|---|
サイズ (高さx幅x厚さ) | 164 x 78 x 7.8 mm | 163.52 x 77.5 x 8.35 mm |
重量 | 185 g | 201 g |
ディスプレイ | 6.8インチ OLED, 120Hz, 3000nits peak | 6.8インチ OLED, 120Hz, 3000nits peak |
プロセッサ | MediaTek Dimensity 7300 Pro (4nm) | Qualcomm Snapdragon 7 Gen 3 (4nm) |
RAM/ストレージ | 8GB/128GB, 8GB/256GB (microSD対応) | 8GB/128GB, 12GB/256GB (microSD非対応) |
リアカメラ | 50MPメイン + 8MP超広角 + 50MP望遠(2x) | 50MPメイン + 8MP超広角 + 50MP望遠(2x) |
フロントカメラ | 16MP | 32MP |
バッテリー容量 | 5,000mAh | 5,000mAh |
充電 | 33W 有線充電 | 50W 有線充電 |
その他機能 | モジュール用マグネット, レンズマウント | Glyphインターフェース, Panda Glass |
OSアップデート保証 | 3年間 | 3年間 |
セキュリティ保証 | 6年間 | 6年間 |
価格帯 | 45,000円以上(予想価格) | 54,800円(日本Amazon価格) |
■ 価格:CMF Phone 2 Proのコストパフォーマンスが光る
価格は重要な選択要素です。CMF Phone 2 Proは約$279と、非常にアグレッシブな価格設定です。一方、Nothing Phone (3a)は約$379と、100ドル(約1万5千円程度 ※為替レートによる)高価になります。(海外価格での話になりますが、日本では前作同様にCMF Phone 2 Proが45,000円以上になると予想できるので、差額は1万円程度になるのでは?と予想されています。

まとめ
CMF Phone 2 ProとNothing Phone (3a)は、同じNothingのエコシステムに属しながらも、異なる魅力を持つミドルレンジスマートフォンです。
CMF Phone 2 Proは、圧倒的なコストパフォーマンスが最大の魅力です。約279ドルという価格で、120Hzの大型OLEDディスプレイ、十分なパフォーマンス、トリプルカメラ、大容量バッテリー、そしてユニークなモジュール(マグネット式アクセサリーやレンズマウント)の可能性を提供します。予算を最優先しつつ、個性的で実用的な機能を求めるユーザーには最適な選択肢でしょう。microSDカードが使える点もメリットです。
一方、Nothing Phone (3a)は、約100ドル高価な分、全体的により洗練された体験を提供します。パフォーマンスはCMF Phone 2 Proより優れており、カメラの画質(特にフロントカメラ)も良好です。Glyphインターフェースによるユニークな通知体験や、ガラスと金属フレームによる高級感のあるデザインも魅力です。より高いパフォーマンス、優れたカメラ、プレミアムな質感、そしてNothing独自のGlyph体験を重視するユーザーには、価格差分の価値があると言えます。
最終的にどちらを選ぶべきかは、あなたの予算と何を最も重視するかによります。
- 予算重視で、モジュールや外付けレンズに魅力を感じるなら → CMF Phone 2 Pro
- パフォーマンス、カメラ品質、デザインの質感を重視し、予算に余裕があるなら → Nothing Phone (3a)
どちらを選んだとしても、Nothing OSのクリーンな体験と長期的なソフトウェアサポートは共通のメリットです。この記事が、あなたのスマートフォン選びの助けになれば幸いです。
個人的には、本体のデザインや質感などを考慮して、Nothing Phone (3a)が良いのかなと思っていますが、CMF Phone 2 Proは日本での発売が確定してからの価格次第…ですかね。
仮に、もしですけど!40,000円を切るとんでも価格であったなら、迷わずCMF Phone 2 Proに飛びつきますね。結局は安くて遊べる泥スマホを、グリグリ回す買い替え生活が、飽きっぽい自分にはあっているのかもしれません。
