PlayStation 5(PS5)の購入を検討しているゲーマーにとって、衝撃的なニュースが飛び込んできました。ソニー・インタラクティブエンタテインメントは、ヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドにおいて、PS5本体の価格を大幅に値上げすることを発表しました。
この価格改定の背景には、トランプ大統領による貿易関税の引き上げと、それに伴う円安、そして部品価格の高騰といった複合的な要因が絡み合っています。本稿では、今回の価格値上げの詳細、その背景にある経済状況、そして今後のゲーム業界に与える影響について、詳しく解説していきます。


1. ソニー、PS5の欧州・豪州・NZで値上げを発表
これまで、高性能でありながらも比較的リーズナブルな価格で提供されてきたPlayStation 5ですが、ここにきてソニーは、一部地域においてその価格戦略を大きく転換せざるを得ない状況に直面しています。2025年4月14日、ソニーはヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドにおけるPS5本体(通常版およびデジタルエディション)の価格引き上げを発表しました。
今回の価格改定は、昨今の世界経済の変動、特にトランプ政権による貿易関税の引き上げが、日本のゲーム機メーカーに深刻な影響を与えていることを如実に示すものです。円安の進行や、ゲーム機製造に必要な部品価格の高騰も、ソニーの経営を圧迫しており、その影響が製品価格に転嫁される形となりました。

2. 地域ごとの変動幅とディスクドライブ版の動向
今回発表されたPS5の価格値上げは、地域によってその幅が異なります。以下に、各地域における価格変更の詳細を示します。
- ヨーロッパ:
- PS5デジタルエディション:499.99ユーロに値上げ
- イギリス:
- PS5デジタルエディション:429.99ポンドに値上げ
- オーストラリア:
- PS5(Ultra HD Blu-rayディスクドライブ搭載):829.95オーストラリアドルに値上げ
- PS5デジタルエディション:749.95オーストラリアドルに値上げ
- ニュージーランド:
- PS5(Ultra HD Blu-rayディスクドライブ搭載):NZD 949.95に値上げ
- PS5デジタルエディション:NZD 859.95ドルに値上げ
特に注目すべきは、イギリスにおけるPS5デジタルエディションの値上げ幅です。現在の価格が339.99ポンドであるのに対し、計画されている429.99ポンドへの値上げは、実に26.5%という大幅な増加となります。これは、英国のゲーマーにとって大きな負担となるでしょう。
一方、Ultra HD Blu-rayディスクドライブを搭載した通常版のPS5も、オーストラリアとニュージーランドで価格が引き上げられています。これは、物理メディア版を好むユーザーにとっても、厳しい状況と言えます。

3. 値上げの背景はトランプ関税、円安、部品価格高騰の三重苦
今回のPS5価格値上げの背景には、複数の経済要因が複雑に絡み合っています。最も大きな要因の一つが、トランプ大統領による貿易関税の引き上げです。ここ数週間で、ほぼ全ての貿易相手国に対する関税が引き上げられており、特に中国に対する関税引き上げ率は最大145%に達しています。
ゲーム機やその部品の多くは、グローバルなサプライチェーンを通じて製造・輸送されています。日本からの輸入部品やゲーム機の輸出価格は、この関税引き上げによって直接的な影響を受け、コスト増につながっています。
さらに、円安の進行も、日本のメーカーにとって逆風となっています。海外で販売する製品の現地通貨建ての価格を維持しようとすると、円換算での収益が目減りするため、価格に転嫁せざるを得ない状況が生じます。
加えて、世界的な半導体不足やその他の部品価格の高騰も、ゲーム機製造のコストを押し上げています。これらの要因が複合的に作用し、ソニーはPS5の価格を見直さざるを得なくなったと考えられます。

4. 一方でディスクドライブの価格を値下げ
興味深いことに、PS5本体の価格が値上げされる一方で、PS5用ディスクドライブの価格は、同じく2025年4月14日に以下の通り値下げされます。
- ヨーロッパ: 79.99ユーロに値下げ
- イギリス: 69.99ポンドに値下げ
- オーストラリア: AUD $124.95に引き下げ
- ニュージーランド: NZD $139.95 に引き下げ
特にイギリスでは、現在の価格が99.99ポンドであるのに対し、69.99ポンドへの値下げは30.0%という大幅な引き下げとなります。
このディスクドライブの価格値下げは、ソニーが物理メディアからデジタル配信への移行をさらに推し進めようとしている意図があるのかもしれません。本体価格の値上げによってデジタルエディションの相対的な魅力が増し、ディスクドライブの値下げによって、後からデジタルエディションにディスク再生機能を追加したいユーザーのハードルを下げる狙いがあると考えられます。
近年、ゲームの購入形態は、パッケージ版からダウンロード版へと大きくシフトしており、物理メディアの利用と需要は減少傾向にあります。ソニーのこの動きは、そのような市場の流れを加速させる可能性があります。

7. 各国の反応と今後の見通し
今回のPS5価格値上げに対する各国のゲーマーや小売業者の反応は様々です。価格上昇を受け入れざるを得ないという声がある一方で、購入を控える動きや、中古市場への関心の高まりも予想されます。とりあえず、日本での価格改正は今のところ発表されていませんが、油断はできません。
ソニーは、今回の価格改定が販売台数にどのような影響を与えるのか、慎重に見極めることになるでしょう。また、トランプ政権の貿易政策や為替レートの変動など、外部経済環境の変化にも注視し、必要に応じてさらなる価格戦略の見直しを行う可能性もあります。
今後、他のゲーム機メーカーが同様の価格改定を行うのか、そして消費者がこれらの変化にどのように適応していくのか、ゲーム市場全体の動向を注視していく必要があります。

まとめ
今回のソニーによるヨーロッパ、オーストラリア、ニュージーランドでのPlayStation 5価格値上げのニュースは、世界中のゲーマーにとって衝撃的なものであり、現代の国際経済と貿易政策がゲーム業界に与える影響の大きさを改めて認識させられる出来事と言えるでしょう。
トランプ大統領の関税引き上げ、円安、部品価格の高騰という三重苦の中で、ソニーが苦渋の決断を下した背景には、厳しい経営環境があることが伺えます。
一方で、ディスクドライブの価格を値下げするという動きは、デジタル配信への移行を加速させようとするソニーの戦略的な意図を感じさせます。物理メディアの需要が減少する中で、デジタル版の魅力を高め、より多くのユーザーをデジタルプラットフォームへと誘導しようとしているのかもしれません。
PS5の購入を検討している方は、今回の価格改定を念頭に置き、自身の予算やプレイスタイルに合わせて、最適な選択肢を慎重に検討する必要があるでしょう。また、PS5 Proの存在も視野に入れつつ、今後の市場動向を見極めることが重要と言えます。
まぁ、もし日本でも価格が上昇するのであれば、もうゲーミングPC買った方が良さそうではありますね。モンハンワイルズとか高負荷なゲームでなければ、RTX3060ti積んでる昔のPCでも十分遊べますからね。保証とか気にしないのであれば、メルカリで自作している人から安く購入するのも手ではありますね。
