11月19日の発売まで2カ月余りに迫った『グランド・セフト・オート6(GTA 6)』が、単なるゲームの枠を完全に踏み越え、現代音楽カルチャーの覇権を握りにきた。トラヴィス・スコットやフューチャー、さらにはロック界の生ける伝説キース・リチャーズに至るまで、錚々たるアーティストたちが一斉に本作とのコラボレーションを示唆するティザーを投稿し、世界中で熱狂的な考察合戦を巻き起こしている。
舞台となるバイスシティの元ネタ、マイアミビーチ市当局とロックスター・ゲームスが手を組んだプロモーションも話題を呼ぶなか、今回表面化した動きはそれ以上に強烈だ。発端となったのは、トラヴィス・スコットがInstagramに投稿した一枚の写真。ストリップ劇場のポールを思わせるカットに添えられた「JOH」の文字列は、作中に登場するクラブ「Jack of Hearts」を指すとみられている。単に劇中ラジオへ楽曲を提供するにとどまらず、彼自身をモデルにしたキャラクターの登場や、ゲーム内での限定パフォーマンスといった踏み込んだ演出すら現実味を帯びてきた。

これまでもGTAシリーズは、時代を象徴するラジオ選曲でプレイヤーの耳を奪ってきた。すでにトム・ペティやリル・ウェイン、フィル・コリンズらの名が挙がっているが、今回の顔ぶれはジャンルも世代も軽々と横断している。ヒップホップ最前線を走るメトロ・ブーミン、カントリー界の巨頭モーガン・ウォーレン、さらにはラテンポップのラウル・アレハンドロまでが名を連ねる光景は、もはや巨大フェスのヘッドライナー集結に近い。
フォートナイトがバーチャルライブで切り開いたメタバース的体験に対し、ロックスターが提示しようとしているのは、徹底してリアルで生々しいストリートの空気感だ。ゲームというメディアが音楽の「最大のリスニングプラットフォーム」として機能する時代において、本作が打ち立てる基準は競合他社にとって途方もない脅威になる。
今後数週間でティザーの真意や具体的なコラボ内容が順次明かされる見通しだ。エンターテインメントの境界線を壊しにかかるこの超大作が、ゲームシーンのみならず世界のポップカルチャー全体をどう塗り替えていくのか。その全貌から目が離せない。
Source:Morgan


