かつて、私たちのポケットには、いつでもどこでも壮大なゲームの世界へと誘う魔法の扉がありました。そう、PlayStation Portable (PSP)、そしてその後継機であるPlayStation Vita (PS Vita) です。美麗なグラフィック、魅力的な専用タイトル、そして何よりも「PlayStationの体験を持ち運べる」というコンセプトは、多くのゲームファンの心を掴んで離しませんでした。
しかし、スマートフォンの台頭や市場の変化の波を受け、PS Vitaは惜しまれつつもその役目を終え、ソニーの携帯ゲーム機の系譜は途絶えたかに思われました。リモートプレイ専用機「PlayStation Portal」は登場したものの、「単体でゲームが遊べる真の後継機」を待ち望む声は、今なお世界中から聞こえてきます。
そんな中、乾ききった我々の心に潤いを与えるような、衝撃的な噂が飛び込んできたのです! ソニーが水面下で開発を進めているとされる次世代PlayStation携帯機について、発売時期や搭載されるチップに関する、これまでにない具体的な情報がリークされました。
今回の噂によれば、発売は2028年、そして心臓部にはなんとSamsung製の最先端2nmプロセスで製造されるチップが搭載されるというのです! これは、単なるリモートプレイ機ではない、真の次世代携帯ゲーム機の誕生を予感させるに十分な情報です。
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次世代PSPのコードネーム「Jupiter」!噂の詳細と考察

2028年発売説!PS6との同時デビューが狙いか?
今回の新たな噂で最も注目すべき点の一つが、2028年という具体的な発売時期です。
ソニーはPlayStationシリーズにおいて、おおよそ7年周期で次世代機を投入してきました。PS4が2013年、PS5が2020年に発売されたことを考えると、順当にいけばPlayStation 6 (PS6) は2027年頃に登場すると予測されていました。
しかし、今回の噂では携帯機の発売が2028年とされており、これはPS6と同時期、あるいはPS6発売の翌年にあたります。もしPS6の発売も2028年にずれ込むのであれば、据え置き機と携帯機の同時ローンチという、かつてない壮大な戦略が展開される可能性も考えられます。
PS6の性能を活かした高品質なゲーム体験を、家庭では大画面で、外出先では携帯機でシームレスに楽しむ…。そんな未来が実現するのかもしれません。2028年という時期は、少し先のように感じられますが、壮大な計画の実現には、それだけの準備期間が必要ということなのでしょう。
心臓部はSamsung製2nmチップ!「SF2P」の実力とは?

今回の噂のもう一つの核となるのが、搭載されるSoC(System on a Chip)に関する情報です。
以前、著名なリーカーであるKepler_L2氏は、この携帯機がTSMCの3nmプロセスで製造される15Wチップを搭載すると報じていました。しかし、半導体アナリストのJukanlosreve氏は、これを否定。彼が情報筋から得たという情報によれば、この携帯機(社内コードネーム:Jupiter)に搭載されるSoCは、Samsung Foundryの最先端2nmプロセス「SF2P」で製造されるというのです。
2nmプロセスというのは、現在主流のスマートフォンやPCに搭載されているチップよりもさらに微細化された、まさに次世代の技術です。これが実現すれば、携帯ゲーム機とは思えないほどの高い処理性能と、優れた電力効率を両立できる可能性があります。
SamsungのSF2Pは、以前のロードマップによれば2026年には本格稼働するとされています。2028年の量産開始であれば、製造プロセスの成熟度を高め、歩留まり(良品率)の問題を解決するための十分な時間が確保できる計算になります。
スペック予想!Zen 5 CPUに最大40 CUのGPU?

