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サムスンが誇る超薄型フラッグシップと、折りたたみスマホの極致である3つ折りモデル。これらの野心的なデバイスが、わずか1世代で姿を消す可能性が浮上した。
Bloombergのインタビューに応じた同社COOのチェ・ウォンジュン氏の発言により、次期モデル「Galaxy S26 Edge」および「TriFold 2」の開発が白紙状態であることが明らかになったのだ。
昨年5月に登場した「Galaxy S25 Edge」と、12月に市場を驚かせた「Galaxy Z TriFold」。一方は極限の薄さを追求し、もう一方はスマートフォンの形状の限界に挑んだ意欲作。技術の最先端を突き進むサムスンの姿勢を象徴する2機種だった。
しかし現実は甘くない。チェ氏によれば、S25 Edgeは従来モデルと比較して販売が低調に推移。ユーザーの好みやデバイス選びの基準が多様化する中、単なる薄さだけでは消費者を動かす決定打にはならなかった。中国メーカーとの極限の薄型化競争が激化する昨今、開発コストに見合うリターンが市場にないと判断したのだろう。
一方のTriFold。こちらはエンジニアリングの限界に挑む研究開発の結晶として世に出たデバイスだ。世界中で完売というニュースが躍ったものの、その高価格と複雑な構造ゆえに、ニッチな市場向けの製品という枠を抜け出せない。
チェ氏が「新しいカテゴリーの創造だった」と語る通り、技術力の誇示という本来の目的はすでに達成済み。莫大なコストをかけて次期モデルを投入する意義を、サムスン自身が迷っている状態だ。
野心的な2つのフォームファクターが岐路に立たされる中、サムスンが次に見据えるのは確実な実利。チェ氏が示唆した大画面かつ低価格な「Wide Fold」こそが、動画視聴などのエンタメ需要を取り込む新たな牽引役となる。今夏にも登場すると噂されるこの廉価版モデルが、停滞気味の折りたたみ市場をどう変えるのか。最先端の追求から、現実的な大衆化へのシフト。サムスンの次なる生存戦略から目が離せない。
Source:Bloomberg

