1台の携帯ゲーム機が、今や高級車並みの価値を持つ。2015年の任天堂公式大会優勝者に贈られた、宮本茂氏の直筆サインとマリオのスケッチ入り「Newニンテンドー3DS XL」が、海外オークションサイトのeBayで2万1000ドル(約330万円)を超える入札を記録し、世界中のコレクターを震撼させている。ゲームが単なる玩具や娯楽の枠を超え、歴史的な文化遺産としての価値を認められた象徴的な出来事だ。
この出品物は、2015年開催の「ニンテンドーワールドチャンピオンシップ」覇者、ジョン・ゴールドバーグ氏が10年近く大切に保管してきた至高の逸品。本体に刻まれた宮本氏のサインとマリオのイラストは、世界に二つとない唯一無二の価値を誇る。
現在、通常の再生品でもAmazonで500ドルほどのプレミアム価格で取引される人気ハードだが、今回の異次元の高騰理由はハードそのものではない。宮本氏が特別なイベント以外で滅多にサインをしないという圧倒的な希少性、そして「公式大会の優勝賞品」という完璧な来歴が担保されている点にある。

近年のレトロゲーム市場は、未開封品や限定品が投資対象としてマネーゲーム化する傾向が強い。しかし、今回の動きは悪質な買い占めや転売とは本質的に異なる。歴史を証明する本物のメモラビリア(記念品)に対する、純粋なコレクター心理と市場の正当な評価がもたらした結果だ。
出品者はアイテムの繊細な性質を考慮し、海外発送はせず、新しい所有者に直接手渡すことすら検討しているという。この徹底した管理意識も、アイテムの持つ重みを物語っている。
オークションは6月上旬に締め切りを迎えるが、最終的な落札額がどこまで跳ね上がるか、市場の関心は最高潮に達している。
今後、ゲームのデジタルシフトが加速すればするほど、こうした「作り手の体温が残る物理的な一点物」の価値は、逆説的に高まり続けるに違いない。
Source:eBay