では、その2nmチップは具体的にどのようなスペックを持つのでしょうか? 残念ながら、現時点では憶測の域を出ません。
- CPU
AMDの次世代アーキテクチャであるZen 5が有力候補とされています。コア数については不明ですが、PS5に匹敵、あるいはそれを超えるCPU性能も夢ではないかもしれません。 - GPU
RDNAアーキテクチャベースであることは確実視されていますが、その規模については20 CU(Compute Unit)から40 CUまで、様々な噂が飛び交っています。もし40 CUが実現すれば、これはPS4 Pro(36 CU)を上回り、PS5(36 CU)に迫るグラフィック性能を持つことになります。携帯機でここまでくれば、まさに革命的です。 - 3D V-Cache
AMDがRyzenプロセッサーで導入し、ゲーム性能を飛躍的に向上させた3D V-Cache技術を搭載する可能性も示唆されています。これにより、メモリ帯域幅のボトルネックを解消し、よりスムーズなゲームプレイが期待できます。
これらのスペックがもし実現すれば、「Jupiter」は単なる携帯ゲーム機ではなく、「ポケットに入るハイエンドコンソール」と呼ぶにふさわしい存在となるでしょう。
なぜSamsung?TSMCではなくSF2Pを選ぶ理由

ここで一つ疑問が浮かびます。これまでPlayStationシリーズのチップは、主にAMDが設計し、世界最大のファウンドリであるTSMCが製造を担当してきました。AMDとTSMCは長年にわたる強固なパートナーシップを築いています。なぜここにきて、Samsung Foundryが浮上してきたのでしょうか?
いくつかの可能性が考えられます。
- TSMCの価格高騰
TSMCの最先端プロセス(N3クラスやN2ファミリー)は、非常に高性能である一方、ウェハ価格が法外に高騰していると言われています。携帯ゲーム機という、ある程度価格を抑える必要のある製品において、TSMCのコストは許容できないレベルだったのかもしれません。 - Samsungの条件提示
TSMCに対抗すべく、SamsungがソニーとAMDに対して非常に有利な条件(価格、供給量、技術協力など)を提示した可能性です。実際、任天堂の次世代機(Switch 2)に搭載されると噂のTegra T239チップも、Samsung Foundryの8Nノードを採用すると言われており、ゲーム機メーカーにとってSamsungが魅力的な選択肢となりつつあることを示唆しています。 - SF2Pの性能
純粋に、AMDとソニーがテストを行った結果、SamsungのSF2PがTSMCの同世代プロセスと比較して、性能や電力効率の面で優れている、あるいは特定の要求(携帯機向けの最適化など)に適していると判断した可能性も否定できません。
もちろん、現時点ではソニー、AMD、Samsung Foundryの3社はまだ正式な合意には至っていないとされており、すべては流動的です。最終的にTSMCが選ばれる可能性も残されていますが、Samsungという新たな選択肢が浮上してきたことは、非常に興味深い動きと言えるでしょう。
まとめ

今回浮上したソニーの次世代PlayStation携帯機に関する噂は、まさに衝撃的であり、世界中のゲームファンの心を躍らせるものでした。2028年という具体的な時期、Samsungの2nmチップという最先端技術、そしてPS6との連携を示唆する情報は、私たちが長年待ち望んできた「真のPS Vita後継機」への期待を極限まで高めてくれます。
もしこの噂が真実であり、「Jupiter」が2nmチップを搭載して登場するならば、それは携帯ゲーム機の概念を根底から覆すデバイスとなるでしょう。PS5クラスのゲームが、いつでもどこでも手の中で楽しめるようになるのです。
一方で、価格やバッテリー、ソフトなどの懸念点も存在します。
しかし、それでもなお、私たちは夢を見ずにはいられません。PSPがもたらした衝撃、PS Vitaが切り拓いた可能性。その系譜を受け継ぐ真の次世代機が、PS6と共に2028年に登場するというシナリオは、あまりにも魅力的です。
ソニー、AMD、そしてSamsung。この3社が手を取り合い、半導体技術の粋を結集して生み出すであろう「Jupiter」が、果たしてどのような形で私たちの前に現れるのか?
今はただ、固唾を飲んで続報を待つしかありません。しかし、一つだけ確かなことは、PlayStationの携帯ゲーム機の火は、まだ消えていなかったということです。やっぱりリモート携帯機ではなくて、それ単体で動く物が欲しいんですよね!
